ドキドキ遊園地
俺には妹がいる。名前は千彩。
どんなやつかって?そうだなぁ簡単に言うと
可愛い!!!!!!!!!!!!!!!!!!
すごく可愛い。
皆には妹がいるだろうか。
いない人は妹という生き物をすごく美化してしまう傾向がある。
美化という表現は正しいかは分からないがきっとあっている。
たとえば、朝起こしにくるのが妹で起こし方は体の上に乗ってきて「お兄ちゃん!朝だよ!起きて!」というのを想像しないだろうか?
だが現実の妹は違う。
思春期になれば口は聞いてくれず、口を開いたと思えば罵倒され、近寄れば離れていく。
これが本来の妹。
だが可愛い。
そう、妹という生き物はお兄ちゃんからしたら可愛いのだ!
分かってくれ世界中の妹たちよ。
兄は単純に妹とお出かけしたり、遊んだりしたいのだ。
シスコンなのだ!!!!!!!!!!!!!
妹のことが嫌いな兄は多分いないとおもう。
俺(晴)は妹(千彩)のことが大好きだ。
とてもとてもとてもとてもとても大好きだ。
妹として、1人の女の子として。。。。。
ある日夕食の出来事で俺たち兄妹の関係が変わった。
兄妹以上恋人未満
は?ってなるよね。
何その都合のいい言葉はってなるよね。
実際そうなんだから仕方ない。これ以上当てはまる言葉を思いつかなかった。
俺たち兄妹は両思いだったのだ。
夕食後、俺は千彩の部屋にいた。
今回は正座でなく、千彩のベッドに座っていた。
隣には当然千彩が座っている。
「。。。」
「。。。」
。。。気まずい。。。
気まずすぎるよ。なにこれなんていうプレイ?
沈黙の空気と恥ずかしさで心臓が押しつぶされそうだよ。
千彩、なにか喋ってくれ!じゃないと俺…俺…どうにかなりそうだ。
「ち、千彩さん」
「は、はいっ!」
「な、なんで敬語?」
「お、お兄ちゃんこそ敬語じゃん」
「こ、ここれはか、噛んだだけだ!」
「私も噛んだだけだもん!」
何この会話。
こんなことをしに部屋に来たんじゃない!
俺はしたかったことがある。それは
妹と遊園地に遊びに行きたい
これはずっと前から夢だった。
行けばいいのだが今までは嫌われていたかもしれない相手にこんなこと言えないだろ?
兄妹以上恋人未満というのを今のうちにフルに活用せねば!
と思い千彩に提案しに来たのだ。
「千彩、ちょっと話したいことあるんだけど」
「な、なに話って」
「なにまだおどおどしてるんだよ」
「ち、違う!こ、これは。。。(ふぁぁぁぁお兄ちゃんと並んで座ってるよ。おどおどしてるかな?普通でいなきゃ。普通普通!)」
「落ち着くまで待ってるから落ち着いたら言って」
「だ、大丈夫だから話していいよ。(落ち着いて、大丈夫大丈夫。普通普通!)」
「大丈夫なら話すけど。俺昔からお前と遊園地に遊びに行きたかったんだ。今度の休みの日にでもどうかな?」
「ゆ、ゆうえんに?!(落ち着け私。。。って無理だぁぁぁぁ!お兄ちゃんと遊園地?!普通でいられるわけないよ!)」
「ビックリした?」
「び、びビックリするよ!急になんで行こうと思ったの?」
「昔から行きたかったんだよ。昔と言っても2年前くらいからなんだけどね」
「へ、へぇ~」
「紗倉と3人で遊んだことあっても2人きりで遊んだこと無かったろ?それに遊園地普通に行きたかったし」
「でも私小6だしお兄ちゃんは中2だよ?2人で遊園地なんて行けるの?」
「母さんと父さんと行って向こうで2人きりになればいいよ」
「ママとパパ連れて行ってくれるかな」
「とりあえず聞いてみよっか」
2人でリビングへと向かう。
