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第14話 雨の匂い

 子供の頃は雨に匂いがある事は知らなかった。雨の匂いが感じられるようになったのはいつからだったろうか? 20歳は過ぎていたように思う。


 40代の頃まで雨の匂いの正体は乾いた畑の砂埃だと思っていた。乾燥した日が続いたあとの夕立直後に感じられる事が多かったように思う。乾燥した畑の土に夕立が勢いよく叩きつけられ、それによって舞い上がった砂埃の匂いだと20年ぐらい思い込んでいた。


 その後、何を勘違いしたのか匂いは雨そのものだと思うようになった。

 雨の匂いなんて誰かが口にしているのを聞いた事が無かったので、これは自分だけの特殊能力じゃないかと、愚かにも密かに有頂天になりかかった事があった。


 何の事はない。検索してみると、97%の人が雨の匂いを感じられるそうである。流石にこれにはがっかり。

 化学的な小難しい事は解らないが、自分が20代の頃から思っていたのと40代ぐらいから思っていたのとをプラスすれば、雨の正体に近づきそうである。

 簡単に言えば、雨が石や土や岩とぶつかりあって、夫々の中にある物質が化学反応を起こして発生した気体の匂いのようである。


 雨でなくても似たような匂いは感じられる。実家で隣人が真夏に家の前のアスファルトに水を撒いていた時の事である。その時、同じような匂いがしていた。アスファルト上にくっ付いている埃や脂分と水道水が化学反応を起こしたようである。

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