戦隊レッドのあいつ。
戦隊ブルーだ、ってのは俺1人の妄想ではなくて。
レッドも居ればイエローも居るし、グリーンもピンクもいる。
「遅刻しましたっ!サーセン!!」
朝のHR中、遅刻を堂々と宣言してクラス中の視線を一気に集めたこいつがレッド。
「またか、お前は。今日は何だ?
どこかのご老人でも助けて来たか?迷子になった子供の親探しか?」
「駅の階段で転んで怪我をしていた中学生を病院に連れて行ってました!」
「相変わらず…、お前は本当にご当地ヒーローみたいだな…。
HRを続けるからさっさと席に着けよー。」
ういーっす、と軽い返事をしながら俺の隣の席に着く。
「湊斗、おはよう!
俺は今日も元気に戦隊レッドらしさを発揮してきたぞ!」
「分かったから、静かにしろよ…」
「後ろの席だから聞こえねーって!大丈夫大丈夫!」
「こら、遅刻して来た奴が随分デカい態度じゃないか?友成和也?」
担任のその一言でまたクラス中の視線がこいつに集まる。
友成 和也---。
名前みたいな名字で、たまにどっちが名字で名前が分からなくなるようなこいつがレッド(しかも自称)。
そして、俺を戦隊ブルー(的ポジション)に設定した張本人。
ちなみに、こいつの将来の夢については『特撮ヒーローの主人公になるために』っていうタイトルで教室の壁に作文が貼られている。
その内容には俺や他のポジションの奴らの名前が出ているもんだから恥ずかしすぎる。
とにかく和也はレッド。
普段の和也を観察していると、本当に主人公みたいな奴だと思わされることが多い。
いっそ、こいつが主人公の本でも書いてやろうかと思うくらいだ。
「な、湊斗。おバカ系レッド・熱血系レッド・俺様系レッド・頭脳明晰系レッドの中ならどれがいい?」
「…とりあえず、最後のだけはやめて。
俺と被るから。」