リビングにはテレビを見ている父さんと洗い物をしている母さん。
お笑い番組でも見ているのかな?すげー笑ってるんだが。
笑い声くそうるせー。
ジャイ〇ンの歌声並にうるせー。
「父さん、母さんちょっとお願いがあるんだけど」
「ん?どうした晴。欲しいものでもあるのか?」
「ううん、そうじゃないよ。」
「じゃあなんだ?」
「今度の休みに遊園地へ連れて行って欲しい」
「いいよ」
「え?いいの?!」
「あぁ、父さんも最近仕事ばっかで思いっきり遊びたいしな」
「それともう一つお願いがあるんだけど」
「どうした?」
「遊園地に行ったら、俺と千彩だけで居させてほしい」
洗い物をしていた母さんが
「急になに~、デートしたいの?若いわね~」
うぜー。
こんな時の母親は息子を茶化すのを生き甲斐にしてるのかと思うくらいウザイ。
やめてよ恥ずかしいな。
「ち、ちげーよ!ただ2人で遊園地を楽しみたいだけだよ」
「それをデートって言うんだぞ♡」
全力で茶化しにきている。
世のお母様、息子のデートの話題で楽しまないでください。
意外とこっちは恥ずかしいんです。
「なーんだ家族4人で楽しむんじゃないのかよ~。じゃあ俺はママとデートでもしようかな」
「もうヤダパパったら~♡」
キモッ。
「よし、分かった。今度の休みに連れて行ってやる。その代わり周りに迷惑だけはかけるなよ」
「分かってるよ」
「あ、あと遊園地のお駄賃はお小遣いから渡すから今月はそれね」
「「ちょっと待って!」」
こうして遊園地に行くことになった。
6月〇日〇曜日。遊園地へ行く日。
空には雲一つない最高の天気。
夏前だからかすこし暑い。
いつも通りに起き、いつも通りにリビングへ向かうと千彩と母さんが台所に立っていた。
いい匂いがする。
「おはよ~晴」
「おはよう母さん」
「お兄ちゃんおはよ」
「あぁ、おはよう」
普通に喋るようになったなあ。
前は違和感あったのに今では当たり前の感じがする。
「千彩、何してるんだ?台所に立つなんて珍しい」
「こっちに来ちゃダメ!お楽しみなの!見ちゃダメ!」
「なになに~見せてよ~」
「もう!お兄ちゃん朝ごはん抜き!」
「それは困る!」
母さんと2人でコソコソと台所で何かしている。
台所だから何かを作っているんだと思うが教えてはくれないしちょうど二人の背中で見えないようになっている。
「おっ、晴やっと起きてきたか」
「おはよう父さん」
「早く顔洗ってこい、1時間くらいしたら出るぞ」
「うん、分かった」
顔を洗い、いつもと違う少しお洒落な格好をし、出かける準備をする。
楽しみで仕方がなくソワソワしていた。
遠足や修学旅行の当日の朝のような感じ。
分かるかなあ?あの早く時間が来ないかなっていうあの感じ。
先に準備ができた父さんと俺は車で二人を待っていた。
「晴、楽しみか?」
「うん、楽しみだよ」
「そうか。女の子ってのはな初めてのデートってのはかなり緊張するんだ。だから晴、千彩を楽しませてやってくれよ。最高の1日にしてやってくれ」
「うん、任せて父さん」
女性陣は準備に時間をかけるらしい。
そんな話をしてから数十分後に車へとやってきた。
「お待たせ、さぁ行こっか」
「きょ、今日の千彩なんだかお洒落だな」
「に、似合ってない?」
「似合ってるよ。可愛い」
「あ、ありがと」
かぁっと顔が赤くなるのがわかる。
今日の千彩は一段と可愛い。
「なにさっそくイチャイチャしてるのよ」
「ち、違うよ!そんなこといいから早く行こうよ!」
「よし、じゃあ行くか」
遊園地へ向けて出発した。