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パンを食べて泣いたことがありますか? ~追放された宮廷料理長と、味を忘れた世界~  作者: 歩人


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第13話: 堆肥の喧嘩

 朝、畑に出ると空気が違っていた。


 数日前の夜、あの壊れた壺の底に刻まれた「種園」の文字を確認した。明るい光の下で改めて見ると、破片の裏に小さな文字がもう一行あった。「堆肥に返せば、土が覚える」——意味がすぐにはわからなかった。だが古文書の中に似た記述がある。発酵に失敗した食品は、堆肥に混ぜることで土壌の微生物叢びせいぶつそうを豊かにする、と。


 腐った塩漬け肉を捨てた穴は、畑の端にまだ開いたままだった。穴の中で腐敗した液体が土に染みこみ、周囲の草が変色している。ルッツが鼻を押さえて穴を覗き込んだ。


「師匠、この穴どうするんすか。臭いっす」


「堆肥にします」


 アネリーゼは穴の縁に膝をついた。腐敗物の悪臭は鼻を突くが、その奥に——微かに酸っぱい匂いが残っている。乳酸菌の名残だ。全てが腐ったわけではない。腐敗菌が優勢になっただけで、別の微生物たちはまだ死に絶えてはいない。


「腐ったものを堆肥に?」ルッツが眉をひそめた。


「発酵の失敗物には、多様な微生物が含まれています。腐敗菌だけでなく、乳酸菌や酵母の残骸も。これを堆肥に混ぜれば、分解が進む過程で土壌の微生物が活性化する」


 アネリーゼは手帳を開いた。壺の底の破片から写し取った文字。「堆肥に返せば、土が覚える」。千年前の知恵だ。失敗は無駄にならない。正しく土に返せば、次の収穫を支える養分になる。


「堆肥の山に、この残滓を全量混ぜます。落ち葉と鶏糞と交互に層を作って——」


「待て」


 声が、背後から飛んできた。




 エルマーが畑の向こうから大股で歩いてきた。鍬を肩に担いでいる。朝一番で黄金麦の畑を見回っていたのだろう。赤毛の額に汗が浮き、琥珀色の目が穴の中身を見て細くなった。


