第一話 事件
大都会・東京。
そこにはたくさんの人が住んでいる。
そしてそこには様々な思いが渦巻いている・・・。
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近頃、東京ではおぞましい事件が起きていた。
次々と人が殺されているのである。
その手口は様々で被害者に共通点は見つかっていない。
まるで無差別に殺しているかのようである。
ただ共通していることといえば、
証拠が何もないこと、目撃者がいないこと、
そして叫び声を出す暇もなく殺されているということだった。
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東京のある街に一人の少女が住んでいた。
名前はスズリという。
スズリの家は歴史のある武術の道場であった。
表向きは普通の道場であったが、
密かに非合法の実戦技術を身内の人間だけに教えていた。
スズリの父親は跡取りとして息子が欲しかった。
だが子宝に恵まれず、やっとの思いで授かった子は娘であった。
スズリの父親はそれでもあきらめられずスズリに武術を教えた。
幼いころから徹底的に。
女の子として育てつつ、武術も教え込んだのである。
スズリが高校に入ったころ、父親は亡くなった。
だから道場は今は開いていない。
だがスズリは高校卒業後に道場を受け継ごうと考えていた。
現在、スズリは高校三年生。18歳である。
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スズリはニュースを見て陰鬱な気分になった。
(はぁ、物騒な世の中になったものだ)
自分の住んでいる街で殺人事件が続発しているのである。
犯人は未だに捕まっていない。
朝食後のコーヒーをすすりながらため息をついた。
(さて、そろそろ学校に行く時間だわ)
身なりを整えて出かける準備をする。
校則違反ではあるが、こっそりとスカートを短くしメイクもして準備万端!
そうして家を出たのだった。
何気なく腕時計で時間を確認する。
(やばっ、メイクに時間かけすぎた)
遅刻しそうだと気付き、急いで自転車をこいだ。
スズリの通う高校は割りと近くにあるので自転車通学だ。
(こりゃ、近道するしかないね)
そうしていつもと違う道を通ることにした。
あまり人気のない裏道を通る。
そこでふといやな感覚に襲われた。
自転車を止め、周囲を見渡す。
自販機の陰にうずくまっているような人影が見えた。
(どうしたんだろう、病気なのかな?)
心配になったスズリは自転車を降りて近づいて、
そして表情が凍りついた。
うずくまっているのではない。
その人影は首の骨を折られて自販機の陰に押し込まれていたのだ。
スズリはすぐに例の殺人犯のことが頭に浮かんだ。
だがそのあとにもっとよくないことが頭に浮かんだ。
(この首の折り方は・・・・。この技を知っているのは・・・・。)