第18話 ある意味帰郷
目覚めると俺は広大な草原に寝そべっていた。隣には俺と同じように芝生の上に寝そべる少華がいた。俺は当たりを見渡しながら立ち上がり大きく深呼吸を何回か繰り返した。現実を受け入れるのに必死に頭が抵抗している。
「アマテル、いるか」
「ここにいるわよ。何かあったのかしら?」
吹き抜ける風、輝く太陽。自然あふれる大地の恵み。遠くにはいつか見たことのある高い城壁が見える。
「これはいったいどういうことだ」
「どういったもなにもあなたを異世界に召喚したのよ。今この世界、新しいい魔王に支配されてて大変なのよ」
俺は頑張ったよ? 頑張って現実を無視しようとした。しかし現実は非情だった。俺は自分の身の安全よりもやばい現実が刻一刻と迫っていることに気付いた。そう、少華のことだ。
「おい、俺、散々少華に世界は平和だとか一人じゃないよとか言ったんだけど」
「知ってる。聞いてたから」
「だったら、なんでここに俺たちを連れてきたんだよ!」
俺は声を張り上げるのを堪えることができなかった。
「連さんあなた、なんども爽やかな顔をして抗弁たれてたものね」
「わかっているならするなよこういうこと! お前が俺の前に現れた瞬間からなんとなくこうなる気はしてたけどさ!」
「受け入れるのを必死で我慢していたのよね。よしよし連さん、あなたは一人じゃないわ。なんてったってこのわたしがついてるんだもの」
「なんの慰めにもなってねえーよ!」
女神はほとんど戦闘に役に立たないのだ。なぜなら本気を出すことにかなり抵抗を持っているから。俺は一度救ったこの世界をどうしたものか悩んだ。
「アマテル、俺に昔の力を返してくれ。せめてこれぐらいは譲歩しろよ」
「いいけどあんまりおすすめはしないわよ」
「なんでだよ」
「あの、怒らないでねあげてね? みんな一生懸命抵抗はしたのよ?」
アマテルは一度指を鳴らして四角い小さな箱を出現させた。そこには懐かしいい俺の力のすべてが入っていた。アマテルはその蓋を開け俺めがけて投げた。それは中身事俺の中に収束されお腹の中に吸収された。俺は久しぶりの感覚に懐かしく思いながら、俺の獲得した特殊な瞳である宇宙眼で世界の現状を調べ上げた。俺はこの宇宙眼で宇宙中のありとあらゆる情報を集めて認識することができる。そして俺はその場に膝から崩れ落ちた。
「おいおいみんな、勘弁してくれよお」
世界はサキュバスに支配されていた。




