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馬車の板の隙間から風が漏れる。
私は隅に座り、マントをしっかりと巻きつけ、車輪が石畳を軋ませる音を聞いた。その度に骨が痺れるような震えが走る。
車内にはまだ三人がいた。
向かい側には子供を連れた夫婦がいて、子供はぐっすり眠り、よだれを垂らし、小さな手で母親の服の裾を握っていた。隣には背中を丸めた老人がいて、ずっと窓の外をぼんやり見つめ、濁った目は遠くを見ているようだった。
誰も話さない。
ただ車輪が回る音と、時折聞こえる馬の鼻息だけ。そして子供の呼吸音、軽く、上がり下がりする。
私は財布を体の下に敷いた。
ずっしりと重い。
アベルがくれた金は少なくなかった。多分、自分を少し安心させたかったんだろう。結局のところ、これで彼は自分に言える——ほら、私は精一杯やった、と。
私は目を閉じ、車体の壁にもたれた。
板が背中を痛くする。でもこの痛みは現実だ。以前の魔力の反動や呪いによる痛みとは違う、いつも鈍く、体の中で何かが腐っているようだった。今は違う。今の痛みは外からのものだ。見えるし、触れられる。
私は突然笑いたくなった。
痛みにも種類があるんだな。
馬車が揺れた。
向かいの子はふんふんと声を出し、小さな顔をくしゃくしゃにして、また眠ってしまった。母親はそっと背中を叩き、子守唄を歌っている。声はとても小さく、ほとんど聞こえないほどだったが、その子の眉は徐々に緩んでいった。
私はその手を見つめた。
荒れた、タコだらけの手。爪の間にはまだ泥がついていた。だが、その子はぐっすり眠っており、口角には笑みを浮かべていた。
私は顔を上げ、窓の外を見た。
空はもう明るくなっていた。雨は止んでいた。朝霧はまだ晴れておらず、野原は薄いベールに覆われたように、はっきりとは見えなかった。遠くで農夫が畑を耕していた。牛も遅く、人も遅い。一歩一歩、しっかりと足を踏みしめている。
私はその農夫を長い間見つめていた。
彼は腰を曲げ、手に鋤を持ち、牛の後について歩いていた。数歩歩くたびに立ち止まり、袖で汗を拭う。そしてまた歩き出す。魔法もなければ、スキルもない、ただ歩くだけだ。だが、その土地は少しずつ耕され、黒い土が現れ、朝の光の中で湿った輝きを放っていた。
馬車が曲がるまで、彼は視界から消えた。
私はマントの下で指を握りしめた。
「娘さん。」
老人が突然口を開いた。
私は一瞬戸惑い、彼を見た。
彼は懐から布の包みを取り出し、私に渡した。手が少し震えており、包みは落ちそうになった。
「お腹が空いただろう。」
私は首を振った。
「いいえ、結構です。ありがとうございます。」
「受け取りなさい。」彼は無理やり私の手に押し付け、声が少し嗄れていた。「ただの乾き物だ、大したものじゃない。」
布包は重たかった。開けてみると、黒パンが二つと、リンゴが三つ入っていた。リンゴは小さく、皮には泥の斑点がついていて、畑から摘んだばかりだとすぐにわかった。
「これは……」
「持って行きなさい」老人は手を振り、再び窓の外を見た。「孫娘は君と同い年くらいだ」
彼はそれ以上何も言わなかった。喉を動かし、何かを飲み込んだようだった。
私はそのリンゴをじっと見つめた。
赤いが、鮮やかな赤ではなく、土色がかった、くすんだ赤だった。一つには虫食い穴があり、周りが黒ずんでいた。
私は一番小さいのを手に取り、袖でこすった。泥の斑点は少し落ちたが、いくつかは頑固に残っていた。
そして一口かじった。
ガリッ。
果汁が口角にはねた。ひんやりとした。そして甘みが。少しずつ、ゆっくりと舌先に広がっていく。濃厚でくどい甘さではなく、淡くてさっぱりとした甘さだった。少しの果実の香りと、ほのかな渋みがした。
私は呆然とした。
リンゴ……こんな味だったっけ?
