10.丘の上でキャンプをしよう!
ナツとの散歩を終えてウニキャンに戻る。今夜のキャンプ地を探すとしよう。この辺りには整備されたキャンプ場はないので適当な空き地を探して場所を確保するしか無いのだが……。
地図を見つつ周囲を眺めていたら良さそうな丘が見える。あの丘の上でキャンプするか。俺はウニキャンのエンジンを始動させると丘に向かうために街道を外れて草原に入り込んだ。
未舗装とは言えウニモグには問題ない丘なので低木を避けながらスルスルと登っていく。グラススキーやダウンヒルバイクで遊んだら面白そうな傾斜だ。
丘の上に立つと遠くまで見渡せる。遠方に山が見えて、日本だと北海道か富士山の裾野かという感じだろうか。パッチワークのような田畑や牧草地がよく見える。流石に海までは見えないな。丘の上はちょっとした広い大地で雑木林になってはいるが良い風よけになりそうだ。
丘の上を暫く走っていたらちょっとした池を見つけた。この畔がキャンプに良さそうだ。ウニキャンを停めてキャンプの準備だ。
何時ものようにウニキャンの側面に取り付けてある日除を展開して設営。焚き火台やキャンプチェア、キャンプテーブルを設置。焚き火用の薪を探しにナツと池の周囲を散歩する。落ちている枯れ枝を拾って歩くだけ何だが周囲に灌木もあったりして意外と折れた枝とか沢山落ちているんだよね。
ナツはダッシュしたかと思えば池を覗いて水を飲んでみたりしている。戻ってきたと思えば、またもやダッシュと忙しい。楽しそうにしているナツを見ているとほっこりするね。
池を一周して戻ってきたら焚き火台に枯れ枝を入れて着火用に松ぼっくりなどを投入。着火用トーチで火を付ける。暫くすると枯れ枝に火が移り燃え始める。
焚き火に当たりながらチェアに深く腰掛けて本を読み始める。聞こえてくるのは鳥の鳴き声とか風が水面を撫でて漣を起こす音。枯れ葉が風で舞う音。それらが自然のBGMとなって心地良いひと時を過ごした。
そろそろ夕方になって来たので晩飯の用意をしよう。今夜の晩飯はジンギスカンだ。羊肉が市場で沢山売っていたので買っておいたのだ。羊肉と言えば日本ではジンギスカンだからね。ジンギスカンと言えばもやし。もやしも市場にあったので思わず購入したのだ。
りんご、にんにくをすりおろして醤油、ごま油、トマトケチャップ、オイスターソース、はちみつを加えた調味液を作る。ボウルにラム肉を入れて調味液を加えて揉んでおく。
もやし、キャベツ、玉ねぎ、にんじんをフライパンで炒める。炒めたものは皿に盛り付けておく。
フライパンでラム肉を焼いて焼けたら野菜の上に盛り付ければ出来上がり。ジンギスカン鍋は流石にないのでフライパンで作ってみたが問題なく出来たようだ。
やっぱりラム肉は美味い。ラム肉食べているとやっぱりビールかなという事で買っておいた現地のビールをグラスに注いで見る。見た目はペール系のビールだね。
「んぐ、ごく、ごきゅ、ぷはー」
切れのあるビールを飲みつつジンギスカンを食べる。そしてまたビールを飲む!これは無限に出来そうだ。これこそ「無限ジンギスカン」だ!と思いながら食べたら一気に食べてしまったよ。何か簡単にスープでも作って飲むか。
俺は何のスープを作ろうかなと考えながらキッチンに向かったのだった。
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