表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/13

2話

「ここには絶対入るぞ……」


パソコン室前。

そう、私が入ろうとしていた部活。それは「パソコン部」のこと。

家族があんな感じなので基本的にはどこの部活に入っても大丈夫。

家族的に運動部に入るのがセオリーだが、あいにく高校まで続けられるような身体能力はないし、それならいっそ続けない方が賢明だと判断したからだ。

家族で初めての文化部、帰ってみんなになにを言われるか考えただけでもぞっとする。


だけど。



「あんな思いは・・・・・・散々だ」



バスケ部に、戻る気はない。

好きだったけど、苦しくなるくらいだったらやらない方が絶対いい。

知らぬが仏、そんな世界なのだから。



________________________________________


「ありがとうございました」


体験入部を終えた私は、部員の先輩方に笑顔で別れを告げた。

感じのいい先輩たちばかり。部活の空気も悪くないし、自分のやりたいことだってできそうだ。



「ここに・・・・・・しよう」



入部届けの紙を握りしめ、部室を眺める。

ここでなら、きっと私は苦しまずにすむ。笑って楽しい高校生活が送れるはず。

中学生活が散々だった分、ここで取り返すんだ。







「あれ?神影さん?」



早く入部届けを出しに行こうと職員室へ行こうとしたとき、突然後ろから声をかけられた。

決して大きいとも小さいとも言えないこの身長と、この元気な声……。



「えっと・・・・・・」


「あぁ、先週自己紹介したばっかりだもんね!大塚夏鈴です。同じクラスだよ?」


「大塚さん……あっ!!」



その名前を聞いて、自己紹介の時の台詞を思い出した。



『美空中学から来ました、大塚夏鈴です!趣味は【バスケ】です!高校でも【バスケ】やるので、よろしくお願いします!!』



やけに心に残る自己紹介だったので、割と早めに思い出すことができた。

そうだ、この子は確か―――――



「バスケ部……だよね?」


「覚えててくれたんだ!よかったぁ!!」



笑顔で私に話しかけてくれる彼女。普通に見たら凄く優しい子なんだけど―――――



「それでね、神影さんにちょっと話しがあるんだけど……」



さっきまでの笑顔は一気に消えて、ものすごく真剣な顔になった。

嫌な予感がする。なんかこう、言い難いけどものすごく寒気がするような嫌な予感。






「私たちの代、センターいないんだ。ものすごく小さくてさ。だから私たちの代になったとき、一人でもセンターがいてくれないと大変でさ。

それで、うちの学校の背の高い女子に片っ端から声かけてるんだけど、みんないい反応くれなくて……。正直ホントに参ってるんだ。

それで顧問の先生にうちの学年で経験者いますか?っていったら神影さんがそうだって聞いて……」


「・・・・・・」


「お願い!体験だけでもいいから、来てくれないかなぁ?ホントに、きてくれるだけでいいから!!」



手を合わせてお願いしてくる大塚さん。困っているのは本当らしい。

こういうとき、普通の人だったらやりたくない気持ちの方が圧倒的に強いんだから「ごめん」と一言で済ませるんだけど―――――



「……体験入部だけで…いいんだよね?」



あいにく私は、ものすごい押しに弱いたちというか……頼まれたら断れない性格だったりする。

しかもこんな風に頭を下げて手を合わせてお願いしてくるくらいだ、相当切羽詰まっているんだろう。

体験入部だけでいいっていうし、別にはいらなくたって同じだ。

せっかくバスケの出来るチャンス、体育みたいに下手な人の中でするおちゃらけたバスケじゃなくて、しっかりとしたバスケの出来る数少ないチャンス。こんなところで逃してしまったら、もったいない。



どうせ、体験入部なんだし。




「いいよ。たまには、体動かしたいし」






入部届けは明日のバスケが終わってからでも十分間に合うから、明日にでも渡そう。

そう決心して、大塚さんにそっと笑いかけてみた。



「やったぁぁぁぁぁぁぁ!!」



ぱっと顔を挙げて私のことをみると、彼女は本当にうれしそうな顔で私のことを見つめて笑っていた。

たかが体験入部だけなのに……ここまで喜ばれるとは思わなかった。




「それじゃあ明日、一緒にいこ!ホームルーム終わったらまた声かけるね!!」




そのまま手を振りながらダッシュで体育館の方へ走りだす大塚さん。その時に初めて気がついたバッシューケースとウェア姿。全然服装とかに目がいかなかったが、彼女は今から部活に参加するようだった。









「ウェア……あるかなぁ……?」





そんな彼女を見て、練習着があるか急に不安になった。

もしかしたら捨ててしまったかもしれない。





「……ひさしぶりに漁ってみようかな」





密かに楽しみになっている自分の心が、少しわからなくなってしまった。

どうも森野です!

今日は気分でこっち更新です!!

というかタイムリーですが、あけましておめでとうございます!!


今回は神影さんがひさしぶりのバスケをやるまでの経過です←

こんなんじゃないけど、私も彼女のモデルさんに声かけられていたのは事実ですw 最終的には自分の脚で行ったけどね、バスケ部w


そんなこんなで今回は勧誘のお話しでした←



ということで、失礼いたします(`・ω・´)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