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空と雨と667人目の魔王  作者: R.M
旅立ち
26/45

消えた称号

「おい!聞いたか?」


「あぁ・・・・・惜しい子達を無くしたもんだ・・・」


ローズ様が右翼の街に帰ってきてから3日


右翼の街は悲しげな声が溢れていた


「俺は門から帰ってきたときただいまって行ってくれるあの子達のこと嫌いじゃなかったんだがなぁ・・・・」


「私もだよ・・・・たまに採ってきた獲物を少し分けてくれたりもしたんだ・・・・・あたしゃああの子達のことを自分の子どもと同じように大切に思っていたさ」


「それにしても災難だったねぇ・・・・空くんも雪ちゃんも・・・」


「あぁ、故郷を盗賊に襲われて救援に行ったのに盗賊達に殺されちまうなんて・・・・・」


「あぁ・・・・盗賊達は知らせを受けたローズ様達が残らず討伐したらしいが・・・・」


『空たちの故郷を盗賊が襲い。それを一早く知った空たちはローズ様に救援を求めると同時に故郷へと向かい、故郷を救いにいった。しかし、勇戦虚しくローズ様達がたどり着いたときには村は全滅しており、空たちも死んでしまっていた』


これが俺こと死んだことになっている空がローズ様に流すように頼んだ噂だ


つまり、俺を死んだことにして、ある程度自由にしてほしいということだ


ちなみに俺が今なぜ右翼の街まで来ているのかというと、流石に死んだということにしている身分証をそのまま使うことはできないので仮の身分証をローズ様に用意してもらい、それを今取りに来ているのだ


ちなみに雪は咎人だが普通に仮の身分証をだせば街や村に入るには問題ないらしい


村に入る時に咎人かどうかを調べられるのは身分証を提示できない場合のみらしい


というよりも基本的に咎人に身分証が発行されることなどないので身分証が咎人では無いという証明になるのだ


ちなみに犯罪歴は普通に調べられるので犯罪などはアウトだ


男達を殺した俺はどうなるのかというと、人殺しやそれに類する人物、また、その仲間を殺しても殺人とはならないらしいので、俺はまだ犯罪者にはなっていない


・・・・よく理解はできないのだが


そのままローズ様に仮の身分証を貰い、竜属の里へ帰る


勿論人に見つからないところでドラウスさんにさの背中にのせて貰い戻るのだ


一応竜属の里の皆は俺が魔王だということは知っている


それなのに俺を受け入れてくれただけでなく、事情を話したら晴をも受け入れてくれたのだ


本当に竜属の里の皆には感謝しかない


それにしても故郷の村から竜属の里に帰った日のことは三日たった今でも忘れられない





里に入った瞬間皆からもみくちゃにされ


「大丈夫だったか!?」


とか


「無事でよかった」


と声をかけられた


俺や雪がもみくちゃにされるのは


「皆、落ち着くのじゃ・・・・それで、何があったのかな?」


という長老の言葉が聞こえるまで続いた


俺は自分の故郷が襲われることをローズ様から念話で聞いたこと


原因はわからないが、魔王である雨と融合して魔王の力を使えるようになり、故郷に向かったこと


たどり着いたときには晴以外助からない状態で、晴自身も襲われそうになっていたこと


故郷の村を襲っていた連中を全て殺したこと


ローズ様と話したことと俺が「死んだこと」になったこと


そこまで話して話終えると皆が俺を糾弾するのではないかと身構えたが出てきたのは晴に対する同情や励ましの言葉だけだった


「どうして!?」


思わず大きな声が出た


「何がだ?」


俺の質問に質問で返したのはリーフさんだった


「俺は魔王の力を使えるんだよ?」


「それで?」


「なんで皆何も言わないんだよ!?」


自分でもなんで叫んでるのかわからなかった


別に糾弾してほしいというわけでも無いのに叫んでしまった  


「だってそりやぁ・・・・・空だからだろ?」


いや、理解できませんって・・・・


「他の誰かが魔王になったんならそれなりに問題だが空だぜ?俺らに危害を加えるような心配はねぇよ。それに・・・・」


「それに・・・・・?」


「お前が魔王化したところで俺一人でも簡単に止めれんだよ!それの何を怖がれってんだ?」


そのリーフさんの言葉に周りの皆は


「ちげぇねぇ」とか「その通りだな」と頷いたりしていた


おそらくリーフさんの言葉は強がり以外の何者でも無いだろうがそれでも俺はかなり嬉しかったのだ




「そういえば・・・・・」


雨と融合できるようになってからまだ一度も雨のステータスを確認していなかったことを思い出した


ちょうどいいし確認しておく


「なっ、なんでだ!?」


雨のステータスには667人目の魔王という言葉が刻まれていたはずなのに今の雨のステータスの備考欄には何も書かれていないのだった

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