第二十章設定集
重めの風邪を引いてしまい昨日は更新できませんでした、申し訳ない。
長い章なので設定集がボリューミーになってしまいました。
番外編と称した過去編もいくつか投稿させていただきます、本編は熱が今日下がれば明日あたりから始まると思います。
ヘルシャフト・ルーラー
魔物使いの少年。何かと自分を責める。
痛みへの忌避感や視覚的な不快感はあるものの、悪魔に身を喰わせることそのものへの躊躇はあまり無い。自己評価が低いからだ。
愛していると言われれば殴られても縋り続けるが、愛していると言われなければ簡単に見限り興味を失くす。
度が過ぎた方向音痴だが、本人は自分はその真逆だと思っている。
エアオーベルング・ルーラー
史上最強の魔法使い。ヘルの実兄。
弟に愛想を尽かされたと思い込み、傷心旅行中。
不老不死不定形となった彼は最終目標である「世界征服」への熱意を薄れさせ、永劫の目標である「弟と二人きりで幸せに暮らすこと」ばかりを気にしている。
魅了の術も選択肢に入れつつ、弟に好かれる方法を探している。
なお弟に人格を見出した訳ではない。
アルギュロス
合成魔獣の最高傑作。ヘルを溺愛している。
章前半ではエアに肉片を仕込まれ、体を蝕まれていた。
ウェナトリアに恋する乙女扱いされた時実はかなり戸惑っていた。自分でも主人への愛情がどういったものなのかよく分かっていない。
メロウ・ヴェルメリオ
リリム、またはリリンと呼ばれる悪魔の一種。
ヘルを何かと誘惑するが、それは種族としての習性のようなもの。ヘルと本当にそういう仲になる気はほとんどなく、妻の名を被った親友になりたいと考えている。
セネカ・キルシェ
元吸精鬼、現吸血種の悪魔。
男になれば女が怖い、女になれば男が怖い。そんな面倒臭い恐怖症を患っている。
淫魔としては致死傷なその恐怖症も、吸血種となった今では厄介な個性と見ている。
男性体時はヘルのことを恩人兼男友達と認識し、女性体時は恩人ではあるが恐怖の対象として認識する。
ベルゼブブ
最強の悪魔の一角であり、地獄の帝王。蝿の王とも。
お菓子の国を作り上げる過程でサタンから援助を受けているが、その恩を加味しても無視できない罵詈雑言を受け、サタンに敵視に近い嫌悪を抱いている。
ナイを丸呑みして体内から破壊された経験から、ナイを嫌っている。
トール
アース神族の雷神。
非常に強力な神性であり、人界ではベルゼブブに勝ち目はない。彼もアスガルドという故郷から離れてはいるのだが、それでも最強クラスの神性である。
頭を使うことを無駄だと考えており、代わりに考えてくれる者に付きまとう癖がある。そのためエアを気に入って付け回している。
マンモン
『強欲の呪』を娯楽の国にかけた悪魔。裏表が激しい。
紫色の髪をオールバックにし、青紫と黄色のダイクロイックアイを蝶の仮面の下に潜ませている。
人に会う時は常に燕尾服を見に纏い、度が過ぎた女言葉で人をもてなす。
だが嫌いな相手や本音を話す時には荒々しく低い声で応対し、威圧する。
ゼルク
娯楽の国の監視役天使。
ラビに借金をしており、その事からラビに逆らえず使いっ走りにされている。だが、根は飽き性なためどんなことも長続きはしない。
賭け事は好きだが滅多に勝てない。下手の横好き。
ヘルメス・ビズバルド
神降の国の元王族。神具使い。
盗みと博打の才能がある。
彼自身は知らないが、彼は神降の国の国王の本当の息子である。国王には彼のような隠し子が多く、彼は神具使いの才能があったから正式に引き取られたに過ぎない。
ウェナトリア・ラジアータ
植物の国現国王。シュピネ族。
亜種人類の中でも特に身体能力が高い。
ツァールロスの母親とは義兄妹で仲が良かった。
彼は敵に対しても情け深く、信心深く、優しい善人である。だがその優しさは彼の弱さでもある。
敵にトドメを刺せず、少しの犠牲も許せず、理想を追い求める。それが王としてどうなのかは国内でも意見が二分している。
ツァールロス・キュッヒェンシュナーベ
