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私の可愛い幼なじみ様!  作者: 紫華
四月~すべてのはじまり~
5/7

04

ピリリリリリ。

枕元に置いた目覚まし時計の音で目を覚ます。

半分目を閉じたまま目覚まし時計を探り当て音を止める。

ふわあと欠伸をしつつ起き上がる。

見えるのはシンプルイズベスト!といえるような部屋だ。

あんまり女の子女の子したものは好きじゃない。

クローゼットの前まで進み、制服に着替える。

ちなみに胸はCで可もなく不可もなくといったところか。

個人的には谷間ができる程度には育って欲しい。


可愛いと評判の制服はブレザーだ。

スカートは灰色で元々ちょっと短め。

男子も女子もネクタイで学年ごとに色が違う。

私は赤色。

響生の学年は青色で、新三年生は紫だ。

そこは普通緑だろと思わなくもない。


それから黒髪の鬘を被り、黒のカラコンをつける。

これは小学生の頃からの習慣だ。

この世界ではいくら奇抜なカラーが多いとはいえ、目立つ。

金髪なんてどっちかといえばありふれているほうだけれどやっぱり黒髪人口のほうが多いので目立つ。

それが嫌なので学校関連のときは鬘にカラコンは必須だ。














二階の奥にある自分の部屋を出てリビングに向かう途中でお兄ちゃんに出くわした。

このお兄ちゃん、シスコンである。

まあ私もブラコンの気があるから問題はない。


「莉都、おはよう。今日も可愛いね」


でも朝っぱらから妹に色気爆発で微笑みかけるのはどうかと思う。

そういうのは彼女である麗香(れいか)ちゃんに向けるべきだと思うんだ。


「おはよう、お兄ちゃんも今日もかっこいいよ!」


抱きつきながら言えば頬にキスが落ちてくる。

スキンシップ過多ではない。

いや、過多かもしれないがうちはお母さんが外国人なので日常風景なんです。


お兄ちゃんと並んで階段を降りる。

リビングに入るとお母さんと、今日は珍しくお父さんもいた。


「あれ、父さん今日は起きてるんだ」


お兄ちゃんが驚いた顔でお父さんを見る。

ソファーに座って新聞を読んでいたお父さんはその言葉にこちらを見た。


「おはよう、礼央、莉都」


にこやかに微笑むお父さんは確かにお兄ちゃんと血が繋がっているなあなんて思う。


「今日はね、(あきら)さんまだ寝てないのよ。礼央と莉都に会ってから寝る!って」


くすくすと笑いながらお母さんがキッチンから出てきた。

その両手には目玉焼きやらベーコンやらパンやらの皿を抱えている。

いつ見てもすごい。

ファミレスでバイトできるんじゃないかと思うくらいのバランス感覚だ。

前真似をしたら私は皿を全部落っことした。


お母さんは金髪碧眼美女だ。

名前はサーシャ。

ボンキュッボンで羨ましい。

今年で48歳になるはずだけど、未だその容姿は衰えず。


お父さんは黒髪黒眼で一般的な感じ。

ただ、絶世の美男子だ。

ついでに人気俳優でもある。

芸名は葛城彰(かつらぎあきら)

葛城というのはお父さん方のおばあちゃんの旧姓らしい。

テレビを観ていると大抵一日一回はお父さんがいる。


そんなお父さんの仕事は不規則なため朝会えることは少ない。

たまに一週間くらい会えないこともあるくらいだ。

だから、こういう日は普段会えない分も甘える。


だって私、ファミコンなんだもの!

あ、ファミリーコンプレックスを省略しただけで同名のゲーム機とは関係ないのであしからず。

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