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雨の音がうるさい。
うるさすぎて、頭の中のすべての音が静まってしまった。
私は町の外れにある石橋の上に立ち、傘をさして、自分の手を見下ろした。
指先がまだ微かに痺れている。
それは魔力逆流の後遺症だ。
17本の線。
私は指を折りながら数えてみた。
【持続治癒】、【状態異常無効化】、【装備耐久回復】、【睡眠品質向上】、【食物浄化】……
それから【虫除け結界】、【体力徐々回復】、【精神安定】、【傷口感染抑制】……
パーティーに加わった初日から、私はこれらを紡いでいた。
一本一本、蜘蛛が糸を吐くように、自分と彼らを絡め合わせて。
そうすれば彼らは私を必要としてくれると思っていた。
馬鹿みたい。
私は嗤った。
笑い声は雨音に飲み込まれた。
そして私は拳を握りしめ、魔法を切断した時の光景がまた脳裏に浮かんだ。
パチン。
その瞬間、17本の魔力の糸が同時に切れた。
逆流する魔力は引き潮のように、ざあっと一気に私の体に押し寄せた。
胸が苦しくて痛い。
指先が震えるほど痺れた。
でも——
すごく楽だ。
本当に楽になった。
三年も背負っていた重荷が突然降りたように、体が浮きそうになる。
私は深く息を吸った。
空気は雨の匂いでいっぱいだった。
ひんやりとして、少し土の生臭さが混じっている。
本当にいい匂いだ。
私は傘を立て直し、歩き続けた。
石畳は濡れていて、水たまりには路傍の旅館の灯りが映っていた。
それらの灯りを見ながら、ふとあることを思い出した。
アベルの鎧。
あの「英雄の証明」と呼ばれる鎧は、王都の鍛冶師の自信作だった。
だが実はとっくに廃棄処分されるべきものだった。
左肩の装甲は半年前に魔獣に噛み裂かれ、胸の紋章は魔法で焼け焦げ、腰のバックルは二度も折れていた。
私は毎晩こっそり【装備耐久回復】を使って修復していた。
少しずつ、刺繍のように、魔力を金属の裂け目に注ぎ込んで。
今は?
今あの裂け目はまた戻ってきている。
私は足を止め、振り返って見た。
旅館の灯りはまだついていた。
曇った窓越しに、暖炉の炎が揺れているのが見える。
アベルはまだあそこに立っているだろう。
リリナと並んで。
彼が突然肩が重くなったと感じる様子を想像した。
彼は自分の鎧を見下ろすだろう。
そして眉をひそめる。
「おかしい、濡れたのか?」
彼はそう思う。
そして彼は鎧を脱ぎ、暖炉のそばに掛けて乾かす。
明日の朝目覚めると、左肩のひびがまた少し広がっていることに気づくだろう。
あと数日すれば、胸の紋章は完全に剥がれ落ちる。
あと一週間もすれば、腰のバックルは戦闘中に突然壊れる。
彼は地面に倒れる。
惨めに泥の中に倒れる。
リリナは叫びながら駆け寄る。
「アベル!どうしたの?」
彼は起き上がり、使い物にならなくなった鎧を見下ろし、当惑した顔をする。
「……なぜこんなことに?」
彼にはわからない。
なぜなら彼は知らないからだ、この鎧が今まで持ったのは、その質が良いからではない。
誰かが毎晩縫い直してくれていたからだ。
古い服を繕うように。
一針一針。
ゆっくりと、丁寧に、優しく。
私はまた笑った。
今度は涙が出そうになるほど笑った。
でも大丈夫。
今は雨が降っているから。
誰にもわからない。
私は振り返り、歩き続けた。
雨が傘の表面に打ち付け、密集した打撃音を立てる。
私はとてもゆっくり歩いていた。
なぜなら、突然気づいたのだ。どこに行けばいいのかわからないということに。
チームはアベルが結成したものだ。
任務は彼が引き受けた。
ルートは彼が計画した。
私はただついていればよかった。
今は?
今、私は自由だ。
私は橋の中央で立ち止まり、顔を上げた。
雨が顔に落ち、ひんやりとする。
少し痒い。
「……ご迷惑をおかけしました。」
私は小声で言った。
誰に向かって言っているのだろう?
多分、自分自身に向かって言っているのだろう。
そして私は深く息を吸い、歩き出した。
橋の向こう側は、真っ暗な荒野が広がっていた。
明かりはない。
人気もない。
ただ果てしない闇と雨音だけが存在する。
だが、私は怖くない。
なぜなら、ようやく自分が望む生活を送れるからだ。
背後では、旅館の明かりが徐々に遠ざかっていった。
前方は、未知の旅だ。
傘を差し、暗闇に足を踏み入れた。
雨音が大きい。
しかし、私の足音はさらに鮮明だ。
一歩。
二歩。
三歩。
一歩一歩、しっかりと踏みしめる。
まるで、ようやく自分のリズムを見つけたかのように。