キュッヒェンシュナーベ族最後の生き残り。
この世の全てが自分を嫌っていると思い込んでおり、非常に警戒心が強く、臆病。
とても足が速く、また一歩目から最高速度で走ることが出来るという特性から彼女に追いつける人間はウェナトリア以外に存在しない。
彼女の翅はナハトファルター族などと比べて固く、殻のようになっている。艶のある黒は美しいと言えるはずだが、彼女自身も大多数の人間もその黒光りを嫌っている。
新羅・姫子
ナハトファルター族の少女。数十年に一度生まれる神娘。
本来人間よりも優れた身体能力を持つはずの亜種人類にしては珍しく、人間の子供以下の筋力である。梯子を上ることすら出来ず、誰かに抱えてもらわなければ家の出入りも不可能。
生贄だったという事で彼女を悪く言う者も多く、第十一章からはウェナトリアと寝食を共にしていた。
新羅・影美
ナハトファルター族族長。姫子の義理の姉。
血が繋がっていないとは思えない程に表情が姫子とよく似ている。
冷静な性格で、どんな非常識な人間でも「そういう人なのだ」と静かに関わりを断ち、どんな理不尽な状況でも「そういう事なのだ」と感情をブレさせない。
茶色い翅の目玉のような模様は希少性が高く、良い「商品」になる。
照魔・瑠璃
シュメッターリング族族長。
自分よりも美しい者はないと驕り高ぶり、醜い者をとことん馬鹿にする。
似通った見た目のナハトファルター族を特に毛嫌いしており、中でも影美のことが嫌い。
黒い翅には瑠璃色の模様が入っており、その美しさから「商品」としての値打ちが高い。
モナルヒ・ルフトヴァッフェ
植物の国元女王。ホルニッセ族族長。
国王の座を受け渡す代わりに結婚する、という約束のもと国王の座を退いた。
カルディナールと同じく無数の子を持ち、娘達は植物の国の空軍に就かせている。
ホルニッセ族の毒は彼女達の体液や植物の毒を混ぜたもの。
カクテルのようなもので、作る者によって効果が変わる。その為、解毒薬の制作は作った者にしか出来ない。現在使われている毒は全てモナルヒが作ったもの。
カルディナール・フォン・アルメー
アーマイゼ族族長。
甘い物に目がなく、またその外科技術の対価も甘い物で要求する。
モナルヒと同じく無数の子を持ち、娘は植物の国の陸軍に就かせている。
アーマイゼ族は手術や建築を得意とし、植物の国のツリーハウスはほとんど彼女達が作ったもの。その対価は甘い物。
植物の国の民は甘い果実や花の蜜をもしもの時の手術代として備蓄している。
ベルフェゴール
『堕落の呪』を植物の国にかけた悪魔。ショタコン。
面倒臭がりで、常に眠そうに目を擦っている。
本気でやればそれなりの強さはあるが、本気を出す事はまずない。
真の姿は羊に似た獣、人間体は羊の角を生やした豊満な肉体の美女。身体中の蔦模様の刺青のようなものは呪の証であり、彼女と契約すれば契約者の身体にも似た模様が浮かび上がる。
イロウエル
恐怖を司る天使。
目を合わせることで心を読み、一番弱い部分……恐怖心を弄ぶ。具体的に言うと、最悪の思い出を何度も反芻させる。
心のどこかに僅かでも恐怖を持っていれば、悪魔だろうと神だろうと彼女の前に崩れ落ちる。
その下卑た笑い方が天使とは思えない──と天使仲間からも陰口を言われている。
凍堂・零
牢獄の国の神父、シャルギエルの加護受者。
冷気を抑えられない為、岩山の上の教会に篭っている。だが調子が良い日は人里に降りてきたりもする。その場合も人と触れ合うことはない。
氷襲・雪華
牢獄の国の教会で修行中のシスター。
零から加護の力を分け与えられているが、使う度に引き出すという手法の為彼女は冷気を撒き散らさない。加護の力を分け合い、零を人と触れ合えるようにするという目標がある。
生真面目な性格で、教えに従順。シスターとしては良い才能だが、傍から見ればただの狂信者である。
葛・竜一
普段は正義の国で神父を勤めている。今は休暇中。
妖鬼の国出身で、人魚と深きものどものハーフ。人魚の血を引いているため歌が上手い。下は履かない。
