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第1話 新たな生

時間管理がダメダメだと親にキレられた作者ですw

文句がないからぐぅの音も出ず。


部活行けなくなるのは嫌なので頑張ります。ええ、頑張りますとも。


自らに意識があることを感じる。


これは………母胎の中か。


僅かばかりに存在する感覚を頼りに周囲を認識する。


そしてコレは二つの事実を証明している。




一つ目は……………あの時、間違いなく私が死んだこと。


勇者達との決戦。剣技で互角、魔法戦闘で有利な立場にあった私だが、流石に強者を複数相手にするのは分が悪かったようで。

バルバドスが倒された直後、そちらの相手をしていた者達が私への攻撃を開始。

休まることなく続く攻撃にやがて耐え切れなくなり、遂に勇者に一筋の亀裂を入れられてしまった。

そこからは一方的だった気がする。反撃はおろか回避すらままなくなり、トドメは確か…………あぁ、勇者の聖剣で心臓を貫かれたんだったか。


そして地に倒れ伏した私は、勇者に遺言のようなものを死に際に残し、意識を失った。


実は自爆技もあったのだが、多分…………世界が吹き飛んでいたはずなので、再び戻ってくる気だった私に、これを使うという選択肢は最初から無かった。




二つ目は…………今この状況。


間違いなく、新たな生に私が入り込んだのだ。

転魂を仕掛けたとは言っても、それが実際に功を奏すかは不安だった。


しかしながら、こうして間違いなく私の魂が新たな肉体を得たというのは自らの身をもって実証出来たのだ。非常に喜ばしいことだ。

魔力もしっかり私のもの。身のこなし方もしっかり覚えているし、安定すれば1年と少しで動き回れるだろう。尤も、初めは空を浮かんでいればすべてなんとかなるが……………




……………と、そんな事を考えている間に私は押し出される様だ。

生々しいが、どの生物にも共通する出産の瞬間だ。尤も、今回私は産まれる側なのだが………我ながら奇妙な体験をすることになったものだ。




生々しい描写はどう表現すればいいかわからないし、何より神秘なので、その辺は閑話休題。






兎も角、私は再び、新たな生を授かった。


元々精神力は伊達じゃない私なので、赤ん坊の本能など余裕で無視出来るのだが、それをすると後々面倒になる気もするので、ここは任せることにする。実際、部下の出産に立ち会ってその時泣かなかった赤ん坊は気づけばよくわからない存在と化していたりしたし。




「………っ、あっ、あー!あぁーっ!!」


産声を上げて、生きていること、息をしている事を周りに伝える。まだまだ目は開き切らず、耳も殆ど仕事をしない。五感もかなり薄い。


この状態で周囲の状況を把握することも出来なくはないのだが、下手に魔法を感知されても厄介だし、無防備を晒して泣きわめくとしよう。






結局そのまま泣きつかれて眠りにつくのだが、意識というか、眠りながらでもある程度は思考出来るので(前世の頃から「よくそんな器用な事が出来ますね」と呆れられていた)、およそ3時間ほどの様子を振り返る。


目は殆ど開かなかったので環境はわからないが、1時間もしないうちに耳がある程度仕事をする様になったので、しばらく神経を尖らせていた。


多少仕事をする様になったとはいえそれでもほんの少しでしかないからかもしれないが、おそらく現世の両親と思われる2人の声がずっと聴こえていたが、言語はまったく分からなかったのだ。


前世では魔族も人族も、世界の言語は一つであり、それがウィズドルク語だった。

数百年以上が経過していれば、新言語の誕生、元々の言語に変化があったりするだろうが、多少は下地となったウィズドルク語の残り香が残っている筈なのだ。しかし、小さくも確かに聴こえた言葉の使い方は、一切残り香が無かったのだ。


