第七話 散歩とナツと俺
翌日、俺は目を覚ますと今いるキャスパー村をナツと散策することにした。ナツを運動させないとダメだからね。ついでにレストランで朝市の場所を教えてもらったので買い出しに行く。
「ナツ!! お出かけするよ」
「わふっ!!」
ナツが呼ばれてやってきて足にスリスリと頭を擦り付けてくるので撫でてやりながらハーネスを装着してやってリードを繋ぐ。俺は買い物用のバックパックを背負ってナツと一緒に出かける。
ウニキャンから外に出ると田舎の新鮮な朝の空気が肺を満たす。俺は深呼吸して存分に新鮮な空気を味わう。
「よし、では出かけようか」
「!!」
ナツはご機嫌なようで尻尾をふりふりして、俺を引っ張り出した。
まずは村の周辺で散歩だ。秋田犬のナツは運動をよくさせる必要がある。この村は周辺のアウトドアアクティビティへの玄関口ということもあって村の大きさの割にはリゾートホテルが何軒かある。スキーとか登山とか色々とできそうだ。
山の方へと歩いてみる。村の周囲には畑が広がり、畑を縫うように農道がある。農道に沿って歩いていく。畑が切れたところに小川が見える。小川まで行こう。
川には木製の吊り橋がかかっている。幅は乗用車ぐらいなら通れそうな広さだが、真ん中が撓んでいてウニキャンで渡る気はしない。せいぜい自転車で渡るぐらいだろう。ナツも橋を渡ろうとしたが揺れるのが怖いのか戻ってきてしまった。
「それじゃ、戻るか」
「わんっ」
しばらくナツがとてとてと茂みの匂いを嗅ぎながら歩いていると枯れ枝を見つけて咥えて俺の元にやってくる。
ナツは期待の眼差しで俺を見つめている。俺は枝を受け取るとナツを見ながら枝を投げようとしたり止めたりする。ナツがその動きに一々反応して可愛い。
「よし、ナツ取って来い!!」
そう言って枝を投げると、ナツは枝を拾いに駆け出した。そして枝を咥えて戻ってくると、また同じように俺を見つめる。そして枝を俺に渡すと早く投げろと枝をじっと見つめてくる。
こうなったらナツがあきるまで、とことんやるしかないねと、俺は枝にナツの注意を十分引きつけてから投げてはナツからまた受け取って、さらに枝を投げ続けた。
ナツが枝拾いに満足したので、バックパックから携帯用の折り畳めるバケツに水を入れてナツに水を飲ませる。そしてしばらく休憩した後に村の中央に向かって歩いていく。
この辺りは灰色の石積みの家屋が多い。屋根はどの家も茶色の瓦屋根だ。たまに漆喰壁の家屋も見かけるので、ちょうど良いアクセントになっている。漆喰の色も白だったりクリーム色だったりと個性がある。
そして村の中央にある広場に到着するとすでに朝市は始まっているようで買い物客で賑わっているように見える。
まずは肉を見繕ったあとには新鮮な野菜を仕入れたいところだ。




