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空と雨と667人目の魔王  作者: R.M
旅立ち
30/45

勇者

「見事だ・・・・空よ」


俺の魔力がこもった剣がカイを切り裂く


そのせいでカイは上半身と下半身が別れてしまっており、それでもまだ生きていることが不思議なくらいだった


「私から全てを話してやりたいところだが・・・この様だ・・・私も長くは持たぬ・・・・だから1つだけ・・・・原初の魔王・・・・1の魔王に会いに行け・・・彼は魔王を導くもの・・・・きっときっと彼ならばお主の知りたいことを全て・・・・教えてくれるだろう・・・」


「わかった・・・」


俺はカイの言葉に頷く


その間にもカイの体は灰のように崩れている


そう、魔物は死んでも死体が残るが魔王は死んでも死体が残らないのだ


しかし、魔王が死ねば集魔の石板と呼ばれる、1~666までの数字がかかれた石板から死んだ魔王の数字が消えるので、それによって魔王が倒されたことを人間は知るのだった


カイの体が崩れ去った後、その場所には光の玉だけが残った


(あれは・・・・・)


その光は雨がいつも吸収を行うときに見る物だった


なので俺はその光に向かって手をかざす


すると、その光は俺の中に入ってきた


それと同時に雨が俺の体から出てくる


『ご主人様!雨!新しい姿になれるようになった!!』


「新しい姿?」


『うん!見ててね!』


そういうと雨は空中で回転し、着地した時には白銀の狼になっていた


『どう?ご主人様?かっこいい?』


なんだかテンションが上がっている雨に苦笑しながら撫でる


『んみゅ~』


銀色の体毛は予想よりも柔らかく、撫で心地が最高だった


「お疲れ・・・・」


「空!大丈夫?」


雪と晴が寄ってくる


「とにかく疲れたよ・・・・戻ろうか・・・・・・」


「「うん!」」


こうして俺たちの初めての魔王との戦いは幕を閉じた

 

今回は犠牲も特になく、国には俺が魔王を倒したとは言えないためドラウスさんたちが連携して倒したということにした


しかし、流石にローズ様には隠しておくつもりはないためローズ様に対して念話をかけて、報告しておく


その時ローズ様からまた気になる話を聞かせてもらった


なんでもローズ様によると


『最近国が勇者を召喚したらしい。その勇者は聖気と聖剣を使うことができ、今は着々と力をつけていってるそうだ。いずれ魔王を倒す旅に出ると聞いている』


勇者・・・・・か


魔力とはまた違った力である異世界から来たものにしか扱うことのできない聖気・・・・その聖気は魔物や魔王に対してはかなりの威力をほこり、聖気を凝縮させて作られた聖剣はどんな魔剣よりも強いと言われている


ちなみに魔剣は元は魔王の一人が使っていた剣を解析して、人間でも作れるようにしたものだが、聖剣はいくら解析を頑張っても人間には再現不可能だった


『ちなみに、その勇者だが無類の女好きらしい』


うん、その情報はあんまり要らなかったかな?


一応晴と雪に注意しておくように言っておくかな


『それと気を付けないといけないのは空君もだよ。君も今は魔王なんだから彼の聖気や聖剣による攻撃には弱くなっているんだから』


ローズ様の気遣いを感じて感謝する


俺はそう考えながら再び薬学を学ぼうとリーフさんの所へと向かった


そこから2ヶ月後


俺はリーフさんの課した卒業試験を見事クリアした


そしてその頃竜属の里に一通の手紙が届いた


その内容は魔王の討伐への褒美を出すという内容と前38番目の魔王領を人間領とするために旧38番目の魔王領の中にいる魔物を追い払えというものだった


これにはドラウスさんを始めとした竜属の皆が怒り、手紙を無視することにした


手紙を持ってきた者には『断る』という旨を長々と書き記した文書を持たせて帰らせた


その内容はこうである


『我ら竜属は汝らの僕でも奴隷でもなければ汝らの家族でもなく忠誠を誓った臣下でも無い、38番目の魔王は我らが領土を荒そうとしたために討伐した。そのため、我らは褒美などに興味もなく。汝ら人族が38番目の魔王領をどう扱おうとそれは汝らの勝手ではあるが我らを使おうとか我らを害そうなどと考えるのであれば我らの力は汝らに向くであろう』

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