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ドキドキ遊園地②

今回の話は少し長くなっていますが、楽しい雰囲気な二人をぜひ読んでみてください。


俺には妹がいる。名前は千彩。

千彩のことを説明すると…面倒臭いので簡潔に


可愛くて可愛くて可愛くて可愛くて可愛い!


世界一可愛いんじゃないかな?

そこらのアイドルより可愛い自信あるよ。


そんな兄(晴)はと言うと…こちらも面倒臭いので簡潔に


極極極極極極極極普通。


普通です。いや、普通以下です。

兄の俺が悪いところを全て持っていて良いところは全て妹へ。

ったく世の中理不尽だぜ!

そんな俺たち兄妹は今


付き合っている。


付き合っていると言うか兄妹以上恋人未満という微妙な関係なのだ。

兄妹で付き合うって言うのは少し恥ずかしいので兄妹以上恋人未満ということにしている。

あることをキッカケにこの関係になったのだが知らない人は今までの話を読んでほしい。


そんな俺たち兄妹と親で今は遊園地へと向かっている。

昔からの夢だった。


千彩と2人で遊園地へ行く。


当然中二と小六2人で遊園地へ行くことは出来ないので親同伴で遊園地に着くとそこで別れるという形にしたのだ。

遊園地でのお金は今月のお小遣いと来月のお小遣いからやりくりしろと言われたのだが…

楽しみにしていた遊園地。

楽しいことで溢れかえっていることだろう。




家を出発し遊園地へと向かう道中。

車内は楽しみとワクワクで楽しい雰囲気で満たされていた。



「いや~遊園地なんて久しぶりだな。ママと2人で行ったのは大学生の時だっけか」


「多分そうじゃない?あれから遊園地なんて行ってなかったわね。」


「大人になれば遊園地より旅行とか温泉とか行ってたもんな」


「旅行とか温泉もいいけどたまには遊園地で乗り物に乗るのもいいわね」


「そうだなあ。お前たちが生まれてから旅行とか遊園地とか遠出する機会あまりなかったからな」


「今日は思いっきり遊びましょう!」


「久しぶりのママとのデート楽しみだよ」


「もぉ、パパったら♡」



息子娘の前でイチャつくのやめてもらえませんかね。

見てるこっちが恥ずかしいんだが。。。

ほらあ、千彩が少し顔赤くしてるじゃないか。

あっ、俺のせいか。

可愛いって言っただけでこれまで照れるとは。

可愛いよ千彩!



「なあ千彩」


「ん?なにお兄ちゃん」


「遊園地でしたい事とかってあるか?」


「したいこと?」


「そうそう、例えば2人でキャラクターの被り物を被った人間と写真撮りたいとか」


「それ絶対小さい子の前で言っちゃダメだからね!」


「夢の国じゃないんだから気にするな」


「子供は何に対しても夢を持つものなの!」


「千彩もそういうの思うのか?」


「子供扱いしないで!!!」



小学六年生は十分子供だと思うんだけど。

難しいお年頃なのかしら。

まぁ今日の千彩は小六とかより綺麗なお姉さんみたいな感じだ。

しかも何故かいい匂いがするし。

香水でもふったのかな。



「それでしたい事はない?」


「そう言われてもね~」


「なんでもいいんだぞ?前から好きだったならお兄ちゃんとやりたい事色々あるだろ」


「す、好きって言うな!!恥ずかしいでしょ!!」


「良いじゃないか。それで無いのか?」


「遊園地でじゃないけどしたい事は…ある」


「できる範囲でなら何でも良いぞ」


「な、名前…」


「ん?」


「お、お兄ちゃんのこと名前で呼びたい…」


なにこれ超可愛いんですけど!

今日の千彩本当に可愛いんですけど!!


思ってもいなかった言葉に俺の脳が少しの間停止していた。


「え、えぇっと。。」


「だめ…かな?」


「ダメじゃない!むしろ嬉しい!」


「良かったぁ。じゃあ晴くんって呼んでもいい?」


「ああ、いいよ」


「ありがとう、は、晴くん」


ドキッとした。

紗倉にはいつも言われてたのに千彩に言われるとなんだか恥ずかしくて、嬉しくて、本当のカップルのようでドキドキが止まらない。

楽しい雰囲気の親、カップル感ムンムンの俺たち。

色んな雰囲気が混ざり合っていた。

今日は楽しい一日になりそうだ。



遊園地の入場ゲートを通ると俺たち兄妹は親と別れ今からは二人だけの時間。


すごく緊張する。

親がいないことからくる心配と、千彩と2人きりだというドキドキ。

俺の感情は忙しい。

ドキドキ、ワクワク、ソワソワ。

千彩もそうなのだろうか。

緊張しているんだろうか?

そんなことを考えている時に千彩が



「ねぇ晴くん」


「ん?どした?」


「手、繋いでもいい…かな?」


「あぁ、いいよ」



すごく暖かい。

女の子の手ってこんなにも暖かいのか。


まだまだ小さい手から伝わる緊張。

震えている。

俺はその手をギュッと握りしめ



「よし、じゃあ行こっか!」


「うん!」



楽しんでもらえるように頑張る。

とりあえず緊張を解してあげよう。



「なぁ千彩、何に乗りたいとかあるか?」


「ジェットコースターがいい!」


「えっ。まじ?」


「まじ!」



俺はジェットコースターが苦手なのだ。

ジェットコースターどころか絶叫系が大の苦手なのである。

小さい時に事故があったとかじゃないんだけれど昔から何故か乗れない。

千彩もこのことは知っているはずなんだけど…



「早く行こうよ晴くん!」


「わ、分かったから腕引っ張るな」


「晴くんが遅いからでしょ」


「俺、ジェットコースター苦手なんだけど…」


「知ってるよ?だから行くんじゃん!」


「悪魔かお前!」



ジェットコースターの列へと来てしまった。

一時間待ちか。

一時間もこの恐怖に締め付けられるのか。

もういい、覚悟を決める!



