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01.キャンピングカーを買おう!

初投稿、初小説です。よろしくおねがいします。

 唐突だが俺、山野浩史(やまのひろし)は会社を辞めた。


 気がついてみれば上京して文系の大学卒業したあとに中規模な都心の会社に勤めて勤続十数年、既に三十路後半の独身だ。


 若いうちは仕事が楽しくて徹夜仕事も気にならず無我夢中に働いていた。それも二十代後半からは段々とキツくなり始め二四時間眠らない不夜城の如き業界で心身共に疲弊してしまったのだ。そして三十代後半で今までの無理が蓄積したのか大病を患い長く入院してしまった。


 入院しながら今までの生活を振り返ってみると仕事ばかりしていたが楽しい生活をしていたかと言うと何もしてないことに気がついた。そしてこのまま同じように働いていて良いものだろうかと考え始めたのであった。


 そんな折に業界全体に不景気の波が来て早期退職者を募集していたのでこれ幸いと思い応募して円満退社した。

 

 休む暇も無く働いていたので給料だけは使う暇も無く銀行の残高の肥やしとなっていたので割り増しされた退職金を含めて仕事を辞めても暫くは何とかなるのは幸いだ。


 両親は数年前に亡くなっているので両親の世話をする必要もなく俺自身は身軽だ。時々田舎の実家と墓を手入れするために帰省するぐらいだ。


 そしてどこか心休まる場所でスローライフでもしたいなと思いながらネットニュースを見ていたら湾岸地区でキャンピングカーの展示会が開催されるというニュースを目にした。


 そうだ、キャンピングカーで気候の良いところを旅しながら暫く心と身体を癒そう! アウトドアと言えば臨海学校で飯盒炊爨(はんごうすいさん)したり河原でバーベキューぐらいしかしたこと無いがキャンピングカーなら何とかなるだろうと根拠もなく思った。よし、思ったら吉日とばかりに昨今のキャンピングカー事情についてネットで調べて見る。そもそもキャンピングカーなど買おうと思ったこともない素人なので初心者向けのサイトを見つけて調べる。


 まずベースとなる自動車を決めないといけないのか、軽自動車から大型車まで色々とあるなかでふと目に止まったのがウニモグを改装したキャンピングカー。


 ウニモグとはドイツの自動車メーカーが製造しているトラックで、このトラックには多目的作業型と高機動型という種類があり、後者の高機動型は急坂や急斜面を難なく走り、渡河も出来たり、岩だらけの土漠でも平気で走るというとんでもないトラックだ。


 昔見たドラマでウニモグが大活躍するシーンがあって非常に憧れたものだ。幸い大型免許は仕事の都合で大型機材を扱うことも多かったので大抵の大型車は運転出来る。


 新車だと高いけれど中古ならピンキリだったので目ぼしい当たりをつけて程度の良い中古車を購入。そしてその脚でキャンピングカー専門店に持ち込んで改造してもらうことにした。


 改造プランはワンルームの八畳間と言ったところか、キャンピングカーの後方にシャワーとトイレと洗面台。シャワーとトイレはもちろん別だ、日本人的には別れていたほうが何故か落ち着く。全自動洗濯乾燥機もビルトインタイプを据え付けた。


 キャンピングカーの前方にベッド兼ソファ。これは手前に引き出すとベッドになるタイプでベッドの下は物入れになっている。


 中央右手にキッチン。室内はあまり火を使いたくないのでIHのコンロに電子レンジや冷蔵庫がキッチンカウンターの下に収まっている。


 対面の左手にはベンチシート兼収納庫とテーブル。出入り口も左側にある。


 窓は観光バスのような大型のものを設置した。キャンピングカーというと狭い感じがするが窓を広めに設置したおかげと内装も白系で纏めているので窮屈さを感じない。


 自転車を保管するための壁掛けフックもベッドの隣に設置した。近所を散策するのに自転車のほうが何かと便利だし運動にもなるからね。


 外回りには玄関扉側に引き出し式の日除けを付けた。外で調理したり出来るように引き込み式のシンクやガスバーナーも設置。これで野外バーベキューも楽しめる。


 屋根には幾つかの天窓とソーラーパネルとエアコン、これでどんなシーズンも快適に過ごせそうだ。


 外装の色はキャンピングカー定番の白色。これは直射日光を反射して和らげる意味もあるがロケットにも使われている断熱系の塗料で塗ってある。


 満足の行く仕上がりだったのでキャンピングカー専門店の職人さんには大感謝だ。これで移動手段も出来たので必要な食料や備品などをキャンピングカーに詰め込んだ。


 この時には既に住民票やらを実家に戻して都内のアパートは既に引き払っていたのでキャンピングカーの登録は駐車スペースもある実家の方でした。そしてまだ見ぬ土地へと出発したのであった。



※注 昔見たドラマ

『走れ! ウニモグ』とはテレビドラマである。全51話。

青色に塗装された機械としての意思を持つウニモグに乗った主人公が日本全国を漫遊する道中記。

北海道宗谷岬に到達した第25話「突き抜けろ! 俺のウニモグ!」が本来の最終回の予定だったが、放送局の予想を越える高視聴率だったのと映画『トラック仮面』による空前のトラックブームの波に乗り放送継続が急遽決定した。

放送継続のために再びスタッフとキャストを再招集したが幾つかのスタッフとキャストはスケジュールが合わず降板となっている。


感想、誤字報告などありましたらよろしくおねがいします。


2019/1/27

部分修正しました。


2019/4/12

部分修正しました。

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