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勇者学校の英雄(笑)  作者: 岡本砂糖
第一章 勇者の卵
4/5

お菓子

ばっ、と後ろを振り返るが先程見た爽やか超絶イケメンの姿はない。見間違いか…?い、いや、だけど。超絶イケメンだったああああああああああ!!で、でもっ、俺の方がイケメンだしっ?だけどあのオレンジの瞳は凄かったなぁ。まるでヨーロッパの人みたいだ。俺は日本から一歩も出たことがなかったのでそう想像する。いいなあ個性があって。俺なんか紺に紺!全然勇者っぽくないよね!!神様って不公平!

「…レオン!」

「お母様っ!?」

ここでまさかのお母様登場。

「良かったぁ……見つかって、町中探したのよ」

お母様が心底安心したような顔をする。

「申し訳ありません、お母様。でも、町は楽しかったですよ。」

俺は初めてあったのが昨日だとしても(俺基準)、そこまで心配されていたことに驚きを覚える。

「そうなの?なら良かったわ。町歩きは貴重な体験ですものね。」

お母様は嬉しそうに顔を緩める。俺もつられてへにゃりと笑うとお母様と手を繋いで馬車へと乗り込む。この馬車は向かい合って座るタイプのものなので、大人でも四人ほど乗れる。そして俺らは向かい合って座る。の、だが…

「……」

「……」

「……」

「……」

…………無言が辛い。お母様は大して気にしてないようだが俺が辛い。あとおなかすいた。おやつ食べたい。

「あのっ、お母様!僕、勇者学校について、詳しく知りたいです。」

俺が勇気を振り絞って声を出す。

「勇者学校について……?いいですが、私≪わたくし≫は勇者学校卒ではないのであまり詳しくはありませんよ。」

と前置きしてお母様は話し出す。いや、大して知りたかったわけじゃないけれど、話すネタもないし、将来いく予定である『勇者学校』について、知っておいて損はないと思ったのだ。

「勇者学校は勇者候補生のみが通うことのできる学校です。王都にあります。11歳が一年生、5年生まであります。最近つくられたばかりなので設備も最新的なはずです。ですが勇者学校という名前ですが、王女や王子、神官や魔法使いなども通っているとのことですよ。私が幼い頃は魔王も健全で、心安らぐときなど一時もありませんでした。ですが、フレデリック様が魔王を倒してくれたおかげで、勇者学校がつくられ、レオンも、私も、お父様も、皆が安心して暮らせる世界になったのです。あ、そうそう。勇者学校はとても強靭な守りが加えられているため、あそこには悪意を持ったものは攻めいることができません。安心して通ってくださいな。ふふっ、でもまだ2年近くあるのね。」

お母様が説明をし終わると、うちの屋敷が見えてきた。相変わらずデカい。外に出るときは気付かなかったが、とても、大きい。

「勇者学校……早くいってみたいです。」

嘘だ。未だによく分かってないこの世界で学校にいくなんて御免だね。いや、めっちゃ興味はあるけどさ。王都とかいうとこにも行ってみたいけどさ。

そんな思いを抱きつつ、整備された道にのると馬車は屋敷へと速度をあげて進むのだった……ってかおなかすいた。



「おかえりなさいませ、エリーナ様、レオン坊ちゃん。」

「ただいま帰りましたルージュ。」

屋敷につき、馬車から降りるとそこにはお母様の側近ルージュと俺の世話をする美人メイドと男の仕えが出迎えた。いや、なんやかんやで俺、めちゃ美人メイド&男の仕えに世話されてるんだけど。着替えはいつも二人がやってくれるし、寝起きでボサボサだった紺の髪も二人がもとにもどしてくれた。

「おやつの準備ができております。」

「おやつ!?」

おおっ、なんとっ!おやつがあるというのだ!おやつという文化がこの世界にもあったというのだ!ああ素晴らしい!

「ふふっ、レオン坊ちゃんはお腹が空いていたのですね、用意をしますので席にお座りくださいな。」

美人メイドに注意されて自分が立ちっぱなしだったことに気付く。部屋のなかで立ちっぱなしとは、貴族がやっていいことではないだろう。

「ごめんなさい……あの、おやつはなんですか…?」

「ふふっ、おたのしみですよ。」

美人メイドは身を翻しておやつという名の宝物を取りに行く。俺が椅子に座りながら足をぶらぶらさせていると、お母様が部屋から出ていった。

「坊ちゃん~今日のおやつはブリオッシュですよ~」

「ブリオッシュですとおおおおおおおおおおお!」

ぶ、ぶ、ブリオッシュ!あのフランスらへんだかの美味しそうな漫画や小説でしか見たことのないブリオッシュ!さっすが貴族!パンがなければお菓子を食べるあれだね!ブリオーッシュッ!てかブリオッシュ見るの初めてなんだけど俺の知ってるブリオッシュかな!?

「あら、レオン坊ちゃんはブリオッシュが好きなのですね。今日のものは私が頑張って作りました。」

美人メイドさんの手作りですか。なおさらおいしくいただきます。

「春の神の恩恵を、この食事に込められた労働を、私の体へいただくと共に、神に祈りを捧げます。」

合掌。そしてブリオッシュを頬張る。

「っはぁ……」

美味しすぎて溜め息が出た。生まれてこのかたブリオッシュを食べるのははじめてだけど……うまい。

「とっても……美味しいです。」

うますぎると言葉がでなくなるって本当だった。言葉が、この、ブリオッシュの、いや、ブリオッシュ様の美味しさをこの世の言葉を使って言い表せない。

「……っ!」

「あえええ!?レオン坊ちゃん!涙が!」

「坊ちゃん!?どうして泣かれるのですかっ!?メイドが何かしましたか!?」

美人メイドさんと男の仕えが駆け寄ってくる。

「違う、違うんです……その、美味しすぎて…」

「……結局メイドのせいじゃないですかっ!」

「実に申し訳ありませんんんんん!これからもっと美味しくなく作りますからあああ!」

いや、それはだめだろ。

「美味しいブリオッシュ、ありがとうございました、また、また作ってください。」

「……っ、わかりました。」

「美味しいままでですよ?メイドさん??」

「はいっ!分かりました!!!」

すると男の仕えが美人メイドの耳元でなにか言う。すると美人メイドがかあああっと顔を赤くさせる。なにやってんだてめえら。

「そ、そういうことはあとにしてください!職務中ですっ!」

「ははっ、ごめんごめん。レオン坊ちゃま、私はこれで失礼します。」

「ああ。」

「逃げたっ!?えっと、ではわたくしも!失礼します。」

「……ああ。」

俺、これからもこのリア充たちと一緒に生活すんのかなやだな。

ブリオッシュ美味しそう。美人メイドと男の仕えは多分一生モブです。でも幸せそうだからいいよね。

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