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空と雨と667人目の魔王  作者: R.M
魔王領
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52番目突入前夜

手合わせが終わり、次の52番目の魔王領へと出発したのはいいんだけど・・・・・


「本当にこっちの道を通って問題ないのか?」


俺たちが歩いているのは今にも崩落しそうな地下の道だった


これを見た晴は


「なんだか・・・・崩れそうというよりも何かご出そうって感じだね。勘だけど」


と言っていた


ということは何かしらいるのだろう


昔から晴は幽霊(そういうもの)を感じる能力だけはなぜかかなり高めだったからな


そして、それを肯定するかのように


「よくわかったの。ここにはまだいないが52番目の魔王領に入ると目には見えないがどこもかしこもなんらかが浮かんでるらしいからのぅ」


ちなみのハクは見たことがないそうだ


まぁ、目に見えないのだから当然と言えば当然なのだが


それはともかく


「なんでそんなもんがうようよいるんだ?」


まだ魔物と言うのならわからないでもないが目に映らない魔物というものは聞いたことがない


「52番目の魔王は特別でのう。本来なら魔王になどなるはずもなかったのじゃが・・・・まぁ、それも追々話されることじゃろ」


ん?今ハクは何と言った?


『魔王になるはずもなかった』


そう言っていた


「それはど・・・・・」


言いかけて意味のないことに気づいた


ハクはあったときから『これは自分が話すべきではない』とか『1番目のじいさんに聞け』と言い続けていたから今俺が聞いたところで結局答えてはくれないだろう


「どうしたのじゃ?」


ハクが振り返る


「いや、さっき言いかけていたどうして地下の道を通らなければならないのかという説明をしてほしくてな」


「おぉ、そうじゃったの。まぁ、簡単に言えばじゃ・・・・『地上を歩いてくるものは敵とみなせ』これが魔王のルールの一つじゃからじゃのう」


「なるほど」


『地上を歩いている奴は敵』なるほど、聞いてみるとかなり合理的なことに気づく


魔王領に侵入したことのある奴も何人かいるだろうが魔王領に地下道があることに気づいた奴は今まで一人もいなかったのだろう


なにせそんな話があれば田舎に住んでいた俺や晴、奴隷として生活していた雪はともかくとして領主であるローズ様や竜属の里の長老などが知らないわけがないし、ローズ様はともかくとして竜属の里の長老には俺が魔王領に行くことを伝えてあるのだ。そんな道があるのなら教えてくれるだろう


しかし、実際には俺はそんな話一つも聞かなかったし、実際にハクに見せてもらうまで、存在自体をしらなかった


だからこそ俺たちは地上を歩いていたわけだがそれで敵と察知されてハクに見つかった


これは予想だが地上を歩いているものを察知する何らかの方法もあるのだろう


それにもし地下道の存在を知っている者がいたとしてもこんな見た目崩落しそうな地下道をわざわざ好き好んで進むやつも普通ならいない


だからこその『地上を歩いている奴は敵とみなせ』ということなのだろう


繰り返しになるがかなり合理的である


「とりあえず今日は52番目の魔王領の手前で休むことにしようかのぅ。一応最短ルートを通っておるとはいえ、流石に真夜中に他の魔王領に入るのはまずいものがあるからのぅ」


「それもルールか?」


俺の問いにハクは苦笑いすると


「これは一般常識の類いだのぅ。どこの世界に他人の家に行く時わざわざ真夜中に行くものがおるかのぅ?」


そう言われて納得してしまった


そんな風に話し込んでいる俺たちを無言で見ていた雪に俺は最後まで気づかなかった




魔王領の境界には十分に寝ることができるレベルの広場があった


勿論俺は一人で寝ることにし(ゆきが珍しく俺と一緒に寝ると主張し一悶着あったが)、女子・・・・女性陣は俺から離れてテントで寝ている


勿論テントは異空間作成能力の異空間に入れておいたものだ


ちなみにテントは一つ、布団は三セットしか無かったため、二つを女性陣で一つを俺が使っている


「ん?」


布団の近くに人の気配を感じて目を開ける


すると目の前にはしましまが・・・・・


「って・・・・!?」


慌てて視線をそらすと俺に手を伸ばして起こそうとしていたらしい雪と目が合う

 

「見た・・・?」


「・・・・・・・・・」


この場合なにを言えば正解なのかわからずに黙りこんでいると見たことに気づかれたようだ


「ごめん」


とりあえず謝っておく


「いや、いい・・・」


なんだか気まずくなってしまった


「そっ、そう言えばどうしたんだ?こんな時間に」


そういえば今日は俺と一緒に寝たいとか少し変だったことを思い出した


「最近空・・・・かわった?」


その言葉に俺は息が詰まってしまった


俺には変わった自覚が無かったが雪からは変わってしまったふうに思えたのだろう


「そんなに俺変わってるのか・・・・・・・?」


俺の問いに雪は


「本当に少しだけ・・・・・でもさっきの反応とか、優しいところとか変わってない・・・・それに変わったとしても・・・・・(私が空のことを大好きなのは変わらないし)」


「ん?最後なんて?」


最後はよく聞こえなかった


「なんでもない・・・・・おやすみ」


少しこっちに微笑みかけるとテントへと戻っていった

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