出発
「はぁ、38番目を倒したのだからそれなりに強いのだろうということは理解しておったつもりじゃが・・・なるほど・・・・お主の強さの秘密はその魔剣によるものか」
手合わせを終えた後のハクがため息とともに呟く
俺としては遠距離からあんなにバンバン魔法をぶっぱなされてはたまったものでは無いのだが・・・・まぁ、客観的に見ても俺の魔剣はおかしいと思うしそれは言わないことにする
「それで・・・・・次はどこへ向かえばいいんだ?」
「一応いくつか道があるがどうするかのぅ?」
「そんなのは適当でいい」
ハクの問いに答えるとなぜかため息で返される
「なんだ?」
「お主先程の言葉と行動が合致しとらんぞ?入ったばかりの我を信用できんと言って手の内を明かさんと言うたのに道は我が決めても構わんとは・・・我でも仲間になったばかりの者は疑うがのぉ」
「俺たちが道を知っているなら疑えるが道も知らないんだから疑うこともできないからな」
「ふむ、わかるようなわからんような・・・・じゃな。それにしてもお主らはそれでいいのかのぅ?」
俺の後ろで黙っている雪と晴に言っているようだ
そう言えば二人とも俺に対して意見とか言ってきたことが無いような気がするな
「私は何があっても空についていくし、空を騙すなら魔王といえども容赦はしないだけだから」
うぉう!相変わらず雪は仲間以外と話すとき遠慮が全く無いな
「私はよくわからないからそう言うのは空に任せることにしてるの」
なるほど、晴の方は考えるのを放棄した結果なのか
もっとも、二人の回答を聞いたハクは呆れ顔をしているが・・・・・・・
「まぁ、我に騙すつもりなど無いから良いのだが・・・・・こういうのを信じてはならぬのは人でも変わらぬだろう?逆に言えば魔王の方が信じられるかもしれぬな・・・・・我らはそのような姑息な方法を使うまでもなく人間を蹂躙できる力を持つがゆえに」
なるほど、なら魔王はあんまり搦め手を使ってこないということか
それがわかっただけでも収穫だな
「とりあえず、次に行くのは52番目の魔王の領土じゃ。まぁ、あの人は基本的に大人しいし話もわかる。礼儀さえきちんとしていればほとんど素通りできるじゃろう」
「よく、そんなに魔王のことを知っているな」
普通は魔王同士でそこまで情報共有しているものなのだろうか?
最初の魔王領の話だけならともかくとしてまるで知り合いかのような話し方だ
「まるで知り合いのように話すんだな」
ハクがピクッと肩を震わせる
「あぁ、我はしょっちゅう自領を開けて他の魔王領へとお邪魔しておるからのぅ・・・・他にも理由はあるがそれは1番目のじいさんが話してくれるじゃろう」
「つまり、お前からは話すつもりは無いと?」
「うむ、これは1番目のじいさんが話すべきことじゃ。我の口から語ることはできん」
「そうか・・」
しかたない、それなら1番目のじいさんとやらから聞けばいいはなしだ
そう思い俺たちは52番目の魔王領へと出発した




