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12.新しい旅に出よう!

 この世界に来てから一ヶ月が経った。路銀も稼げたし、この世界のことも大分教わって分かってきた所で、そろそろ旅立つべき時が来たようだと思った。


 村長さんに旅立つことを知らせると送別会を開いてくれた。送別会では村長さんより通行手形を貰った。この通行手形を見せれば身分証明にもなるし連合国内なら自由に通行できるとのことであった。


 そこには「始まりの村発行」てあったので村長さんに聞いてみると、それが村の名前だそうだ。RPGをやらない俺でもゲームとかに出てきそうな名前だなと思っていると村長さんが由来を教えてくれた。


 この世界に初めてやってきたエルフの彷徨い人が最初に村を作ったのがこの地であるのだと。人口が増大して手狭になったので今は遷都して都は別の場所に移ったが、今でも始まりの場所として観光地にもなっているらしい。規模的には町レベルなのだけれど慣例的に「村」と呼んでいるとのことだ。どうりで村にしては旅人がよく来るし栄えていると思ったよ。


 そんなこんなで送別会のあった翌日にはキャンピングカーなので荷物をまとめる必要もなく、村長さん家族や交流のあった村人に見送られながら次の目的地へと旅立ったのだ。


 日本で首都を旅立った初日に旅の途上で事故に遭い当初の目的は挫折したが、異世界に来てまた新たな旅立ちが出来るとは思っても見なかったと感慨深く感じる。


 さて、これからの予定だが、やはりエルフの都は一度見ておくべきだろうという事で針路は都に定めている。


 ただし寄り道するところがある。事前に村長さんから道中の途中に温泉が湧き出ている山があると聞いて詳細な地図を貰っているのだ。日本人的には温泉でゆっくりしたいと言うことで行き先を決めたが温泉地としては整備されていない秘湯なので行くのには苦労するらしいけれどウニキャンなら大丈夫だ。


 ウニキャンで力強く山道を行く。大抵の斜面を登っていってしまうので道なき道も進めるのだ。


 そんな感じで山道を進んでいると前方になにかの物体が蹲っている……。この展開以前にもあったような……? と思いながらゆっくりと進んでいくと子犬のような動物が倒れているのが見えた。ウニキャンの結界の範囲に弾き出されずに入れたので危険はないだろうという事でウニキャンから降りて子犬らしき動物に近寄ってみる。


 見た感じは秋田犬(あきたいぬ)の子犬ぽい。かと言ってここは異世界だから秋田犬がいるとは限らないが俺みたいに彷徨い人ならぬ彷徨い犬がいてもおかしくないのも事実。どうやら怪我をして衰弱しているようだ。首輪にリードが繋がっているが飼い犬だろうか?


 とりあえず危険はなさそうなので保護してみるかとウニキャンのベンチシートにタオルを敷いて様子を見ることにした。これで上手く行けば回復するかもしれない。回復した時に飲めるように水とドッグフードを置いてみる。実は犬好きなので旅の相棒に犬を連れて行くのも良いかもと思ってしまってドッグフードも買ってあったのだ。


 実家では同じような秋田犬を飼っていた。父と母が亡くなったので、都内のアパート暮らしでは犬は飼えないので犬好きな親戚に引き取られたのだ。あいつは元気にやっているのだろうか? と子犬を見ていてそんなことを思い出した。


 子犬の様子を見ながら待つことにしてコーヒーでも飲んでのんびりするかと、外に椅子を置いて本でも読みながら待つことにした。


第一章はこれで終わりです。

評価やブックマークしてくださると、作者がとても嬉しいのでお願いします。


それでは次章にてお会いしましょう。


2019/4/12

部分修正しました。

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