生まれつき強い精神感応能力を持ち、幼い頃は力を抑えきれず人の心を無意識に読んでしまい、その醜さに打ちひしがれ精神を病んでいた。
ある時正義の国に漂着し、零がいた児童養護施設に引き取られ、そこで神の教えを知った。
それからは真摯に創造主を信仰しているが──
深きものどもというのは深海や海辺に生息する種族。創造主に創られたものではないとされる。それ以外の事はほとんど分かっておらず、生態を研究する為科学の国の研究者が躍起になって探している。
カルコス
合成魔獣の最高傑作。ヘルを食べたがっている。
口が悪く騒がしく、面倒臭がりで出不精。
だが反面情に厚く、知り合いが困っていれば助けようとする。悪魔を模したアルや天使を模したクリューソスとは違い、純粋に人を助ける為だけに造られたが故だろう。
クリューソス
合成魔獣の最高傑作。自分以外の生物、特に人間を下等生物扱いする。
最近スポーツ中継にハマっていて、滅多に外に出なくなった。
時折カルコスの事をニートと罵るが、彼が言えたことではない。
リーイン・カーネーション
合成魔獣達を造った者の子孫。愛称はリン。
男児に女装させその写真を撮るという犯罪に片足を突っ込んだような趣味を持つ。
なお彼が好きなのは女装させられて恥じらう表情であり、そういった服装を元々好む男児には興味が無い。
彼自身は科学者としての才能が無いため、先祖の遺産を食い潰している。現在無職。
ナイ
科学の国に住んでいた彼は優れた科学者。
他の個体と繋がっているタイプで、分かりやすい見た目をし分かりやすい名を名乗っている。
悪魔の王にも創造主にも見つからずいつの間にか世界に入り込んでいた邪神、ナイアーラトテップ、ナイアルラトホテップ、ニャルラトホテプ、などなど人間からの呼び名は不安定。
『黒』の名を奪ったモノ。
多くの顕現を持ち、殺しても退散させてもまた別の顕現がからかいに来る。目をつけられた場合、死ぬまで……場合によっては死んでも付け回される。
外的要因により心臓が止まった場合、体内に仕込まれた魔法陣が発動し、別の巨大な顕現を召喚する。
ベルゼブブは「即死なら大丈夫な気がする」と果敢に挑戦しているが、どんな死に方でも召喚魔法は発動する。
『黒』
天使であり、精霊であり、鬼であり、そのどれでもない。
名を奪われたことによって力は酷く弱くなっており、存在すらも危うい。現在は人界に干渉する力すら弱まっている。
『黒』が呼び出した忌まわしき狩人とと呼ばれる生物はその名の通り召喚者の命令に応じて様々なモノを狩る。召喚の代償は人で「彼を贄にします」と宣言することで勝手に狩ってくれる。それをしなかった場合、召喚者が喰われることもある。
『黒』が呼び出したシャンタク鳥と呼ばれる生物は『黒』が言っていた通り乗り物として扱われる。
ただし、召喚者に忠実という訳ではなく、目的地とは違う場所に運ばれることもある。
植物の国
亜種人類が住む島国。
多種多様な種族が住む為、種族間での諍いもしばしば。
特にウェナトリアを支持するものと支持しないものの溝は深い。
牢獄の国
ルシフェルが封印されていた島国。
ルシフェルを封印する為に天使の力を無効化する術式が島全体を覆っていた。それが消えた今でも天使達は進んで近寄らない。
科学の国
科学技術が発展した国連加盟国。
倫理観が他国に比べて酷いもので、身体改造や生き物の製造、研究の為なら人の命をどうとも思わない点は科学の国の科学者が嫌われる要因の一つである。
科学技術の発展の為、正義の国に黙って地球外生命体と交流している。
優れた科学技術を持つ地球外生命体
科学の国に仮住まいを置いているナイを信仰する種族。
その見た目からまともな人間は彼らを忌避する為、一般には知られていない。
気に入った者や気に入らない者を缶詰にする習慣のようなものがある。
番外編として予定しているのは「ヘルが初めて料理を作った日」「影美と瑠璃の幼少期」「ツヅラの幼少期」です。増えるかもしれませんし、減るかもしれません。




