語らい
39番目の魔王の住みか
「さぁ、遠慮するこたぁない。上がってくれ」
案内された場所には人族の家と言われても違和感のない家
むしろその辺の裕福な商人の家なんかよりも立派な家があった
驚いたのは最早屋敷と言っても過言ではないようなサイズの家が普通に荒野の真っ只中に建っているのに俺を含めて誰一人としてその家の近くに来るまで存在を把握できていなかったことだ
もちろん、俺の探索の能力にも引っ掛かることは無かった
とりあえず、39番目の魔王ことハクが上がってくれと言っているので普通にお邪魔させてもらう
「そこら辺の椅子に座りなよ。そろそろ飯の時間なんだ」
飯と聞いて少し嫌な想像をしてしまったが出てきたのは予想に反して普通に人間でも食べれるものだった
そして、当たり前のように俺たちの分も用意されているがこれは食べてもいいのだろうか?
「なにしてんのさ?料理が冷めるよ」
どうやら食べても問題ないらしい
俺たちは一言ずつ礼を告げてから食べ始めた
その間に38番目の魔王の最期について話す
「なるほどね・・・・・やはり兄貴は我慢できなかったのか・・・・そういや、あんたのことについて聞いてなかったね・・・あんたのことについても教えてくれよ・・・・おっと、別にこの坊やのことを狙ってるとかそういうことじゃないから心配する必要はないよ!」
最後の言葉はいきなりジト目を向けた雪と晴に対してだったのだか俺はそれに気がつくことはなかった
「俺のことなんてなんで知りたいんだ?」
「そりゃあだって・・・・・今まで魔王と呼ばれた存在は私たち666人だけだったんだ。そこに667人目なんて出てきたら知りたくなるのも無理がないことだろ?」
理屈には納得できたが何となく他に理由があるような気がする
しかし、そんなこと問い詰めても仕方がないのでとりあえず当たり障りのないことから話始める
自分は元はただのテイマーだったが生まれてきた心獣に667番目の魔王という備考があり、そこから色々とあったこと、故郷が襲われるということに対する恐怖と怒りに我を失い、いつのまにか雨と一つになっていたこと、そこから、38番目の魔王と戦い、勝った後、1番目の魔王に会いに行けと言われたことを話した
「なるほどね・・・」
ハクは何かに納得したかのように頷く
そしてポツリと
「いつも魔王が目覚めるのは怒りと恐怖が原因なんだな・・・・」
と呟いたが俺たちには何を言っているのかは聞こえなかった
俺は一瞬ハクの顔に何か暗いものが見えたような気がしたが再び見たときにはそれも消えており、こちらを見ているハクの顔も元に戻っていた
「よし、それなら我がそなたらを1のじじいのところまで案内してやろう」
と手を叩いた
俺たちは互いに見合わせた後
「「「うぇえええええええ!!?」」」
と叫んだ
「なぁに、元より我は旅を好んでおって自らの領土に居ることも少ないのじゃ・・・少し前までは52番目のじじいに世話になっておったしのぉ・・・・流石に魔王について我から話すのも少し問題があるからのぉ。それに、お主は魔王としてなっとらんから我が道中魔王としての礼儀をきっちりと教え込んでやるわい」
こうして、黒い狼人の巨乳っ娘 ハクが仲間として一緒に行くことになった




