05.魔導車工房に行こう!
2018年12月7日にウニキャンを初投稿してから一周年になります。
俺とナツとドワーフのおっさんは、とある魔導車工房の前に居た。
昨日はドワーフのおっさんの突撃を受けた後に話を聞くことにした。
「ワシは魔導車工房をやっているカルロス・ゴンサルヴェスと言うものじゃ」
「ご丁寧にどうも。見ての通り屋台をやっているヒロシ・ヤマノと言います」
「一つ、頼みがあるのだが」
頼まれても出来ないことなら断るが……。聞くだけならいいか。
「頼み事をされても引き受けられるとは限りませんが、とりあえず聞きましょう」
「お主の魔導車を見せてくれ!」
「この、ウニモグをですか?」
「ウニモグ?と言うのか?そうだウニモグを見せて欲しい、頼む!」
そう言うとカルロスさんはいきなり土下座した。ドワーフにも土下座文化があるんだ……。ドワーフのおっさん、そんなに見たいのか。ここは広場なので周囲の目が痛いぞ。
「しかし、どうしてそこまでしてウニモグを見たいのですか?」
「この魔導車には未知の技術が多数あるように見える上に神器の波動も感じるのだ!」
ああ、やっぱり分かる人には分かるのか……。
「まぁ、見るのは構いませんが……」
「本当か!?」
「ただし、こちらも屋台をやっているのと、この魔導車は家でもあるので空いている時間で良ければですが……」
「それでいいなら構わんぞ!」
そんなやり取りがあったので、本日は仕事も終わった後に『ゴンサルヴェス魔導車工房』に来ているのであった。
工房内は整頓されているようで雑然としている。作業中らしくて幾つもの魔導車が並んでいるのも雑然とした感じを醸し出すのだろう。
「こちらにウニモグを入れてくれ」
カルロスさんに誘導されて魔導車工房に乗入れる。誘導された先には長方形の穴があり、そこには車幅に合わせた二本の橋脚付き鉄板が渡してある。どうやらその鉄板の上に車輪を載せて穴の上に停車させて欲しいみたいだ。
自動車の整備工場だとジャッキアップが普通だが、電車の整備工場にある整備場と似たような仕組みだな。
ゆっくりと慎重に進めて穴の上に停車させる。カルロスさんが乗降用の階段をウニモグの運転席側に横付けしてくれる。ドワーフの背丈ほどの深さで穴が空いているので足場がないとウニモグから降りれないのだ。
カルロスと二人の助手ジュリオとセルジオにウニキャンを見る許可を出すと三人は早速穴の中に降りて行き光魔法でウニモグの下面を照らして見始めた。今までの検証で許可を出した者には一定時間はウニキャンに弾き出されないが許可された後に害意があればその時点で許可が取り消されることもあるようだ。
それを俺とナツはのんびりと椅子に座って眺めている。カルロスさんの奥さんらしい人がお茶を持ってきてくれたのでそれを飲んでいる。これ、美味しいね。後で何のお茶か聞いてみよう。ちなみにこの世界ではドワーフの女性に髭はない。
「ここのドライブシャフトは……」
「このバネは……」
「このフレームの構造は……」
ウニモグのフレームは昔からあるラダーフレームで目新しくはないが馬車の頃から使われていたという定番のフレームだ。梯子のような形なのでラダーフレームと言われている。ラダーフレームは頑丈なので本格オフロード車で採用されていることが多い。
前後のサスペンションはトルク・チューブ構造と車軸懸架とも呼ばれるアクスル・サスペンションによって前後に独立して斜め三〇度に車軸がスイングする。独立懸架式サスペンションと比べると悪路での接地性が非常に高い上に地面に底打ちし難い。これもオフロード車では定番である。
「アプローチアングルが尋常じゃないっすね」
「そうだな、ヒロシ!この魔導車はどれ位の坂を登れるのだ?」とカルロスが聞いてきた。
「坂というかタイヤがグリップすれば四五度までの崖なら登れるぞ」
「四五度だと!?」
「うちの魔導車だと二〇度ぐらい?頑張って二五度ぐらいでやんす」
「想像もつかないな……」
まだまだ彼らのウニモグ検分は終わりそうにはないようだ。
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