「何をしてる」


「腐敗した残滓を堆肥に混ぜようと——」


「全量か」


「はい。この量なら堆肥の山に十分——」


「やめろ」


 短かった。エルマーの声はいつも短いが、今日の一言は——刃物のようだった。断定ではなく、拒絶。


「堆肥の山はうちの畑にも使ってるんだ。あの腐った汁を全部混ぜたら、堆肥ごと駄目になる」


「駄目にはなりません。腐敗物の中にも有用な微生物が——」


「微生物の話じゃない」


 エルマーが鍬を地面に突き立てた。乾いた音が畑に響く。


「あんたの実験で腐ったものを、俺の畑に使う堆肥に混ぜるって言ってるんだ。わかってるのか」


 アネリーゼの背筋が冷えた。エルマーの言い方が——違う。いつものぶっきらぼうではない。怒っている。静かに、しかし確実に。


「エルマーさん、聞いてください。発酵の失敗物は最良の堆肥になるんです。多様な菌が含まれているからこそ、土壌の分解能力が——」


「俺が耕した土だ」


 エルマーの声が低くなった。鼻の頭を擦る癖が出ない。癖が出る余裕がない時のエルマーは——本気だ。


「魔法農法に取られて、親父の代で荒れた土地を、俺が一人で掘り返して戻したんだ。五年かかった。石を拾い、根を抜き、堆肥を積み、雨を待ち——五年だ」


 知らなかった。アネリーゼはこの畑がエルマーの五年の労苦の結晶だということを、今初めて聞いた。


「その土に、あんたの失敗した腐敗物を全部入れるって? ——これ以上土を汚すな」


 最後の一言が、胸に刺さった。


 汚す。土を、汚す。


 アネリーゼの頭の中で何かがはじけた。壺の底に刻まれた言葉。古文書の知識。千年分の微生物学の蓄積。それが一瞬で、口から溢れ出た。


「汚すのではありません! 発酵の失敗物は最良の堆肥になる! 乳酸菌と酵母の残骸が分解される過程で窒素とリンが放出され、土壌の養分が——」


「理屈じゃない!」


 エルマーが声を荒げた。アネリーゼが知る限り、この男が声を荒げるのは初めてだった。


「五年かけた土を、理屈で汚されてたまるか」


「理屈じゃなくて事実です! 現に堆肥の発酵過程では——」


「あんたの理屈は全部古文書から来てるだろ。その古文書のレシピが不完全だったから壺が腐ったんじゃないのか」


 息が止まった。


 正確だった。痛いほど正確だった。古文書の記録が不完全だったから温度管理を誤り、全量が腐敗した。その事実を——エルマーは見ていたのだ。あの夜、壊れた壺の隣で何も言わず座っていた男は、全てを見ていた。


 反論の言葉が出なかった。




 沈黙が畑に落ちた。


 風が吹いて、黄金麦の穂先が揺れた。ルッツが穴の縁で固まっている。リーナが石垣の上から二人を見ている。虫の音すら遠い。


 エルマーが鍬を抜いた。


「堆肥に混ぜるなら、全量じゃなく一握りだ。それなら——許す」


 譲歩だった。エルマーなりの。だがアネリーゼの口が勝手に動いた。


「一握りでは意味がありません。微生物叢を本当に活性化させるには、ある程度の量が——」


 エルマーの目が変わった。


 琥珀色が——暗くなった。光が消えたのではない。目の奥が、閉じたのだ。心が外から見えなくなった。壁が降りた音が、聞こえた気がした。


「……勝手にしろ」


 背を向けた。


 大股で歩き出す。鍬を肩に担ぎ直すこともしない。右手でぶら下げたまま、草を踏んで遠ざかっていく。


 アネリーゼは呼び止めようとした。口を開いた。声が出なかった。


 エルマーの背中が小さくなる。石垣を越え、村の道に出て、角を曲がって——見えなくなった。


 風が止んだ。


 畑に残されたのは、腐敗物の穴と、固まったルッツと、石垣の上で膝を抱えたリーナと——立ち尽くしたアネリーゼだった。




 一日目。


 エルマーは来なかった。


 毎日夕暮れに畑の前を通っていた足音が、聞こえない。窯の火加減を確認する影がない。何も言わずに通り過ぎるだけの、あの大股の歩調がない。


 アネリーゼは腐敗物の処理を保留した。堆肥に混ぜることも、穴に埋め戻すこともせず、蓋をして放置した。ルッツが「どうするんすか」と聞いたが、「考えています」とだけ答えた。


 夜、小屋で手帳を開いた。壺の底の破片を裏返して、文字を指でなぞった。「堆肥に返せば、土が覚える」。正しいはずだ。理屈は合っている。微生物学的に、発酵失敗物は堆肥の優秀な素材になる。


 ——だが、理屈が正しくても、相手の五年を踏みにじっていいわけではない。


 指が止まった。


 エルマーの言葉が耳の奥に残っている。「五年かかった」。石を拾い、根を抜き、堆肥を積み、雨を待ち——五年。魔法農法で畑を取られた父の後を継ぎ、この男は一人で土を耕し続けた。自分の手で。鍬一本で。


 その土地に、自分は失敗の残骸を全量混ぜようとした。


 手帳を閉じた。蝋燭の炎が揺れている。小屋の隅に、壊れた壺の破片が並んでいる。八つの欠片。エルマーが拾い上げて掌に載せてくれた、あの一つを含めて。




 二日目。


 ルッツと黄金麦の二期作の種蒔きを進めた。畝を作り、等間隔で種を埋め、薄く土を被せる。ルッツは鍬の扱いが日に日に上達している。重さで落とす。エルマーに教わったやり方だ。


