働いてるように見えますか?
ニーチェにかなりはまったことがあります。
島宇宙のことしか考えられない当時のわたしにとって、「大地のうえにまだ知られていない宇宙がある。その名を『人間』という!」とこられたのはかなりショッキングで、新鮮でした。
『ツァラトゥストラはこう言った』は、古典文献学のパースペクティブから物理をはじめとした自然科学の関係者の魂を震撼させることを意図したもので、いろいろ思い当たるふしがあります。たとえば、はえ・ロバ・至福の島々からの舟は、それぞれ南半球の星座のはえ座・がか座(「イーゼル」)・アルゴ星座群を意識して描写されています。
そして、ニーチェといえば、永遠回帰ですが、古代思想で「万物がはじめの位置に帰ってくる大いなる年がある」と言われているのにちなんだものです。聖書ではこの「大年の周期」は600年といわれています(ヨセフス『ユダヤ古代誌』)。
銀河系の回転が一周する期間を大年の周期と結びつける人もいますが、ばかげています。古代思想はもっと真剣なのです。もっと危ないのです。もっとまじめなのです。
まず、ハッブル時間を大年の周期と考えることができます。ハッブル時間とは、ハッブル定数といわれる宇宙周波数の逆数です。ふつうは、ハッブル時間は「宇宙の年齢」と考えられていますが、任意の時間をあらわす量を、周期をあらわすものか、期限をあらわすものか決定する明確な基準はありません。
つぎに、光速度をミルグロム加速度で割ったものを大年の周期と考えることができます。ミルグロム加速度は、ユダヤ人物理学者のミルグロムさんによって提唱されている修正ニュートン力学(MOND)で導入される自然定数で、物体の加速度がこのミルグロム加速度よりも遅くなると、ニュートン力学で予測されるよりも強い力をかけないと物体の速度が変わらなくなります。エネルギー準位にこだわる量子力学と変位にこだわる一般相対性理論に物理学が2分される状況をたくみに逆手にとったものがMONDといえるでしょう。この場合だと、大年の周期はペガーナ神話的数値になります。
さいごに、大年の周期をミランコビッチ・サイクルと考えることができます。ミランコビッチ・サイクルとは、太陽と地球間の距離の変動や春分点移動などいくつかの天文数値をくみあわせたもので、ミランコビッチ・サイクルによって氷河期の到来が制御されています。
空に星があるのはなぜか。古代のストア詩人・アラトスは答えています。万物がつつがなく育つように、人間がめぐりゆく季節の的確な目印を知って、適切にアグリカルチャー実践する必要をみてとった至高の父・ゼーナは、天空に星のかたちで日々のしるしを定められたのです。
わたしたちには知恵があります。万物を助長するため、知恵を用いること、それこそが、わたしたちが日々とりかかる仕事なのです。
ペガーナ神界ギョギョギョだ。