「楽しみだね晴くん」


「あ、あぁそうだな」


「大丈夫、怖くないよ。私がいるから」


「それは心強いな」


「あとね、このジェットコースターそんなに怖くないらしいよ」


「ここの遊園地何箇所かジェットコースターあったよな」


「四つくらいあったかな」


「それでこのジェットコースターは何番目に怖くないんだ?」


「3番目かな?」



ってことは…2番目に怖いじゃねーか!!

何が怖くないだよ!千彩の嘘つき!

覚悟を決めたとか言っていたけれど…


前言撤回させていただくことはできませんか!?


ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ

恐怖で足が棒になるのを超えてふにゃふにゃだよ。

力入んないよ。



「ち、千彩さん、怖くないって言ってたよね」


「言ったけど」


「絶対これ怖いやつだよ!」


「大丈夫大丈夫♪私が守ってあげる♡」


「恐怖でしかねぇ!!」



こんな会話をしているうちに次は俺達の番だ。

恐怖で体がだるい。お腹痛い。頭がフラフラする。足に力が入らない。

死ぬ前というのはこういう感じなのか。

ジェットコースターが動き出す。

大きな音を立て、車輪がガタガタ言っている。

前を向いていたら落ちる瞬間が分かるので上を向いていた。

頂上までくると景色だけは良かった。



「お兄ちゃん」


「な、なんだ」


「落ちるね♪」


「それを言うなぁぁぁぁぁぁ」



一瞬だったのか、それとも長かったのか分からないくらいに記憶が飛んでいた。

気がつくと千彩が手を握っていてくれた。

やっぱり暖かい。

ずっと握っていてくれたのかな。

そう思うだけで千彩に助けられた気がする。

ジェットコースターに乗っただけなんだけど。



「大丈夫?」


「あ、あぁ。大丈夫だよ」


「ちょっと休憩する?」


「悪いが少しだけ休憩させて」



近くにあったベンチに倒れ込む俺。

死ぬかと思ったよマジで。

千彩がジュースを買ってきてくれていた。



「はい、どうぞ」


「ありがとう」



デートが始まって一時間ちょいで妹に面倒を見られている。

俺としたことが、千彩を楽しませようと思ったのに。

ジェットコースターめ許さんぞ!



「落ち着いた?」


「だいぶ落ち着いたよ」


「ねぇねぇ、次はさ~…」



良かった。すごく楽しそうだ。

それから何個か乗り物に乗りお昼の時間になったのでそこらの芝生にレジャーシートを敷きお昼を取ることにした。



「今日はね、晴くんのためにお弁当作ってきたんだ~」


「朝見せてくれなかったのは弁当作ってたのか」


「いひひ、はい召し上がれ」


「こ、これは!」



おにぎり、ハンバーグ、唐揚げ、ポテトサラダなどなど俺の好物だらけではないか。

かなり豪華な弁当だ。



「これ全部千彩が作ったのか?!」


「ううん。半分はママに手伝ってもらった」


「ありがとう千彩」


「ど、どういたしまして。さあ、早く食べよう」


「「いただきまーす」」



楽しい。すごくデートっぽい。

それにお弁当は最高に美味しいかった。

千彩は楽しいだろうか?

楽しんでもらえていたらいいな。


昼食を終え休憩をしていた2人。



「晴くん」


「ん?」


「膝枕…して?」


「いいよ、おいで」



うぉぉぉぉぉ、千彩の頭が俺の膝に!


綺麗な黒色で腰あたりまで伸びている髪。

髪が長い方がお姉さんみたいっていうことで伸ばしているらしい。

風が吹けばシャンプーの匂いが鼻を通る。



「晴くん、すこしこのままでもいいかな?」


「いいけど、疲れたか?」


「ううん、そうじゃない。なんか、落ち着く」


「そうか」



頭を撫でてみる。

サラサラしていて指の間をスルスル通っていく。


俺は小さい頃母さんに頭を撫でてもらえば泣き止んだり、居心地よくて眠ったりしてたっけな。



「あぁ、寝ちゃいそう」


「少し寝るか?」


「もし寝てたら起こしてね」


「ゆっくりしてな」


「ありがとう、お兄ちゃん」



夏前の昼過ぎで暑いのだが日陰になっており風が吹けば心地いい。

葉と葉の間から射す太陽の光が俺たちを照らしてくれる。

ずっとこの時間が続けばいいのに。

ずっとこのまま2人で……

そう考えていた時である。



「晴くん?」


「え?」



聞き覚えのある声。

千彩ではない。となると、晴くんと呼ぶのはあと一人しかいない。



「さ、紗倉?!」



友達と来ていたのか、後ろには女の子がもう1人こちらに注目していた。


幸せな時間は夏の風と共に去っていき、代わりに連れてきたのは冬のような冷たい空気。

さっきまで潤っていた喉が一瞬で乾ききる。



「晴くん、僕君に伝えたいことがあるんだけど」



汗が頬を通っていく。



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