「師匠」


「何ですか」


「エルマーさん、まだ怒ってるんすかね」


 アネリーゼの手が止まった。


「……わかりません」


「俺、あんなに怒ったエルマーさん初めて見たっす。普段は怖い顔してるけど、あれは——本気で怒ってた」


 知っている。あの目の奥が閉じた瞬間を、忘れられない。


「ルッツ。堆肥の件、あなたはどう思いますか」


「え? 俺っすか」


「率直に」


 ルッツは鍬を置いて額の汗を拭いた。


「師匠の言ってることは——たぶん正しいと思います。発酵の失敗物が堆肥になるって話は筋が通ってる。でも——」


 言葉を探す目が、畑の向こうを見た。エルマーの家の方角。


「エルマーさんにとっては、この土は——ただの土じゃないんすよね。俺、ダルムで食堂にいた時、自分の包丁を勝手に使われたことがあって。切れ味が全然違う包丁だったのに、誰かが硬い骨を切るのに使って刃こぼれさせた。あの時の気持ちに——似てるんじゃないかと」


 包丁と畑。道具への愛着。自分の手で研いだ刃、自分の手で耕した土。他人にとっては「ただの畑」「ただの包丁」でも、本人にとっては——五年の時間が宿っている。


「……あなたの言う通りかもしれません」


 種蒔きを再開した。だが指先の感覚がぼんやりしている。種を数える手が、何度も数え間違える。三つ蒔いたのか四つ蒔いたのか、わからなくなる。


 集中できない。




 三日目。


 リーナが来た。石垣を越えて、いつもの軽い足取りで。だが今日は口数が少ない。


「おねえちゃん」


「何?」


「エルマーさん、家にいるよ。畑にも出てない。鍬も——干したまま」


 鍬を干したまま。農具の手入れを怠らない男が、鍬を干したままにしている。


「おじいちゃんが言ってた。男の喧嘩は放っておけば治るって。でも——」


 リーナが首を傾げた。栗色の髪が揺れる。


「おねえちゃんの喧嘩は、放っておいて治る?」


 治らない。アネリーゼは心の中でそう答えた。放っておいて治る距離ではない。あの夜、壊れた壺の隣で沈黙を共有した。あの沈黙が心地よかった。その事実が——今は苦い。


 昼過ぎ、ルッツと漬物の仕込みの準備を進めた。翡翠の塩を石臼で砕き、粒の大きさを三段階に分ける。細かい塩は浸透が速く、粗い塩はゆっくり溶ける。塩の粒度によって乳酸発酵の速度がどう変わるか——実験すべきことは山ほどある。


 だが手が動かない。


 塩を量りに載せる。目盛りを読む。数字を手帳に書く。それだけの作業に、いつもの三倍の時間がかかる。


「師匠、塩の量——それ、さっき量ったやつと同じっすよ」


「……ああ。もう一度量ったのですか、私」


「二回目っす」


 ルッツが笑わなかった。心配そうな目で見ている。


 エルマーが来ない。それだけのことが、こんなにも作業の手を鈍らせる。この畑でエルマーの足音がしないことが、こんなにも落ち着かない。あの男はいつも何も言わない。窯を確認して、黄金麦の穂を見て、鼻の頭を擦って去っていく。それだけなのに——その「それだけ」がなくなると、畑の空気が変わる。


 何かが欠けている。穴が開いている。腐敗物を捨てた穴ではなく、もっと内側の——自分の中の、どこかに。




 四日目の夕方。


 小屋で漬物の塩の配合を考えていると、石垣の向こうから聞き覚えのない足音がした。軽くはない。ルッツでもリーナでもない。だがエルマーの大股の歩調とも違う——もっと慎重な、探るような足取り。


