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黒猫

わたくしの死んだお爺様よりの教訓

「月がこんなに厭らしく笑ふ夜は

誰も彼も 外には一切出ぬが良し」


陰にこぞりて かの黒猫来まする

爪に鳥兜を仕込んだ 黄泉よりの使者


肌を引つ掛かかれでもしたら

体が腐つちまふよ お嬢さん

ほら お気に入りのワンピースまで

汚れてしまつて もう着られなひ


尾に怨みを封じ込め

牙に辛みを孕んでゐる

その 黒き猫


闇にこぞりて かの黒猫来まする

脳に宗教を巡らせた 黄泉よりの使者


一言吹つ掛けられでもしたら

魂が飛んでつちまふよ お嬢さん

ほら 大好きなクラシックの音まで

嫌ひになつてしまつて もう聞けなひ


誰やの人にも退治の出来ぬ 化け猫!


わたくしの死んだお婆様よりの教訓

「どうやつても勝てぬだらう相手には

そもそも出会わずにおくのが 最も賢ひ」


エメラルドのやうな緑色の目が

暗きに爛々と輝く 月の夜

誤解を招かぬやうに ここで注釈しとう存じます。

わたくし、黒猫は、大好きです。黒猫に限らず、猫は大好きです。

でも、うちで飼つてゐるのは犬です。

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