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おっさん、早期リタイアしてキャンピングカーでのんびり異世界ライフ  作者: 椎乃律歌
第六章 ドワーフ国その二

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09.ウニモグの登坂能力を調べよう!

 工房の人達が話し合っている間、俺はナツと遊んで過ごす。ボールを投げては取ってくる定番の遊びだ。俺がボールを放り投げるとナツは走って取りに行ってはまた戻って来て「投げて!」みたいな感じで渡してくるので俺はボールを受け取るともう一度投げる。そんな遊びをやっていた所にカルロスさんがやって来た。


 「ヒロシ、次は三五度の登坂能力を調べて、後は五度ずつ上げて最終的には四五度の登坂能力を見たいが頼めるか?」

「ああ、問題ないよ」


 その後、俺はリクエスト通りに三五度、四〇度と(こな)していき、次はいよいよ四五度の最大登坂能力調査となった。


 四五度の坂道の前に停車して合図を待つ。坂の傾斜は四五度だがアプローチアングルは四三度なので坂への入り口は若干緩い方が望ましい。坂の上にはジュリオ。坂の途中にはセルジオが撮影機材を持って待機している。坂の下にはカルロスさんがいて全体指揮を執っている。


「よし、それじゃ始めるか。ヒロシやってくれ!」

「あいよ!」


 ウニモグのOM934LAエンジンが唸りを上げて咆哮する。俺はクラッチを繋げると最初はゆっくり目で、段々と速度を上げて未舗装の坂道を登っていく。相変わらず四五度だと壁を登っているみたいだな。不整地も構わず登って坂の上に前輪タイヤが食い付けば後は後輪が坂の上に降りるまで這い上がるだけだ。


 坂の上でUターンさせると今度は坂を降りていく。こちらも崖を真っ逆さまに降りていく感じで視覚的にはハラハラするが、ゆっくり降りれば問題ない。坂を降りきってカルロスさんの所まで行けば登坂試験は終了だ。


「カルロスさんどうでした?」

「あぁ、能力は聞いてたけれど、目の辺りにすると唖然とするな……」

 ふむ、これは一度体験してもらったほうが良いのではなかろうか?

「カルロスさん、運転は駄目だけれど助手席に乗ってみます?」

「おお!いいのか!?是非とも乗ってみたい!」

「では、カルロスさんの乗車を許可しますね」


 カルロスさんは早速ウキウキしながら助手席に乗り込んだ。


「シートベルトは付けてくださいね」

 俺はカルロスさんにシートベルトの付け方を教えて、ちゃんとシートベルトを装着できているか確かめてからアクセルペダルを踏んで前進する。


 快調に登っていくウニモグに調子づいて出来る限り飛ばしてしまう。


「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ」


 一気に駆け上って頂上にたどり着くと俺はウニモグを停めてカルロスさんに聞いてみる。

「どうでした?」

「ほとんど壁を登っているかのようだった……。落ちるんじゃないかと思ったよ……」

「カルロスさん、まだまだこんな所で驚いていたら駄目ですよ?次は下りですから!」

「おっ、おぅ」


 俺はウニモグをUターンさせて崖に前輪を掛ける。そろりと動き出して四輪が坂の上に全て乗ったら一気に駆け下りる。気分は源義経の一ノ谷の戦いでの逆落しだ。


 今度のカルロスさんは静かだな。俺は下りきってウニモグを停車させるとカルロスさんが座っている助手席を見る。


「…………」


 やり過ぎたかも知れない……。


評価、ブックマーク、誤字報告、お好きな登坂など有りましたら、お気軽にお願いします。

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