第20話 ランナーの走る車道は右側か、左側か?
マラソンレースに出場するようになって40年を越えた。レースのスタートに先駆けて必ず大会長からコースについて、注意点の説明がある。
殆どの大会では車道を走行する時は左側を走行するようにとの注意がある。理由を訊いた事はないが恐らく大勢が同時にスタートするので、全体が一つの列車のような感じになっているのであろうと思っている。
それでは、個人で走るケースはどうなんだろう? 私自身はランニング(ジョギング以下のスピードであるが)は殆ど1人であるが、5~10人のグループとすれ違う事がある。
10年あまり前に、たまたま会った警察官4人に同じ質問をしてみた。
最初は免許証の書き換えをしに行ったときの50歳ぐらいのオッサン警官。彼は即答で、『右』と言った。あまりにも自信たっぷりに言うもんだから、下手にマラソンレースを持ちだして追及すると逮捕されそうだったので訊くに留めた。
次に拾得物を届けに行った時の交番の若いきれいな婦人警官。彼女もまた即答で自信たっぷりに、『決まりはありません。状況次第で判断する事になります』。意外だった。
最後には、私がよく利用している山岳のピクニックロードで4人でネズミ捕りをしているヒマそうなグループの中の50代のオッサン警官。何と彼は知らないらしく、他の3人の20代後半と思われるの若い男女にふった。一瞬間をおいて1人の男子警官が『左です』ときっぱり言い切った。
この4人に共通しているのは部下にふった一番無能らしいいオッサン警官以外、自信ありげに即答している点である。恐らく一般市民になめられんように間違ってもいいから自信有り気に即答せよとの上からのお達しであろう。日頃不勉強の上にろくに考えもせず答えるものだからばらばらの返答になるのである。
この後、無能なオッサン警官が、こんな事を言っていた。
『対向車とぶつからんように、カーヴでは外回りになるように走ると良い』。
そんな事は百も承知。私は道路交通法規として、どうなのか? を知りたかっただけである。
結局、4人の返答はこのようになった。
『右側』、1人。
『左側』、1人。
『状況判断』、1人。
『知らない』、1人。
最近、ネットで検索してみた。
『基本は右だが、危険性を考慮して状況判断する』との説明であった。
婦人警官が大正解のようだ。
実のところ私自身は、右側だと思っていた。しかし現実には、状況判断をして左右に移動しながら走っていた。今もそうしているが、車の事故の危険性でなく、熱射病の危険性対策として、カーヴに関係なく日陰を選んで走っている。危険性を考慮している事には変わりはない。
因みに、本エピとは無関係であるが、安全と判断できれば、信号も関係なく走っています(笑)。