もう一口かじった。やはり甘かった。パリッとして、少し酸味があるが、主に甘い。果肉が口の中でとろけ、果汁が喉を通り、ひんやりとして、何かが溶けていくようだった。
私はとてもゆっくり噛んだ。とてもとてもゆっくり。一口ずつ口に含み、とろけるのを待った。
そして、思い出した。
以前の隊にはリンゴもあった。リリナは果物が好きだった。アベルは市場を通るたびに、彼女のために大きな袋いっぱい買ってきてくれた。真っ赤で、大きくて丸いやつで、一つ一つが蝋を塗ったようにツルツルしていた。
私も食べたことがある。
でもあの時……あの時のリンゴはどんな味だったっけ?
思い出せない。
ただ、食べ終わるたびに、舌が痺れていたことだけ覚えている。喉も痛かった。砕けたガラスを飲み込んだみたいに。胃がむかむかするのに、吐き出せなかった。
アベルは私の体質が弱いからだと言った。
「もっと果物を食べて体を補え。」
彼はそう言った。そして私の肩をポンと叩き、励ましているようだった。
私は食べた。痺れを我慢しながら食べた。果物はこんな味なんだと思っていたから。みんなが楽しそうに食べているんだから、きっと私の問題なんだろうと思っていた。
今……今ならわかる。
違う。
違うんだ。
私はまた大きくかじった。果汁が指を伝って流れ落ちる。ベタベタする。甘い。一滴がマントに落ち、小さな濃い色の染みが広がった。
私は手に持ったリンゴを見つめ、突然笑った。
涙もこぼれた。リンゴに滴り落ちた。果汁と混ざり合い、手首まで流れていった。
私のせいじゃなかったんだ。
本当に私のせいじゃなかった。
「お嬢さん?」
向かいの母親が心配そうに私を見ている。子供も目を覚まし、大きな目で私を見つめていた。
「大丈夫。」私は顔を拭い、彼女に笑いかけた。「ただ……あまりにおいしくて。」
彼女は一瞬戸惑い、そして笑った。顔の皺がほぐれていくようだった。
「自家で育てたんだ。見た目は悪いけど、甘いよ。」
私はうなずいた。また一口かじった。口の中は甘みでいっぱいだった。甘くて泣きそうになった。
馬車は進み続けた。私は車体の壁にもたれかかり、リンゴをかじった。一口ずつ。とてもゆっくり、とても丁寧に。ひと口ひとつがはっきりと味わえた。舌は痺れていない。喉も痛くない。ただ甘みと、少しの酸味だけ。
窓の外の霧が晴れた。陽が差し込んで、暖かかった。手に持ったリンゴに当たり、泥の斑点がはっきり見えた。
私はリンゴの芯を手に握った。捨てるのが惜しかった。まだ果肉がついていて、いくつかの種が黒くて小さいのが見えた。
私はそれを取っておこうと思った。
多分、植えることができる。
……
その一方で。
旅館の部屋で、アベルはベッドの端に座り、手に乾パンを持っていた。昨夜買ったものだ。店主はこれが最高級で、蜂蜜が入っていて特に柔らかいと言っていた。
彼は油紙を破り、一口かじった。
ガリッ。
そして彼は止まった。眉をひそめた。
口の中……少し硬い?
いや、とても硬い。硬すぎて噛めない。石を噛んでいるようだ。
彼は強く噛んだ。
ガリ——
パキンという音がした。
そして激痛が走った。歯の根元からこめかみまで。
彼は口を押さえ、顔色が青ざめた。吐き出してみると。歯が半分。血の筋がついていた。そして小さな歯茎の一部も。
リリヤが叫んだ。
「アベル!どうしたの?!」
彼は何も言わなかった。ただ、その半分になった歯を茫然と見つめていた。口の中は血の味でいっぱいで、舌が欠けた部分に触れると、鋭い痛みが走った。
乾パン……以前は結構柔らかかったんじゃないか?
どうして……
彼は手に持った残り半分の乾パンを見下ろした。表面は普通に見えた。黄金色で、少し蜂蜜の香りもした。
しかし、彼はもう噛む勇気がなかった。




