01
私は一度死んだ。
それは確かだ。
次に目が覚めたときには知らない男の人が自分はお父さんだと言うし知らない女の人はお母さんよと言うし10歳くらいの男の子はお兄ちゃんだと言うしで頭が混乱した。
しかも前世と違って家族の顔面偏差値が半端なかった。
なんだこの美形率。
しかも母親に至っては日本人じゃなかった。
当然その家族の一員である私の顔面偏差値も半端なく高かった。
これはナルシストだとかそういう話でもなく事実だ。
自慢のように聞こえるかもしれないけれど、正直辟易としている。
金髪碧眼の美少女とかどこの漫画の登場人物だよと言いたくなる。
が、ある一点においてはこの顔にとても感謝している。
そう、この顔のおかげで響生の隣に並んでも見劣りしないのだ!!
小鳥遊響生はお隣さんの長男で、私の一個下。
ちなみに妹は凛ちゃんといい、とても可愛い。
その響生自身はというと一言でいえばイケメン。
身長はまだ160前半で168ある私より少し小さいが、パパさんが大きいのでたぶん180くらいまでは伸びるだろう。
天然パーマの黒髪は柔らかくて撫でるととても気持ちいい。
大きな瞳はくりっとしていて、でもちょっとつり目でそれがまた可愛い。
なんだろうな、乙女ゲームに出てくる年下小悪魔系のイケメンみたいな感じ。
でも響生はすっごく素直ないい子だけど。
そんな響生は前世の世界にあった乙女ゲームの攻略対象である。
難易度はかなり高かったはずだ。
響生ルートでは妹である凛ちゃんが妨害してきたからね。
まあ、原作には私の存在は欠片もなかったんですがね。
そんで、原作響生は俺様だったけどね。
今の響生はそんなことないよ!
響生は小さい頃から可愛かった。
私にすごく懐いてくれていて、どこに行くにも「莉都ちゃん、莉都ちゃん」だった。
本当の弟みたいに可愛い。
そんな響生と並んで歩いたときに「何あの子、調子のりすぎじゃない?」とか「うわ、不釣り合い」とか言われるような容姿でなくてよかった。
その点では本当にお父さんとお母さんには感謝する。
さて、今年から響生はうちの高校の一年生だ。
というのは前も言った気がする。
そして、響生が高校一年生ということは、乙女ゲームの原作が始まるということだ。
可愛い響生をぽっと出の女――しかもいろんなイケメンとフラグを立てまくる――なんかに渡すもんか。
こうしてなんとかして響生と原作主人公とのフラグをへし折ろうとする私と原作主人公――デフォルト名は姫島カレン――との戦いが始まる。
と思う。




