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空と雨と667人目の魔王  作者: R.M
魔王領
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原初の魔王

魔道扉の準備ができたという52番目の魔王のことばにより、魔道扉を通った俺たちが立っていたのは一つの部屋の中だった


「ふむ、ついたようだな」


一緒に来たハクがそう言っているということはここが1番目の魔王領なのだろう


ちなみに52番目の魔王はついてきていない


彼いわく


「用もないのに行くつもりはない」


だそうだ


礼儀とかの面で大丈夫なのか気になったが魔王はそういうことを気にする必要はないらしい


「ふむ、39番目の魔王が共におるということはお主らがワシの客かな?人間の客などかれこれ70年ぶりくらいかのぉ」


声のした方を向くと、これぞTHE・長老といった感じのおじいさんがいた


後70年前に一度人間がここまで来ているって・・・・・・うーん、長いのか短いのかよくわからんな


「久しぶりだな、1番目のじい様よ」


ハクが手を上げて挨拶をする


まぁ、薄々感づいてはいたけど目の前にいるこのTHE・長老が1番目の魔王らしい


「ふむ、久しぶりじゃの。そして、そちらの方たちは初めましてか・・・・1番目の魔王領へようこそ。どのようなご用件かな?」


いきなり、本題へと入ってくれるらしい


「実は聞きたいことがいくつかあってここまで来た。俺の知りたいことはあんたに聞けと38番目の魔王から言われたからな」


「ふむ、ワシに聞きたいこととはなんじゃ?」


「あぁ、実は・・・・」


「667番目の魔王のことか?それともそちらにいる咎人のお嬢さんの急成長についてか?それとも魔王とは何かという根本的なものかの?」


いきなり台詞をぶったぎられる


しかも、言われたことは全て俺が聞きたかったことだ


「それ全部だ」


「ふむ、ワシが知りたい内容を知っておったことに関しては驚かないか・・・・」


「いや、流石に魔王相手に何があっても驚いちゃいけないだろ」


本当は驚いてはいたけど表情には出てなかっただけというのが正しいのだが


「ふむ、それでは話させておらおうかのぅ。まずはワシについて話をさせてもらおうかのぅ・・・興味などそこまで無いかもしれんが一応どの話にも繋がるところはあるからのぅ」


そういって1番目の魔王は語りだした


今までの全ての常識を覆すような話を


「まず、ワシじゃがワシは原初の魔王と呼ばれておる。その名の通り一番始めに魔王になったものじゃな」


「ん?魔王になった・・・・・?その言い方じゃあまるで・・」


「お主も理解しているのではないか?そう、我ら魔王は元から魔王だったわけではない」


そう、居るではないか、元は人間だったのに今は魔王の存在が今ここに


「ワシを含めた全ての魔王は・・・・元は人間じゃった」


「「!?」」


その言葉に雪と晴は驚いているが俺はやはりという思いが大きかった


「なんとなく予想だけはしておったようじゃな・・・・・ワシら魔王はワシと現52番目の魔王のせいで生まれたのじゃ」


1番目の魔王と52番目の魔王のせいで生まれた?


「大罪の力・・・・昔とある人間達が持っておった強力な力をワシらは簡単に人間に付与できないかと考えた。ワシもその大罪の力の持ち主の一人で『強欲』の力を持っておる」


「大罪の力?強欲?」


聞いただけではどんな力かがわからない


「大罪の力は現在7種類『憤怒』『色欲』『強欲』『暴食』『怠惰』『嫉妬』『傲慢』が確認されておる。全ての能力の全容はワシにもわからぬが強欲の力はあらゆることを知ることができる全知の力じゃな。しかし、その代償としてワシの知識欲以外の欲望が抑制されてしまっておる」


「それってそんなに強い力なのか?少なくとも実験とかしてまで増やそうとするような能力だとは思えないんだが・・・・・」


全てを知ることができるってのは確かに凄いと思うけどそこまですごい能力なのかと聞かれると少し首を傾げるところがある


「お主は偶然という言葉の意味を知っておるか?」


「あぁ、知ってるけど?」


なぜそんなことを聞くのだろうか?


「ならその偶然を任意で引き起こすことができるとしたら?」


「まさか!?」


それを聞いた瞬間強欲の力という能力の恐ろしさの一面を垣間見てしまった


「そう、この強欲の力さえあれば奇跡とまでは行かなくとも起こりうる可能性が僅か0.1%でもあればその現象を起こすことができるのじゃ」


「そんなの勝てるわけがねぇ」


「じゃろ?そんな力を持ってしまったワシは自分のすんでいる村の住人のなかでこの強欲の力を受け入れることのできる人間を探した・・・・結果は現在の52番目の魔王を含む、ごく少数の超絶レアな職業持ちのみじゃった。元からテイマーの多い村じゃったしそこまで強い力を受け入れることのできるものは少なかったのじゃ」


「ならどうして今魔王はこんなにも多いんだ?しかも人間があんたの実験で魔王になったってんなら俺が魔王になっている理由がわからない」


ちなみにこの時点で俺とハクを除いたメンバーは絶句してろくに口も聞けなくなっている


ハク?ハクは基本的に口を出さないスタンスのようだ


「それも順番に説明するとしよう確かに人間には強欲の力を受け入れることはできなかったが受け入れることができる存在がいたのじゃ」


人間でなく大罪の力を受け入れることのできる存在・・・・・?


そう言えば俺の時も最初から俺が魔王だった訳じゃない・・・・・最初に魔王だったのは・・・・


「心獣か・・・・」


魔王領では基本的に俺の中にずっといるから分かりにくいが一応雨もまだ俺とは別の存在として生きている


そして、どうやら俺の考えは正しかったようだ


「うむ、お主の言う通りテイマーの心獣は大罪の力を受け入れることができた。じゃからワシ達は大罪の力を心獣に与えたのじゃ。すると心獣達に変化が訪れた。なんと宿主と一体化してより強大な力を扱うことができるようになったのじゃ。そして、ワシが与えた力は強欲の力のはずなのにそれ以外の力を得るものが現れ始めた。それが先ほど言っておった他の大罪の力じゃな。その他にも大罪の力はどうやら宿主を長生きさせるようでワシはもう自分が何歳じゃったかも覚えておらん」


なるほど、どうやら大罪の力は強欲の力からの派生と考えてもいいようだ


「しかし、ワシの目論見は全てがうまく言ったとはとてもじゃないが言えなかった。まず、心獣と一体化したものが元に戻れなくなってしまったのじゃ。一体化を解くことができなくなったのじゃな。二つ目に大罪の力は心獣の強さによってどの程度受け入れられるのかが変わったようできちんとした大罪の力を扱えたのはワシを含めて7人だけじゃった。その7人もワシ以外はもう死んでおるしの」


「どういうことだ?」


話が理解できなくなってきた


そんなに強大な力を持つ奴がそう簡単に死ぬとは思えないんだが


「大罪の力の暴走じゃ」


1番目の魔王はそう呟いた


とても辛そうに

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