一体あの時からどれだけの時間が経ったのか、ここは何処なのか、世界はどうなったのか。


何もわからないまま、私は動かしていた思考も闇に沈ませてゆくのだった。































転生して一週間が経過した。


未だに両親の話す言葉はまったくわからないが、ある程度は視力が確保出来たので周囲を見渡せるようになった。


前世の面影を全く感じられない室内。一体前世からどれだけの時間が経ったのかわからない。


壁の材質はよくわからないし、天井には魔法で動いているわけでもない灯り。自分の包まれている布の材質は辛うじてわかるが、それだけではないこともわかる。


両親は黒髪黒眼。ここまでは魔族でもザラというか、前世の私がそうだった。魔王として闇の象徴とも言える格好をしていた為、本当に全身黒ずくめだったのは今振り返るともう少し色彩を考えておいても良かったのではと思える。


兎も角、未だに何がどうなった世界なのかはわからないままだ。そして今の私は生後一週間の赤ん坊。素の状態で何か出来る訳では無いのだ。


(こうなるとは予想していたが、やはり一年は首が据わるのを待つしかないか………)


大人しく成長を待つしかなかった。


幸いにして衛生環境は悪くなく、というより前世に比べれば異常に高い水準であり、このまま赤ん坊の本能に任せたところで問題はないと考えられるのが救いか。流石にこの状態で独立、魔法行使はしたくないものだ。





















時は過ぎ、やがて一年が過ぎていた。


前世の残り香のないこの世界の言語だが、多少は理解が及ぶようになっていた。

前世だろうがなんだろうが、赤ん坊が言葉を覚える手段は周りの言葉を聞くだけということだ。

知力は元々のままなので、ウィズドルク語の残り香が本当にないので一から学ぶことになった以外、普通よりは早いだろう。

誕生日と思われる日に、つい出来心で何度も聞こえてきた言葉を発してみると、両親共に大泣きしながら抱き抱えてきた。少し大袈裟な気もするが、前世でも親とはこんなものだったなと割り切る。


身体の感覚が基礎的に薄いが故にやや掴みづらかった自らの保有する魔力も、身体がまともに動く様になり、手に取るようにわかるようになった。


尚、素の身体性能としては、首が据わり、少々不安定ながら一人で歩けるようになったというところか。


言語の理解もまだまだ途中なので、辞書か何かを手に取りたいが、魔法を使わなければ物理的に不可能な身体と、そもそもの理解がまだ辞書を読める程ではない。もっと身近にある文字や言葉を学ばなければならない。まだまだ先は長かった。




















気づけばはや三年。身体は随分大きくなり、言葉もわかるようになっていた。

結果わかったのは、


・話している言語は"日本語"というもの

・灯りの原理、その他自動のものは"電気"を用いたものだということ

・"電気"を用いた科学が発達しており、魔法が存在しないこと


といったことだった。


言語が違うのは仕方が無いとして、後者二つには驚かざるを得なかった。


まずは電気。前世には無かったものだ。

初めは魔法なのかと思っていたが、魔力の流れが殆ど無く、詳しく解析(魔力眼という、魔力に関して細かいところまで把握出来る魔眼の一種)したところ、僅かな魔力を纏いつつ流れているのは雷と同じものだった。

ふとそれがわかれば電気という言葉の意味もわかるし多少はそれで構造がわかる。大雑把に言えば、人体に使うと反射的に反応が起こる雷電を一定の出力で物体に通すことによって動かすということだ。動かされる側の物体にも何らかの加工が施されているようだが、外からは見えず、魔力眼を使っても細かくて目に悪いので今はやめておくことにした。




室内から既に前世とは違っていたが、母に抱かれて外に出た景色も今まで見たことなんてない光景だった。


建物はほぼ全て二階建て、材質も石でも土でも何でもない、やはり未知の材料。


建築技術も凄いが、見た様子魔力で強化されているわけでも訳でもないのに長期的な耐久性を確保している素材がわからない。


興味は増すばかりである。











前世から一体どれだけの時が過ぎたのか本当にわからず不安なのだが、まだまだ日本語が理解出来て居ないので、年齢を追って学んでいくしかない。


そのまま周囲を観察して、親が持ってきた単語帳などで日本語を学びつつ、妻の行方も考える。


そんな生活を続けた私に、次に大きな変化、まさかの出会いがあったのは5歳の時だった。

多分また来週金曜、更新は出来るかと。


魔法とか使うシーンはまだまだしばらく先です。形になってません。


マイペースな作者をこれからもどうぞよろしくお願いしますm(_ _)m

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