「すみません。アネリーゼ・フォン・ヴァイスガルテンさんのお宅は——」


 石垣の外に、見知らぬ男が立っていた。旅装の若い男。背中に大きな革鞄を背負い、手に封書を持っている。


「はい。私ですが」


「ダルムの郵便宿からです。ここに宛てた手紙を預かっています」


 手紙を受け取った。封蝋が押されている。蝋の色は——紫。ヴァイスガルテン家の色だ。


 指が震えた。


 封蝋を爪で割り、中の便箋を広げた。几帳面で小さな文字。この筆跡を知っている。


 ——お姉さま。


 マルガレーテ。




 手紙を、小屋の中で読んだ。蝋燭の光が便箋を照らしている。ルッツは外で火の番をしている。リーナはとっくに帰った。一人きりの小屋で、妹の文字を一行ずつ追った。


 お姉さま。


 この手紙が届くかどうかわかりません。お姉さまが辺境の村にいらっしゃるということだけ、グラーフ様から伺いました。住所はわからなかったので、一番近いダルムの郵便宿に預けました。届かなければ——この手紙は誰にも読まれずに終わるのでしょう。


 お父さまは後悔しています。


 追放のあの日から、お父さまは書斎に籠る時間が増えました。食事を残すようになりました。魔法の保存食を口にするたびに、眉をひそめるようになりました。以前はそんなことはなかったのに。


 先日、わたしが夜遅くに書斎の前を通りかかった時、中から声が聞こえました。お父さまが一人で、小さな声で言っていたのです。


 「あの子の作ったパンが食べたい」


 お姉さまの追放に賛成した人はいません。あのお父さまだけです。でもお父さまは——壊れ始めています。お姉さまがいなくなって、この家のどこかが欠けたのです。


 わたしはお姉さまに何もできませんでした。見送りにも行けなかった。許してください。


 どうかお元気で。


 マルガレーテ




 便箋を膝の上に置いた。


 蝋燭の炎が揺れている。風が壁の隙間から入り込んでいる。秋の夜の冷たさが、指先から体に染みていく。


 ——お父さまは後悔しています。


 その一行を、何度も読み返した。


 父が後悔している。あの厳格な、家名を守ることが全てだった父が。娘を追放した決裁書に署名した男が。


 「あの子の作ったパンが食べたい」。


 胸の奥が、きしんだ。痛みなのか安堵なのか——名前がつけられない感情が、じわりと広がった。


 認めてもらえなかった。ずっと、認めてもらえなかった。「料理は伯爵家の仕事ではない」。その言葉を背中に浴びながら、それでも宮廷料理長にまで登り詰めた。認められたくて。


