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おっさん、早期リタイアしてキャンピングカーでのんびり異世界ライフ  作者: 椎乃律歌
第二章 エルフの都

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11.第四キャンプに行こう!

主人公以外の視点です。

この話は第四キャンプにいるチーム・デルタ全体のボス視点の話となります。

ベースキャンプにいたチーム・デルタのベースキャンプリーダーとは別人物です。

 私はチーム・デルタを束ねるボスだ。世界各地に支店もある商会の会長職にある。幼い頃から商会の後継ぎとして学業に励み父の跡を継いで商会の会長になったが今は息子に実務を任せて楽隠居中だ。年中仕事ばかりしていたので隠居後はどうするかと思っていたが世界中を資金に物を言わせて冒険することにしたのだ。


 そして今はこの古代文明遺跡に挑戦している。この古代文明遺跡の第二五層はまだ誰も攻略をしてはいない。ここを一番乗りできれば冒険家協会の会合でも自慢となるだろう。この遺跡内は人力で移動するぐらいしか手段がないので遠征にはそれなりの費用がかかる。現在いる第四キャンプのある第二四層まで来るまで二週間を費やした。後は第二五層だけなのでここが最終キャンプ地だ。


 このキャンプ地にはあと「タンゴ」と「ロメオ」の二つのチームが居る。一応目的が同じなので共同でキャンプを張ってはいるが当然ライバルだ。どこが先に攻略するか競い合っている。そんなわけで飯の時間もどこが美味しいか競い合っていたりして「デルタ飯は……」とか言われるとなんか悔しい、どのチームも保存食なので美味しさは五十歩百歩だと思うけれどな。


 そろそろ夕方に差し掛かる頃合いで一台の魔導車が険しい丘を越えててやって来た。魔導車でここまでだと!?馬鹿な!!


「ま、魔導車で来たのか!?」


 私は驚きながら乗ってきた壮年の男に対して尋ねてみた。他のチームのボス達もやって来て同じ様に尋ねたそうにしている。


「ええ、そうですよ」


 と笑顔で答える人族の男。実際に来ているのだから嘘ではなかろう。男はヒロシ・ヤマノと言うらしい。ここへ来たのはチームではなく単独で屋台をしながら来たという。


 暫く、彼の魔導車を眺めていたが尋常ではない魔力を感じる。これは御先祖様の遺品である神器と同じ波動だ。なるほど彼は彷徨い人か。


「これは神器だな……」

「分かりますか?つい最近、この世界に来たばかりなんです」

「なるほど、全てに納得がいった」


 彼が言うには晩飯時に屋台をやりたいそうで許可が欲しいとのことだ。ここに籠もって二週間も経っていると保存食も似たようなものなので飽きができてくる。たまには変わったものが食べたいと思っていたところだ。なので他のチーム・ボスとも話し合って許可することにした。


 ちなみに何が出来るのかと聞いたらパスタを作るらしい。ただちょっと変わったパスタだそうだ。パスタはこの遠征でも作ることはあるが水は節約しているので遠征の初期に食べたきりなので期待してみよう。


 ヤマノがテキパキと屋台の設営をしている。まずはパスタを茹でるみたいだ。大量のお湯でパスタを茹でている。


 通常の水魔法では大量の水を作り出す事は出来ない。魔法は無から何でも作り出すような万能の物では無いのだ。水魔法は空気中や土中から水分を絞り出して使う物と言うのが最近の研究結果だ。なので神器が可能にしているのだろう。神器だと現代魔法では不可能なことも可能になるものが多い。


 並行してソースを作り始めている。どうやらトマトベースの具材はソーセージ、ベーコン、玉ねぎ、ピーマン、マッシュルームと具沢山のようだ。保存の効く乾燥野菜ぐらいしか無いので新鮮な野菜はありがたい。


 茹で上がったパスタは一旦寝かしておくようだ。


 具材を煮込んだり炒めたりとかなり手間がかかるようだが淀みなく作業をしていて見惚れる。美味しそうな匂いもしてきた。


 炒めたパスタを皿に盛り付け、その上に具材をトッピングして周りからソースを流し込んで完成のようだ。


「おまたせしました!これがあんかけパスタです!」


 店主が私の目の前に完成したパスタを置いた。とにかく食欲をそそるいい匂いがする。早速食べてみよう。

 ソースにとろみがあってパスタに良く絡む。ん!?甘酸っぱいトマトの味の中にスパイシーな辛さが!これは胡椒だな!単調だったキャンプ飯にガツンと強い刺激!これはありだな!!

 玉ねぎの甘味とピーマンの苦味もアクセントになって、さらにソーセージとベーコンのおかげで食欲的にも十分な満足感。

 はー、美味かったー。美味しかったので数分で食べ切ってしまってもったいない気もする。


「店主、美味しかったぞ。この場所でちゃんとした食事を取れるとは思わなかったので感謝する」

「いえいえ、そう言って頂けるだけでも、こちらもやりがいがありますよ!ありがとうございました!!」


 次を待っている部下に席を譲ってこの場から立ち去った。明日からの攻略も気合を入れていけそうだ。


どこのとは言いませんがデルタ飯が不味いのは定番ネタです。

次回は第二章最終話ですのでお楽しみに。


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