とある咎人の話
その咎人の名はサークと言った
彼は生まれつき「怠け者」という名前の業を持って生まれた咎人だったが、彼は気にせずに一生懸命働いたし、村の人たちも咎人だと理由で彼を差別することもなかった
勿論人間というものは自分達と少し違う点があるだけで差別の対象にできてしまう種族じゃ。多少のいじめなどがあったのは想像に固くない
しかし、サークはそんないじめにもめげずに働いた
唯一サークが残念に思っておったことはサーク自身には戦う力がそこまでなかったことじゃな
まぁ、戦闘用の職である戦士でも魔法使いでもなく「怠け者」の業を生まれつき持っておったのじゃからそこまで強くなれるはずもないと自分でも感じていたのじゃろう
そんなサークのいる村をある日魔物の群が襲った
その魔物の群の数はあまりにも多く、戦闘職持ちだけでは手が足りずサークを含めた戦闘職を持っていない者たちも村の防衛につくことになったのじゃ
そして、その襲撃が無事に終わってしばらくしてサークは自身の力が以前とは比べ物にならないくらいに強くなっていることを感じた
サークは喜んだのじゃ
「これで戦う力のなかった俺でも魔物と戦える」
と
その頃からサーク自身は気づいてはおらんかったようじゃが大罪の力の影響を受けておったのじゃろう
サークの中に「何もできない咎人である自分を受け入れてくれた皆の役に立ちたい」という思いが段々と大きくなっていったのじゃ
そのまま魔物を倒しにいけばサークは今まで戦えなかったのがなんだったのかと言わんばかりに強くなっていった
その強さは戦士の上位職業の一つである剣聖にもけっして劣るものではなかったじゃろう
「これで皆に恩返しができる」
サークはこう考えたが村の者達の反応は少しずつ変わっていった
サークの強さに嫉妬した戦闘職持ちの奴等が
「サークが尋常ではない力を手に入れることができているのは奴が魔に連なるものだからだ」
という噂を流したからじゃ
本当ならばそんな噂一笑に伏されて終わるのがおちなのじゃが今回は戦闘職持ちがほとんど全員結託してそんな噂を流し始めたため村の皆も信じざるを得なかったのじゃろう
そこから皆の目が代わり始めたことに気づいたサークだったが、サークは
「もっと頑張ればきっと皆元の優しい対応に戻ってくれる」
と考え、自身の寝る暇さえも削って働き続けた
しかし、どれだけ成果をあげようとも村の皆の対応は良くはならなかった
むしろより悪くなったと言ってもよいじゃろう
サーク自身も睡眠時間を削っていたり、常時厳しい視線にさらされ続けていたため、精神がガリガリと削られていったのじゃ
そんな中である日戦闘職持ちが集まりこう言い出したのじゃ
「サークは魔に連なるものであり、このまま放置していては危険な存在である!よって我々の手によって処分するべきだ!」
いきなり町の戦闘職持ちに囲まれたサークはそれを聞いて頭が真っ白になった
そして、その後サークが目を覚ますことはなかったのじゃ
しかし記録としてその後サークは当時の国の半分を壊滅させ多くの死傷者を出したという記録が残っておる
それ以来咎人は全て魔に連なるものであるという意見が主流となり咎人は忌み嫌われるようになったのじゃ




