03.魔女島に上陸しよう!
フェリーの朝は早い。起きたらナツをドッグランに連れて行って運動させてやる。ドッグランから戻ったら下船の準備だ。手早く荷物を片付けてまとめるとナツを連れて外に出て接岸の様子を見に行く。
あれが魔女島か、大きさ的にマダガスカル島やグレートブリテン島ぐらいの大きな島だ。南北に一〇〇〇キロメートルぐらいはある。船から見ただけだと大陸と言われても信じてしまうぐらいの大きさだ。自然が豊かな島としても知られていて牧畜なども盛んのようだ。今から入港する港は魔女島最大の都市だそうで例の『セイレーンの魔女メッセンジャーサービス』もここにあるようだ。
上空には魔女達が飛び交う姿が見える。服装は地球の魔女に良くある黒とかでは無いのでカラフルだ。その光景を見ると魔女島に来たなと実感する。
ゆっくりと港の中を進み、ランプウェイが後部にある関係で一旦一八〇度転回してから後退して接岸。魔女の港湾作業員が舫い綱を結べば接岸完了だ。
接岸の様子を見た後はウニキャンが置いてある一階の駐車場へと向かう。乗車して暫く待っていたらランプウェイの準備も出来たらしくて魔導車が次々と出ていく。トラック組は後からなので暫くは待機だ。
順番が来たので前のトラックの後について行って外に出た。今回のフェリーの船旅はこれで終了だ。まだ朝飯食べてないのでどこかで食べるかウニキャン内で作るかどちらかにしようと思いながらフェリーから降りた魔導車たちの後に並んで港を出ていったのであった。
折角の魔女島なので島特有の朝食があれば食べたい。そうだ、やっぱりこんな時は市場だよな。飲食業をやるようになったので新しい場所に来たらまずは市場に行きたくなるのは、もはや職業病だな。旅行ガイドブックを眺めていたら港近くに市場を発見!早速向かってみる。
魔女島の市場も例に漏れず二階建て相当の建物で壁面は煉瓦造りだ。周囲に駐車場があるのでウニキャンを停めてナツは留守番で先に朝飯を食べていてもらおう。市場の中に入ると広い空間に所狭しと小売店が並んでいる。まずは鮮魚市場を見て回る。鮮魚市場には船内で食べたタラやサバや伊勢海老みたいな海老や蛤やムール貝のような大きな貝類と様々だ。タコやイカなども売っている。島なので鮮魚系は充実しているので刺身とか食べても大丈夫かもしれない。
肉系の売り場には、お馴染みの牛や豚や鶏に羊や鹿やウサギ肉など日本ではあまり売ってない肉など。チーズなどの乳製品も豊富にある。
野菜売り場はとにかくトマトが多い。一キログラム、三一クローナで売られている。トマトの種類も六種類と豊富だ。瓜系の野菜にピーマン。この世界でも定番のジャガイモなどと種類も豊富だ。これなら色々作れそうだ。
惣菜系の売り場もあった。とりあえず目に付いた卵型のコロッケみたいなものを買ってみる。二三クローナだった。惣菜パンみたいなものは一〇クローナ。花の形をしたクッキーをデザートに買ってみる。これは一二四クローナと嗜好品だからなのかちょっと高い。朝食はこれぐらいでいいだろうという事でウニキャンに戻って食べてみる。ウニキャンに戻るとナツが寄ってきて「おみやげくれるの!」と喜んだけれど「これはナツは食べては駄目なんだよ」と言ったらナツはがっかりして戻っていった所も可愛い。
コロッケは米とソーセージと豆とチーズが具材でそれを揚げたものだった。日本人的にこれは当たり!チーズと米の組み合わせに間違いはなかろう。惣菜パンはジャガイモにチーズにハーブとニンニク入りの具材をパン生地で包んだものだった。朝からニンニクはちょっと気になったがそこは気にしないでおこう。一人で食べているしナツしかいないしね。
そんなわけで魔女島での最初の朝食を堪能したのであった。
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