表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/5

第三話 コトネの変貌

苦痛に顔を歪めながらスズリは声をかけた。


「コトネ・・・、あなた今までどこにいたの?」


コトネは無表情のまままるで反応しない。

まるで聞こえていないかのように。


呼吸を整えながらスズリは話し続ける。


「いきなり後ろから蹴ってきて、何を考えているの?」


スズリがそういい終わると、コトネはニヤリと口元をゆがめた。

そして何も言わずにいきなり右手でスズリの喉元目掛けて突きを繰り出す。


スズリはギョッとした顔をしながらも反応しようとした。


(は、速い!)


なんとかぎりぎりで左腕で突きの軌道をそらして防御した。

だが間髪射れずにコトネは体当たりを繰り出した。

体勢が崩れていたスズリは回避することができない。


がちっと鈍い音が響く。


「ぐはっっ」


体当たりは強烈でスズリに激突しただけではおさまらず、

そのまま壁までふっ飛ばし、スズリはコトネの身体と壁に

激烈に挟み込まれた。


「がはぁぁぁっ・・・」


コトネがすっと元の位置に引くと、スズリは壁にもたれかかるようにして

ずるずると地面へ崩れていった。

頭をぶつけたのかこめかみの辺りから血が流れ出していた。


朦朧とした意識でスズリはコトネを見上げた。

明らかに見下したような表情のコトネが見えた。


「姉さん、ずいぶんと落ちぶれましたね。それとも私が強くなりすぎたのかしら?

 まあいいわ。今日はほんの挨拶代わりよ。

 もっとあなたには苦しんでもらうわ」


そう言いながら冷酷な笑みを浮かべ、コトネは去っていった。


残されたスズリは頭が混乱していた。

ただ一つはっきりとしていること。


(コトネは強くなってる・・・格段に。昔はこんなことは一度も無かったのに・・・)



ダメージでがくがくと震える足でなんとか立ち上がり、

よろよろと歩き出した。


これからどうなるのだろう?

そんな不安に胸を埋め尽くされながら自分の家へと歩き出したのだった。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