第一話 【始まり】
とある王国で紫の瞳をしている者は王国もしくは教会に行かなければならないという決まりがあった。
しかし、ある夫婦は王国や教会には行かなかった。
なぜなら、その実態を知っていたからだ。
王国は王子もしくは王女の婚約者に教会は神子にさせられるのだ。どちらも我が子を渡せば二度と帰っては来れない。
婚約者候補である紫の瞳の子はその日から勉学に励み結婚したら子供を産む道具とされている。
その産んだ子供は紫の瞳であれば幽閉され次の子供を産ませる道具となりそうでなければ王家以外の貴族に渡され紫の瞳の子は正妃ではなく大体が側妃である。正妃が公務を行うためそのため出歩くことを許されずただ、子供を産むための生贄なのだ。しかも、王家を継ぐのは正妃のみとされているため側妃は愛人でもあるため国王ためだけに愛された人物になる。
教会は自分達の思い通りに教えて洗脳させる。神子は大体、傀儡にさせ失敗したらこの国の生贄となる。
どちらともは表の世界では象徴、裏の世界では国の生贄として扱われ本人の意思も決定権すらない。
国に渡せば子供を産むための道具、教会は国の生贄として生きる。そんな実情を知っていた彼らは何がなんでも渡したくはなかった。
彼らは我が子に被害が行かないように必死に我が子を隠した。我が子がすくすくと育つようにと願いを込めて・・・。
だが、その願いは叶わなかった。王国や教会らがそのことに気が付き始めたからだった。
「そろそろ、奴らが来る。みんな逃げよう」
「あなた、もう来てしまったの?まだ、あの子はまだ、幼いのに…」
「でも、早くしなければ私達の子供達は奪われてしまう。そのためには…」
「「我々に出来ることをしよう。」」
「あんな奴らに我が子達を渡してたまるもんですか」
「我が愛しの子よ契約者が命じる。―――や―――の悪意のある者から我が子を隠せ」
「我が愛しの子よ契約者が命じる。―――」
「しばらくの間、このままにしておこう」
「私達の子供達はどんな人に出逢うのかしらね」
「分からないが、良い未来だと心から願うよ」
夫婦は自分の子供達に魔法をかけました 一つは姿を変える魔法。瞳や髪の色を変えるため、奴らに見付からないようにするためだ。
それが良かったのか長年見付からずにいた。
その子供はひっそりと生きていた。