分からない
(何処なのここ…)
一凪は周りを見渡した、ここがどこなのか全く分からない
ずっと平原が続いていて建物らしきものは何も見えない。
(夢?)
いや違う夢にしてはリアルすぎる。
コロはしっぽを丸めながら私にピトッとくっついている。
(怖がってる…)
ずっとここにいてもしょうがないので
(取り敢えず歩こう)
私はコロのリードを握り歩き出した。
ケータイか何かでここがどこなのか調べればいいと思ったが、あいにく家に置いてきてしまった。ちくしょう
ずっと平原を歩いていると道が見えた、私は少しホッとした。
(この道に沿って行ったら誰かに会えるかもしれない)
しばらく道を歩いているとガガガガッと音がした
その音はだんだん近付いてくる。
後ろを見た……………馬車?この時代に馬車?
その馬車は私のすぐ後ろで止まった。
後ろの荷台から人が降りてきた。
私は正直、助かったという安心と言うより恐怖の方が
大きかった。
人が近付いてきた、大きい…180cm…いやそれ以上あるかもしれない。
40ぐらいのおじさんだ
変な服を着ている、ファンタジー漫画とかでよく見る鎧?みたいなアレだ。
その人は少し笑顔で喋りだした、
「△■€$"☨⚑ДღЙЁМДЙА」
…
……?
(え?今なんて言った?この人)
全く理解できない
何語だ聞いたことないぞ
「えっ、あの、えっと」
何を話せばいいか分からない
コロはおじさんをクンクンとにおっている。
私がオロオロしているとその人は何か分かったような顔で、手招きしながら「コッチ」と、たどたどしい日本語で言った。
私は内心怖がり驚きながらもそれについて行ってしまった。
私とコロは馬車の荷台に乗せられた
荷台にはおじさん含めて4人居た、ガタイのいい人ばかり乗っている。
乗る時にチラッと見えた1人の顔には傷跡がいっぱいあった。
コロは1番奥の席に座らせられ、私はその横に座らせられた。
ずっと下を向いていたが
目の前の人の手が見えていた、その人の手は汚れていて傷跡もいっぱいあった。
「▇Ё♯©▪/!」
と何を言っているのか分からないが声が聞こえた。
ガラララッと馬車が動き出した。
しばらく走っていると目の前の人が
「ニホンジン」と言った、私はバッと顔を上げた
次にその人は「キミ ニホン?」と喋った。
私はコクンと顔を上下した。
その人はニコッと笑い、隣に座っていた人に
「△▋◚ЙЩФШ」と何か言った
隣の人は笑いながら「┸♯✲ღ▉ДЗЛёнкикёЖ▪」と何か返した
分からない何を言っているのか全く分からない。
そう思いながらまた下を向いていると何やら外が騒がしくなってきた。
ガラララ…と馬車の音が小さくなっていき止まった。
次々に荷台から人が降りていった、
「ニホン」とさっきの人が手招きしている。
私はコロを抱っこして荷台から降りた。
(重い…)
ここは…町?
人がいっぱい居る
夏祭りの出店みたいな感じで果物が売られていたり
肉が吊るされていたり…
私は思わず
「凄い…」
と呟いた
「▪▉ДღⓨЗИД」
「┸♯и┸≨н✲ⓨЗЛнЗиЛн▪」
「Иё♪≨┸ЗДЗ」
と歩く人皆が知らない言葉を喋っている。
「!」
グイッと手を引っ張られた
最初のおじさんだ
私は引っ張られながらもついて行った
コロは相変わらず私の足にピトッとついている
(歩きにくいなぁ)
しばらく引っ張られて歩いていると大きな建物が見えた。
建物には大きな門がついている
外国のお城みたいだ
私達の姿をみた門番のような人達が大きな門を押しながら開けた。
凄い光景だ。
ズズズズ….と門が開くと中には今、手を握られているおじさんのような人がいっぱい居た。
女の人も居る。
猫?犬?の耳が生えている人も居た、獣人ってやつ?
そう思いながらも
その中を引っ張られながら進んでいく。
門を抜け建物の中には入っていった
目の前には大きな階段が見える。その横には何やら店がある。
私は引っ張られるがまま階段を登って行った。
階段を登り終えると道は左右正面に別れていた
そのまま正面の道に引っ張られた。
奥には扉があり、おじさんはコンコンとノックをした。
中から「▪ёД」と聞こえた
おじさんはガチャッと扉を開けた
私はその部屋にコロと一緒に入れられた。
部屋の両隣には本棚が並んでいた。
そして奥に座っていた黒髪に少し白髪の混じったオールバックのおじさんがこっちに来た。
私の隣にいたおじさんと何やら話してる
話終わると
オールバックのおじさんが言った
「君は日本から来たんだね?」