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第23話 思わぬ心臓手術の副作用

 心臓手術からもうすぐ5年になるが、マラソン以外にも副作用が有るとは予想していなかった。

 心臓を開けたので、マラソンが遅くなるのは覚悟していた。命を守る為にはやむを得ない。予想外だったのは、カラオケが下手になった事だ。元々大して上手かった訳ではない。それでも平均よりは上だったと自認していた。ところが退院後、どうも上手く声が出せない。喉の手術をした訳ではないのに。


 スポーツジムでシャワーを使いながら、馴染み曲を口ずさんでみるが明らかに音程がズレている。結構、ショックだった。こちらにもリハビリが必要のようだ。それからシャワーを使う度に発声練習をする事にした。シャワーを使うのは、自分の声を他に洩らさない為である。口を大きく開けて『ア』の声で音階ドレミ…を発してみる。音域が狭くなったようで、手術前は1オクターヴ半出ていたが、1オクターヴしか出せなかった。『ドレミ…』、『ドシラ…』と往復を繰り返す。


 ランナー仲間の親睦会・二次会でカラオケボックスに行くが、その前には特に念入りに発声してみる。成果は如何に! 3度のカラオケでは思ったよりはマシだったように思う。1オクターヴで歌える曲しか選曲できないのでレパートリーが狭められる。熱唱はできない。これからもリハビリを続けよう。

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