第十一章設定集
主人公 ヘルシャフト・ルーラー
魔物使いの少年。動物好きだが虫や魚、爬虫類など毛の無いものは苦手。特に足の多い生き物が嫌い。
『黒』
自分の全てを自由に出来る、という訳で呪はまず効かない。
だがその能力は天使に由来するものなので、天使封印の類は効くこともある。
オファニエル
月を司る天使。書物の国を訪れたのは「悪魔を倒せ」と仕事を貰ったから。亜種人類を滅ぼす前準備ということは知らない。
満月でなかったこともあり悪魔に全く歯が立たなかった。
最近は加護受者と別行動をとっているようだ。
ロージー・メイプル
ナハトファルター族の女性、姫子の唯一の友人。
恋愛話を好み、少々妄想が激しい。
彼女の羽には細かく短い毛が生えており、もふもふしている。
飛ぶことも出来るが、歩いた方が早い。
族長に姫子の世話役を命じられていたが、おそらく命じられなくとも自ら世話を焼いただろう。
姫子
ナハトファルター族の少女、ロージーと仲良し。
あまり表情が変わらないため、何を考えているか分からないと言われるが、特に何も考えていない。
悪魔から奪った歴代の御白様の力を使って軽い傷の治癒ができる。
虫や木に愛されており、有事の際には彼女を守る防壁となる。
羽はあるが空は飛べず、また羽の重さから長くも速くも歩けない。縄梯子を掴む力もないため自力で家に上がれない。
だが本人は重大な問題だと思っていない。
ウェナトリア・ラジアータ
シュピネ族の男、植物の国の国王。
植物の国に来たのは10年ほど前、その際にホルニッセ族から王権を譲らせた。
シュピネ族ではあるが糸は出せず、定住を嫌っている。
隠しているのは八つの目と四対の歩脚に一対の触肢である。
その身体能力は亜種人類の中でも群を抜いており、単純な速度、力勝負では負けたことがない。
武術の国の軍に所属していた頃の階級は軍曹。
大穴の悪魔
植物の国に『堕落の呪』をかけた悪魔。
非常に面倒臭がりで、穴から出てくることは滅多にない。
真の姿は羊に似ているが、人の姿に化けることも出来るらしい。
数十年に一度、一人だけを食べるという栄養失調寸前の生活を送っていた。
彼が居たから亜種人類が生きていられたと言っても過言ではない。
青年
植物の国に勝手に港を作った青年、ヘルと『黒』を面白半分に尾行していた。
悪戯好きで飽きっぽい、はた迷惑な性格。
木霊
言われた言葉を繰り返す木の精霊、姫子に懐いている。
見た目は可愛らしいが、とてもうるさい。
マンドラゴラ
根が人の形をした気味の悪い植物、成長すれば自力で動くこともある。
薬の材料としても知られるが、その泣き声は命を奪うとされ恐れられる。
魔法の国では魔法薬の材料として親しまれていた。
生食用には適さないが、ヘルはよく兄に生で食べさせられていた。
ナハトファルター族
植物の国が国になる前から島に住んでいる種族、亜種人類の中でも閉鎖的。
大穴の悪魔に贄を捧げる役を押し付けられていた。
シュメッターリング族
ナハトファルター族の隣に住んでいる種族、亜種人類の中で人間からの人気が最も高い。
美しい羽を持っているため、『商品』として狙われるのはほとんどこの一族。
ホルニッセ族
書物の国の元王族、縄張り意識が強く領地に迷い込んだ他種族を襲うこともしばしば。
見かけられるのは何故か女性ばかりである、男性はどこにいるのだろうか……
シュピネ族
亜種人類の中では珍しく羽を持たない種族。
糸を出し網を作り、それでツリーハウスを吊り下げる形で住んでいる。
食人の文化はもう潰えており、今はもうおとぎ話に近い。
『堕落の呪』
やる気を奪い、眠気を誘い、人を堕落させる呪い。
これをかけている悪魔自身も眠そうにしている。
植物の国
亜種人類だけが住まう島国、鎖国中。
崖と呪があっても亜種人類を狙う人間が後を絶たない。
亜種人類
神獣の末裔とされる獣人とは逆に、魔物と交わった人間の末裔とされ忌み嫌われている。
奴隷や標本としての人気が非常に高い。
亜種人類を匿った武術の国は天使に滅ぼされた。
天使や信心深い人間が彼等に対し魔物よりも過剰な反応を見せるのは「人間のフリをしている穢らわしい魔物」という考えから。
近いのに違うモノへの嫌悪感は全く違うモノよりも強くなるようだ。
なおオファニエルは亜種人類に対する嫌悪感が存在しない。というよりも興味がない。悪魔ですら仕事でなければ気にしない。




