第11話 サポートできたのに
40代後半の頃、サポートできたのにしなかった。後になって、後味の悪い思いをした事があります。
連日の深夜残業(サーヴィス残業)で、自慢の健康体もくたくたに疲れていました。1年以上も月間100時間前後のサーヴィス残業が続いていました。
そんなある日、定刻になり夕食の為、一旦外に出ました。職場から徒歩8分の場所に中華料理店があります。その日は中華にしようと決めて、1人入店しました。割と暇な店で、フロアの広さの割には客は少なめです。
この日は先客は1人で、食事中でした。フロアスタッフは中国人の中年女性が1人です。決めていた料理をオーダーしました。
「味噌ラーメンと餃子を1人前」
8分ぐらいで料理が運ばれてきました。味はまあまあと言うべきか、イマイチと言うべきか?
食べ始めてすぐに、新しいお客がやってきました。その人は躊躇なく
「ギョーザにラーメン」
とオーダーしました。やがて料理が運ばれて来ました。それを見てお客は、
「エッ、ギョーザ2つなの?」
対して中国人ウェイトレスは、少し不審そうな様子で
「ギョーザ2つですよ」
お客は訝しげな様子で料理を受け取りました。
2人とも、オーダーの行き違いの理由には気づいてないようでした。
お客は
(ギョーザは1人前で良いのに、2人前が1セットか、ふざけた店だ)
と思った事でしょう。
一方、ウェイトレスは
(2人前注文しておいて、何で不審そうな顔をするんだろう、この客は?)
と思った事だろう。
すぐ近くに居た私は瞬時に気づいたのであるが、身体も頭も疲労困憊だった所為で、声を掛ける気力が出なかった。自分の疲労具合と比べれば、大した事ではないさ。そう思ってノーアクションでした。
私も通常は、『ギョーザに味噌ラーメン』
とオーダーする事が多いです。
それは、『ギョザと…』
よりも言い易いから。
でもフロアスタッフが外国人の場合だと、『味噌ラーメンとギョーザ1人前』
のように、発音に注意しながらゆっくりオーダーします。
海外の一人旅で、自分の英語の発音が悪い所為でミスオーダーになる事が頻繁にあったので。