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空と雨と667人目の魔王  作者: R.M
旅立ち
29/45

魔王VS魔王

竜山のふもと、魔王領側


俺は雪、晴、ドラウスさんと竜属の精鋭50と共に敵の到着を待っていた


ちなみに雨とはもう融合し、魔王の姿になっているし、身体能力強化の太陽、索敵能力の探索、魔剣の効果範囲を広げる斬撃に魔力を流し、手には空間を纏い、全てを喰らい尽くす時空を握り魔力を最大限まで込めていつでも使用可能にしている


ちなみに時空は込める魔力によって纏うことのできる空間の大きさが変わる


今回は斬撃の能力を使い、斬撃の形で飛ばすので横幅400メートル辺りの大きさにした


敵を察知すると同時にこれを飛ばすのだ


敵を視察してきた斥候の情報では、敵数は獣系統の魔物が約3000に死霊系統の魔物が約2000の合計約5000に38番目の魔王だ


本来ならば死霊系統には聖属性の攻撃以外は効果が無く、倒すにはかなりのレベルを持つ付与術師(エンチャンター)もしくは魔術師の派生進化の神聖魔術師(アークプリースト)、剣士の派生進化の聖騎士がいなければ倒せない敵なのだが、時空での一撃は相手の全てを飲み込むので例外的に倒せるのだ


ちなみに晴はまだ付与術師(エンチャンター)としてのレベルが高くないので聖属性の付与はできない


「っ!?来た!!」


俺の探索が放つ魔力レーダーに敵の先鋒がひっかかった


俺はしばらく敵を引き付けてから時空を振り抜く


キィイイイイイイイイン


金属を擦り合わせたような音を立てて何かが飛んでいく


それと同時に俺は走りだし、敵の本陣へと向かう


・・・間違えても時空の産み出した斬撃は追い抜かないように気を付けながら


俺の斬撃により敵の4分の3程が飲み込まれたが、そこで空間の出現可能時間が終了し、俺は嵐に持ち変えた


魔力を込めて嵐を振るうと漆黒の暴風が魔物を飲み込む


それと同時に魔物の奥から何かがこちらに襲いかかってくる


いきなり襲来したそれの爪を俺は嵐で受ける


「貴様!魔王の癖になぜ人間の味方をする!」

 

襲ってきたのは魔王だった。そう、38番目の魔王である


38番目の魔王


彼は死を連想させる漆黒の体毛を持つ狼男で力とスピードが自慢だ。また、死霊系統と獣系統の魔物を従え、その力は月の満ち欠けによって上下するらしい


人間が38番目の魔王について知っていることはその程度のことでしかない


まぁ、魔王によっては出会った人間が皆無・・・または全員死んでしまっている・・・なため情報が全くない


それに比べればほんの少しでも情報があるというのは凄いことだと認識するべきであろう


・・・・それが例え魔王出現から今までの時間全てをかけて集められたものでも


(早い・・・・そして重いな・・・・)


速度でも力でも戦闘経験でもほんの少しだが38番目の魔王の方が上


俺はそう感じていた


それでも攻撃を凌ぎ、逆に反撃まで入れることが出来ているのは魔剣である嵐の能力と背中の羽による先読みのしづらい動きのお陰だろう


また、雨が吸収した技能である障壁や、癒しの力を持つ魔剣雨雲により、こちらの傷は無いのに対して相手はこちらの嵐と打ち合う度に炎や雷により焼かれたり、風に切り裂かれたりしているため、少しずつ動きが鈍っていた


本来ならばかなりの実力者でなければ戦えない相手であるはずの魔王と戦いを初めてから一年程度の男が曲がりなりにも戦えているのは・・・いや、圧倒できている理由はいくつかあるがその主たるものとしては魔王としての身体能力と戦闘経験のなさを補ってあまりある魔剣の能力が上げられるだろう


そして、このままでは自分は負けてしまうと悟った38番目の魔王は再び叫ぶ


「なぜ魔王である貴様が人間どもの味方をしている!」


「なら逆に問うが・・・・なぜ貴様らは人間達を攻撃する?」


魔剣の能力で風をおこし、両者の距離を開けてから問う


周りを見れば魔物はほとんど狩り尽くされており(死霊系統は全て時空で始末したため)ほとんどの物が俺と魔王の一騎討ちを見ていた


これは俺がドラウスさんに頼んだことでよほどの窮地に陥らない限り魔王とは一対一で戦わせてくれと言っておいたのだ


「なぜ人間を襲うのか・・・・それは復讐だ!姿形変わろうとも消えぬ復讐心が我らを駆り立てるからだ!」


「そうか・・・・俺は守りたいものがあるから戦っている」


そう言うと38番目の魔王は


「そうか・・・・我は38番目の魔王にしてカイとなづけられしもの・・・・汝・・名はなんという?」


なんでか知らないが名乗らなければいけないような気がする


「俺は・・・・667番目の魔王。名は空だ」


「空・・・・か・・・・良い名だ・・・・・一つ予言してやろう。お主が以下に人を助けようとも人はいずれお主から大切なものを奪っていくだろう・・・そう、一つ残らずだ・・」


俺は38番目の魔王改めカイの方を見て眉を潜める


「どういうことだ?」


「そこから先は私を倒すことが出来れば話してやろう」


そういうが早いかカイが突っ込んでくる


今までとは違う動き・・・


真っ黒な体に赤い筋が浮かび上がっているのが見える


「ぐっ!?」


さっきまでとは段違いの動きに障壁を張るのが間に合わず一発大きいのをもらってしまった


雨雲の能力で傷自体は癒せるが体に受けた痛みまでは取れはしない


俺は探索の感知能力を使い動きを全て察知することでなんとか防いでいる状態だった


力も早さも先程よりも段違いのカイだが俺はなぜ最初からこの力を使わなかったのか考えていた


トドメ・・・又は逆転のためにしか使えない・・・・そんな理由だとしたら・・・・


「制限時間・・・もしくは受けたダメージをエネルギーとして使う技ってところかな?」


どちらにせよある程度の時間さばいていればなんとかなる気がした


しかし、同時に「それではいけない」という予感もした


なので俺は再び暴風を発生させカイを吹き飛ばすとカイと向かい合い嵐を構えた


纏わせるのは属性変換させない純粋な自身の魔力


それを最大限まで込める


それを見たカイも俺が何をしたいのか察したようだ


ニヤリと笑うと爪に力を蓄えていく


そして、どちらともなくかける


そして、その中心で俺は嵐を、カイは力を蓄えた爪をぶつける


「ぉおおおおおおお!!!」


「がぁああああああ!!」


ぶつけ合った力は拮抗し・・・・そして、ガラスが割れるような音と共にカイの爪が砕けた


そして、威力は殺されたがそれでも十分致命的な威力を持ったその一撃がカイに撃ち込まれた

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