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おっさん、早期リタイアしてキャンピングカーでのんびり異世界ライフ  作者: 椎乃律歌
第八章 オーク国

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第二十八話 雪中キャンプ その1

 俺とナツはウニキャンで大雪原を走っている。なぜ俺たちが雪中行軍をしているかというと、ことの発端はこうだ。


 秋も終わり冬景色となったオーク国首都オリスのキャンプ場でウニキャンの前に焚き火台を設置すると火を起こし、鍋に水を注いで湯を沸かす。水が沸騰したら鍋を端に寄せて、湯の中に錫ちろりにいれた清酒を浸す。メイフライチェアを出してナツと日々の労働の疲れを癒しながら焚き火を囲んでのんびりと燗酒をちびりちびりと呑んでいた。


 景色を眺めながらボケーっとしていると上空から白い欠片がゆらりゆらりと舞い降りて燗酒を入れているチタンお猪口に飛び込んだ。その白い欠片は暖かい酒に触れるとすっと溶けていった。


 それに気がついた俺は空を見上げると、どんよりとした曇り空から次から次へと雪が舞い降りてきているのが見えた。


「おっ、雪だ。ナツ、雪だよ!! 初雪だ!!」


 雪に気がついたナツはむっくりと立ち上がり、降ってくる雪に向かってジャンプして雪を咥えようと頑張っているのが実に可愛らしい。


「うちの子が可愛すぎるだろっ!!」



俺はそんな可愛いナツの姿を雪降る中激写して過ごした。その間もずっと雪が降り続いているので明日は雪遊びができるぞーと思いながらその日は就寝した。


 一晩明けると雪は積もることもなく都市内の雪は綺麗に消えていてがっかりした。キャンプ場の管理人さんに聞いてみると、首都内は魔法で除雪しているらしくて雪は積もらないようだ。


 それなら雪があるところに俺たちが行くしかない!! となって今に至るわけだ。


「あの辺りの雑木林がある場所が良さそうだな」


 前方に見えてきたのはちょっとした丘陵と雑木林が幾つかある森というより林と言った感じの場所だ。何もない場所よりも木々がある場所なら多少の風除けにもなるし、倒木とかがあったら薪にできるからキャンプするには良さそうな場所だ。


「よし、ここをキャンプ地とする!!」


 俺は高らかに宣言するとウニキャンから荷物を運び出した。ナツはウニキャンから飛び出すと新雪に突っ込んでいく。そして楽しそうにジャンプしては雪の中に頭を埋めたりを繰り返して遊んでいる。


 俺は楽しそうに雪で遊んでいるナツを横目で見ながらテントの設営を始める。用意したのはティピーテント。別名ワンポールテントともいうテントでテントの中心に一本のポールを建てるだけで出来上がるテントだ。


 まずは除雪してテントを設置する準備。これが結構大変で休み休み除雪する。除雪が終わったら九角形のTC生地でできたテントを広げて地面に仮置きする。九角形の頂点、つまり9か所をペグダウン。あとはポールをテント生地の中心に入れて立ち上げるだけでティピーテントの完成だ。


 次に準備するのは薪ストーブだ。このティピーテントは薪ストーブ対応型なので煙突用の穴が最初から6カ所も開けてある。なのでインストールも簡単だ。


 今回はセンターポールに近いところに設置する。こうすると煙突がテント内に大部分あることで煙突から発生する廃熱でテント内を温めることができるという利点がある。


 薪ストーブの設置も終わったので、ポールに一酸化炭素警報器を吊るしておく。万が一のお守りなので鳴らないとありがたい。


 小割りの薪をストーブに入れて着火剤で火を点けていく。小割りが燃えてきたら大きめの薪を入れていく。最初は針葉樹系の早く燃える薪を使い、広葉樹系の燃えにくいがゆっくり燃える薪へと火を移していけばあとは薪ストーブが薪を効率よく燃焼してくれるので、頃合いを見ながら新たな薪を継ぎ足していく感じだ。


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