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おっさん、早期リタイアしてキャンピングカーでのんびり異世界ライフ  作者: 椎乃律歌
第五章 魔女島

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06.魔女の食卓でご馳走になろう!

 ダイニングテーブルにセイレーンの魔女四姉妹によって色取り取りな料理が並べられていく。

 揚げナス、トマト、瓜、ピーマン、セロリ、玉ねぎなどの野菜に白ワインビネガーで煮て砂糖と塩で味付けした煮物。

 カリフラワーのフリッター。オレンジや野菜をオリーブオイル、塩、胡椒で和えたサラダ。

 空豆のスープ。トマトと豆やハーブで味付けしたパスタ。

 マグロにパン粉を付けて焼いたコロッケ。

 ハムとチーズとほうれん草のパイ。といった料理が所狭しと並んでいる。もちろん土産に持ってきたお好み焼きも軽く温め直してもらって並んでいる。


 予備の椅子を出してもらって全員でテーブルを囲む。丸いテーブルだから人数の調整はやりやすい。魔女四姉妹は早速お好み焼きを切り分けて食べている。ペイシノエーさんがニコニコしながら食べている。皆、「美味しい」と言いながら食べているので持ってきた俺としては、これで安心して食事を楽しめる。


 では、俺も魔女さん達の料理を食べてみますか。揚げナスとトマトと瓜の煮込みに手を付けてみる。爽やかな酸味が南国の風土によく合う。トマトの旨味と酸味が絶妙な働きをしていて美味しい。

 次に、カリフラワーのフリッター。食べてみたら生地にチーズが練り込まれているようで独特な風味が美味しい。

 そしてオレンジのサラダ。ポテトサラダにみかんが入っているのは俺はあまり好きではないがこのオレンジのサラダはオレンジが主役として成立しているサラダで美味しい。

 次は空豆のスープ。空豆のスープだが豆は空豆以外にも入っている。五種類ぐらいは入っていると思われる。トマト、玉ねぎやハーブと一緒に煮込まれたスープで、やっぱりここにもトマトが使われていて魔女島の人はトマトが好きなようだ。味の方はトマトベースということもあってミネストローネに近いかも。

 マグロのコロッケはマグロをみじん切りした物にハーブや木の実を入れたものをマグロの切り身で巻いてパン粉を付けてオーブンで焼いた物で手間がかかっている。イメージ的にはねぎトロを焼いた感じかもしれない。

 ハムとチーズとほうれん草のパイは味は想像しやすい。ほうれん草のキッシュを食べたことがあるけれど似たような方向性だ。熱々のチーズが決め手の料理だ。


「どの料理も美味しかったです。大変満足しました」

「気に入っていただけて何よりですわ、リビングの方に移動してお茶でも飲みましょう」

 一家の長であるテルクシオペイアーさんの掛け声でリビングに移動してリビングで寛ぎながらお茶菓子をいただく。お菓子はチーズ入りパイにハチミツをかけた物だ。熱々のチーズとカリッとしたパイがとても香ばしくて美味しい一品である。


 俺がここまで来た経緯やペイシノエーさんのドジっ子話で盛り上がっていると四女のモルペーさんが俺に尋ねてきた。


「お兄さんの鞄は不思議な形をしていますね。私達が使っている鞄とは形が違いますね」

「そう言えば、珍しい形だな」

 と次女のアグラオペーメーさんが立ち上がって仕事で使っている鞄を持ってきてテーブルの上に置いた。

 俺のメッセンジャーバッグもテーブルの上に置いてみる。

 どちらも肩掛け鞄だが魔女姉妹が使っている鞄は若干大きめの革製のショルダーバッグで鞄は腰の辺りに来る。俺のメッセンジャーバッグはナイロン布製で内側は防水素材で二重になっている。

「俺が使っている鞄はメッセンジャーバッグと言って、俺が乗ってきた自転車を使って書類を配達する時に使う鞄なんだ」

「異世界にも似たような仕事があるのか」

 とアグラオペーメーさんが呟く。

「自転車で使いやすいように作られているので、こうやって使う」

 俺はメッセンジャーバッグを背負って見せて前傾姿勢になる。ショルダーストラップは弛まないように調整して前傾姿勢になった時にバッグが背中に載るように装着するのが正しい使い方だ。街角でファッション的にストラップを長めにしてお尻が隠れるように使っているのを見かけるがメッセンジャーバッグの使い方としては正しくはないのだ。


 暫く実演して鞄を外して四姉妹によく見えるようにテーブルに置いて見てもらう。

 ペイシノエーさんとモルペーさんは鞄の蓋に付いている面ファスナーが気に入ったようで何度も貼り付けては剥がしたりを繰り返している。

 アグラオペーメーさんはショルダーストラップの長さの調整が一瞬で出来る仕組みが気に入ったようで何度も試していた。

 テルクシオペイアーさんは鞄の防水に興味があったらしくて、その辺りを重点的に見ていた。魔法で防水加工出来るのだが効果を持続させるためには常に魔力を供給しないと効果が出ないので魔力を使わない方法には興味があるようだ。こちらの世界でも防水にオイルレザーとかオイルコットンなどが使われているようだ。


 仕事用鞄談義で暫く盛り上がった事は言うまでもない。そんな感じで『セイレーンの魔女メッセンジャーサービス』訪問は終わったのであった。


評価、ブックマーク、誤字報告、お気に入りの鞄など有りましたら、お気軽にお願いします。

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