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おっさん、早期リタイアしてキャンピングカーでのんびり異世界ライフ  作者: 椎乃律歌
第八章 オーク国

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第二十九話 雪中キャンプ その2

 薪ストーブのセッティングも終わったので、コットやチェアやテーブルその他のキャンプギアをテント内に持ち込んでレイアウトしたら完成だ。


 チェアに座ると薪ストーブの扉についている耐熱ガラス窓から炎がゆらめいて見える。今使っている薪ストーブは正面から見たら横に長い長方形の箱型で、正面の扉と側面がガラス窓になっているタイプ。ストーブ本体には折りたたみ式の脚が4本あって下の空間に薪を乾かすために置いてある。


 天板に鍋やヤカンを置くことで熱せられた天板によって湯を沸かしたり煮込んだり焼いたりと調理ができる。さらに薪ストーブ内部にスキレットとか置けばオーブンとしても使える。


 今夜のメニューは煮込みハンバーグだ。オーク国は草食のオークたちの国だが、オーク以外の種族も多く住んでいる。なのでそういった肉も食べる種族向けのマーケットもあるのだ。そのマーケットで買ってきたひき肉でハンバーグを作ろうという寸法だ。


 まずは当然だがハンバーグから作る。ハンバーグのたねが出来たらハンバーグを焼くのだが、今回はダッチオーブンで作る。今回使うダッチオーブンはFireboxの5ウェイ・ブッシュクラフト・クックウェアだ。5ウェイとある通りに5通りに使えるのだけれど今回は説明が長くなるので割愛。このダッチオーブンは底面の形が普通の丸型ではなくて長方形になっている。長方形なので薪ストーブの狭い天板で場所を取らないという利点がある。


 ダッチオーブンを天板に乗せて油を引く。温まったらハンバーグを入れて両面を焼く。最終的に煮込むので表面が焼けていれば大丈夫だ。


 トマトの角切り、エリンギを入れて水や調味料で味を整えたら蓋をして15分ほど煮込む。蓋の隙間から時折水蒸気が水滴となって漏れてくる。完全密閉ではないけれど蓋も鋳鉄製で重いので吹きこぼれるほどではない。


 待ち時間は読書でもしながら待つことにする。電子書籍リーダーを取り出して読み始める。今読んでいるのは『ガールズバンド・ウォークライ』女性戦闘部隊が異世界に飛ばされたが特殊スキル「ウォークライ」を駆使して戦乱の世を乗り切っていくと言う架空戦記小説だ。一人一人の生き様が丁寧に掘り下げられていて非常に面白い小説なんだ。


 15分に設定したスマホのタイマーがテント内で鳴り響く。


「おっと。出来たかな?」


 俺はリフターを手にとって蓋を取り外して見る。


「おおっ、いい感じに出来ているな」


 山盛りだったトマトもすっかりと煮崩れてスープになっている。エリンギも柔らかく煮込まれているようだ。


 俺は煮込みハンバーグを皿に盛り付ける。彩として仕上げにパセリを少量振りかければ出来上がりだ。


 グロウラーに量り売りしてもらったビールをタンブラーに注ぐ。黄金の輝きが薪ストーブの炎に照らされてさらに美味しそうにキラキラと輝いている。


「ゴクリっ……」


「いただきます!!」


 まずは煮込みハンバーグをひとくち大に切り分けて食べてみる。


「あっ、あちっ――ちちちっ――!!」


 煮込みハンバーグは想像していたより熱々だ。しかしこの寒い日にはこの熱々さが骨身に染みる。


「熱いけれど美味し――!!」


 次にエリンギを一口。


「これは、柔らかくて美味しいぞ!!」


 スープもスプーンですくってフーフーしてから味わう。


「レシピを見て大体の感じで作ったけれどトマトの旨みが出ていて、いい感じなっているなー」


 俺が煮込みハンバーグをむしゃむしゃ、はふはふと食べていると、匂いに釣られてやってきたナツがテント内に戻ってきてジーと見ている。


「ナツよ、君にはこれは食べさせることはできないのだ」


 俺はナツ用のご飯を盛り付けてセットしてあげるとナツは美味しそうにご飯を食べ始めた。


 俺はその様子を確かめるとビールを呑んでは煮込みハンバーグを食べると言う幸せの無限ループに突入するのであった。



【参考文献】

トマトの煮込みハンバーグ (サーモス株式会社)

https://www.thermos.jp/recipe/detail/fry_155.html



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