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第8話 魔法のある青春の始まり


賢太の不安はわかるけど、考えすぎだと思った俺は、賢太に事実を言うのをやめておいた。きっと、そのほうが賢太の将来の幸せにつながるはずだから。まあ、その幸せを掴むためにこれから賢太も色々ありそうなきがするけど。それは俺が考えることではない。


「なあ、知ってるか、今日転校生が来るって話。それも女の子の転入生。美少女でこのクラス」


「ええ、なんかこの後の展開が読めるんだけど……」


賢太が言うには長い黒髪にとある女子高に通っていたという美少女がこのクラスに特待生として転入してくるらしい。転入生と言う単語だけで特別感がでるけど、なんだか予想がつくな。


「なあ、確かこのクラスには美女や美少女に夢を見る奴らもいたよな」


「うん、と言うかこのクラスの連中って誰も彼も事情があるからな」


「その反動か何なのか、このクラスの連中、少し開き直っている面あるよな」


「うん、というかすでにこのクラスの連中、この学校の三大美少女とか崇めている女子生徒のファンクラブ作ってるよな」


「確かともに切磋琢磨しようとかスローガン掲げてるくせに、隙を見ては抜駆けしようとする連中が」


「要するにアレな奴らだよな」


「正直に言えよ、アホって」


……うん、賢太の言う通りアホな連中がこのクラスに、いやこの学校全体に結構いる。


「これは荒れるぞ賢太」


「他人事みたいなこと言ってるけど、連、お前口元が引きつってるぞ」


嫌な予感しかしない。今からでも職員室に行って少華を探して説明していたほうがいいだろうか。俺は鈍感系主人公でもやれやれ系主人公でもないから不安になってきた。


「不安な要素は男子たちだけじゃないんだけどな」


「どういうことだ?」


俺は疑問になった。なんか賢太がアホな男どもよりも厄介な連中がいると忠告してくるが心当たりがない。詳しく聞こうと思ったが賢太は知らないほうが俺の為になると言って教えてくれなかった。


「まあそれはともかく、そろそろホールルームの時間だ。俺は自分の席に戻るよ」


そう言って賢太は戻っていった。それからはあっという間の流れだった。案の定少華がこのクラスに転入してきて自己紹介し、クラスの男子たちが心の中で大はしゃぎしまくると言う展開だ。クラスに花が増えたことがとても嬉しいらしい。女子たちの反応は見ただけじゃわからなかった。そして一番左の最後尾の席に座る俺の隣の席が少華の席だった。俺は目線だけで少華に挨拶する。


「これから辻村もこのクラスの一員だ。みんな辻村がわからないことがあれば気さくに教えてやってくれ」


男性担任の浅野先生がそう言って朝のホームルームを締めくくった。俺は少華に一言声を掛けとくことにする。


「このクラスにようこそ」


「はい。よろしくお願いします、連さん」


こうして、一人の天才魔女の少華と魔導書づくりの俺のちょっと変わった青春が始まった。

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