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あなたに囚われた俺の醜い感情  作者: ロース
始まりの日、始まってしまった日
6/35

俺の日常5?

 それから間もなく昼休みが終わり、午後一番の授業、数学が始まろうとしていた。

 ただの授業が始まるだけだというのに、少し空気が重たい、窓の外を見てみると先ほどまで晴れだった空が雲に覆われかけておりあまり晴れない気持ちになる、クラスの中でも先週怒られた有紗はトラウマでも出来たのか心なしか震えている気がする。……いやそんなに怯えるぐらいなら宿題忘れないだろうし気のせいだな。

 

 チャイムと同時に背の高い女性が部屋に入る。


「今日の授業を始めます、では挨拶から、佐久間君よろしくお願いします」

 

柊が元気よく返事をする。


「はい烏丸(からすま)先生、起立!礼!お願いします!!、、、着席」

 

一糸乱れぬ使命感を帯びたような真剣さで挨拶を終える、いっそ清々しい気持ちだ。


「はいよろしくお願いします、さて今日の授業を始める前に先日出した課題の提出をしてもらう、もちろん全員出来ていますね?」


 ここで先週は有紗がご臨終することになったが、今日は皆大丈夫だったみたいだ、まあ中身は置いといて。


「皆がしっかりと宿題してくれて嬉しいです、今日は忘れずにやってきたようですね鶴式さん……では今日の範囲は、56Pからです、教科書を開いてくださいーーーーー


 内心呆れる気持ちはあったが、よかった今日は何事もなく授業が進行しそうだ、いやこんなに怯えるのもどうかと思うけど。本当にあの性格の厳しさを除けば皆から慕われやすい先生になると思うのに勿体ない。


 

「これで今日の授業は終わります、後次の授業には小テストをおこないますのでしっかりと復習しておいてください」


 授業が終わりの時間に近づき、皆が気を緩めだした瞬間を見計らったようなその一言にクラスがざわめく、実は俺もかなりげっそりしている、何せあの人のテストは難しいし、基準以下の点数だと追加で宿題を出されるからだ、一応俺は成績上位ではあるけど勉強せずに点数とれる化け物ではない。


「あと、嬉野君は放課後職員室まで来てください、お話があります」


そんな生徒たちを尻目に、烏丸先生は俺にそう言い残して教室から去っていった。

 

 ……え?と思ったのも束の間、冷や汗が滝のように出てくる……全く呼び出される原因がわからん、何かやらかしたか俺??


「あれ~大月どうしたー呼び出し食らうなんて、今週はお前が怒られる番か??」

 

うざいひたすらうざい、仲間ができたと言わんばかりに有紗が絡んでくる。あとついでに柊もついてきてる。


「まだ確定したわけじゃないわ!!もしかしたら滅茶苦茶褒められるかもしれんだろ」

「どうだろうね、烏丸先生が誰かを褒めたとこなんて見たことないよ」

「いや……俺もそうだけど、少しぐらい希望を持たせてくれてもいいじゃんか、冷や汗止まらんのよこっちは」

「まあ気持ちはわかるけどね……んーでも大月何かやらかしたの?私と違って優等生だし」

「お前はやる気がないだけだろ……でも実際思い当たることがないからなんとも言えん」

「まあ堂々としてればいいんじゃないか?俺も大月が怒られるようなことしたとは思わんしな」

 

それもその通りかーと諦めに近い感情でどうにか納得することにした。 


 ……今思うと俺の日常では起こったことのない、烏丸先生からの呼び出しがこれから起こる非日常の始まりだったのかもしれない……いやもしくはもう日常から大きく外れていたのかな。

 

「今日はこの後雨が降るかもしれないので気を付けて帰ってください、ではさようなら」

 

残りの授業は時空がゆがんだのかと思うほど一瞬で終わった、やはり内心不安な気持ちがあり集中できないのか、ずっと上の空だった気もする。ホームルームも特にいつもと変わりなく君島先生の締めの言葉で終わりを告げた。ただ先生が言ったようにさっきまで曇りだった空も、もう今は雨が降る直前って状態だ、俺傘持ってないけど大丈夫かな?話の長さ次第ではかなりやばい気がする。

 ……ああそういえば、光花は傘持っているのかな?後で連絡して厳しそうなら迎えに行ってあげようか。


 そんなことを考えていると、職員室に到着した……いや到着してしまったというほうが正しいのか……


どうもロースです。

お読みいただきありがとうございます。

登場人物が多くなるにつれて書き分けが大変になってきました、わかりにくい個所がないように工夫はしてみましたが、果たして不安です。

おかしいと思う個所が見つかればその都度修正したいと思いますので、そういったご指摘があればよろしくお願いします。

次話は明日の六時までには更新したいと思います、では失礼します。


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