 でも今、父は——パンが食べたいと言っている。魔法のパンではなく、あの子の作ったパン。


 嬉しくは——なかった。少なくとも、素直には。


 遅い。遅すぎる。追放してから気づくなんて。壺を壊してから後悔するのと同じだ。


 ——壺を壊してから後悔するのと同じ。


 自分のことだ。エルマーの父の壺を、怒りに任せて叩きつけた。あの壺に刻まれた唯一のレシピを砕いた。あれと——同じだ。


 壊してから気づく。失ってから大切さを知る。父も自分も、同じことをしている。


 そして今、エルマーとの間にも——壊れかけたものがある。


 便箋を折り畳んだ。封筒に戻し、母の薬草手帳の間に挟んだ。手帳の表紙が擦り切れている。追放の日に持ち出した唯一の私物。その隣に、妹の手紙。


 返事を書くべきだろうか。何を書けばいいのか、わからない。


 蝋燭を吹き消した。暗闇の中で、膝を抱えた。




 五日目の朝。


 目が覚めて、最初にしたことは——畑を見に行くことだった。


 腐敗物の穴は蓋をしたまま。堆肥の山はいつも通り。黄金麦の畝にルッツが水を撒いている。石窯の火は昨夜のうちに落としてある。


 全てがいつも通りだ。ただ一つを除いて。


 エルマーがいない。


 五日目。もう五日、あの男はこの畑に来ていない。


 ルッツが近づいてきた。


「師匠。堆肥の件——俺、考えたんすけど」


「何ですか」


「腐敗物を全部堆肥に混ぜるんじゃなくて、畑の端に別の堆肥山を作ったらどうっすか。エルマーさんの堆肥には混ぜない。新しい山を作って、そっちに実験用として入れる」


 アネリーゼは弟子の顔を見た。ぼさぼさの黒髪の下で、焦げ茶の目が真っ直ぐにこちらを見ている。


「それなら——エルマーさんの五年を汚さずに済むっすよね」


 当たり前の解決策だった。最初から、そうすればよかったのだ。エルマーの堆肥山に混ぜるのではなく、別の山を作る。自分の実験は自分の場所で。他人の五年に触れずに。


 なぜ、あの朝その判断ができなかったのか。


「……ルッツ。あなたは、良い助手です」


「いや、当たり前のことっすよ」


 当たり前のことが、見えなくなっていた。自分の知識が正しいという確信が——相手の土地への敬意を覆い隠していた。


 アネリーゼは腐敗物の穴に向かった。蓋を外し、中を確認した。五日間放置した腐敗物は、悪臭が和らいでいた。表面に白いものが見える。菌糸だ。自然の分解が始まっている。


 畑の端——石垣に近い、まだ何も植えていない一角に、新しい堆肥の山を作り始めた。落ち葉を集め、鶏糞を運び、その間に腐敗物を薄く挟んでいく。層を作る。微生物が微生物を分解する。時間が解決する。


 ルッツが黙って手伝ってくれた。




 夕暮れ。


 新しい堆肥山の最初の層を積み終えた。小さな山だ。エルマーが五年かけて育てた堆肥山の半分もない。だがこれは自分の山だ。自分の失敗を引き受け、自分の土に変える場所。


 手を洗って小屋に戻ろうとした時、視界の端に——動くものが見えた。


 畑の隅。石垣と黄金麦の畝の間の、雑草が伸びた一角。


 誰かがいる。


 夕日が逆光になって、影しか見えない。だが——その肩幅を知っている。あの赤い髪を知っている。


 エルマーが、畑の隅で何かを掘っていた。


 鍬ではない。手で掘っている。膝をついて、素手で土を掘り返している。何を——何を掘っているのか。この距離ではわからない。声をかけようとして——足が止まった。


 黙って掘っている。こちらに気づいているのかいないのか。夕日の中で、赤毛が燃えるように光っている。節くれだった大きな手が、土の中に何かを探すように動いている。


 アネリーゼは、その場に立ち尽くした。


 五日間の沈黙が——まだ続いている。壊れた壺の夜の沈黙とは違う。あの沈黙は心地よかった。今の沈黙は——痛い。


 エルマーが何を掘っているのか、聞きたかった。だが今の自分にその資格があるのか、わからなかった。


 五年の土を汚すなと言われた。その言葉の重さを、五日かけてようやく理解した。理屈ではなく、心で。


 夕日が沈んでいく。エルマーの影が長く伸びて、畑の端で静かに動いている。



最後まで読んでいただきありがとうございました。


今回のエピソードで書いた「果皮の天然酵母が果汁を酒にする」という工程は、ワインの最も原始的な醸造法そのものです。そして実は、温度管理の失敗も醸造の最大の敵です。ワイン造りでは発酵中の温度が下がりすぎると「スタック発酵」と呼ばれる停止状態に陥り、再開させるのに醸造家は大変苦労します。アネリーゼが堆肥で壺を温めたのは原始的ですが、理にかなった対処法なんですよね。


「スターターは命のリレー」——現実世界でもサワードウのスターター(天然酵母種)を100年以上受け継いでいるパン屋が存在します。酵母は生きている。だからこそ手間がかかり、だからこそ複雑な味が生まれる。


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