晴時々涙
今回は晴視点です
※晴視点
不思議だった
夢だと思った
両親も村の皆も死んでしまって私だけ生き残ってるなんて・・・・・
そうだよ、それに空に翼が生えてるなんてあり得ないんだだからあれは夢に違いない
だから目が覚めたらお母さんやお父さん、村の皆だって声をかけてくれるし
寂しいけど空も村にはいない
そう、夢だと思っていたんだ・・・・・
目を覚ますと空が隣に座っていて真剣な目でおばさん・・・というよりもおばあさんに近い年齢の人に
「俺を殺してください」
と言っていた
最初は夢だと思っていたけど私の手が触れたのは間違いなく空の体で・・・・・
さっきまで夢だと思っていた物が夢では無いのだと・・・・間違いなく現実で起こったことなのだと告げていた
その後色々と叫んだような気がするが何を叫んだのか私は覚えていない
その後、私は空たちから隠れて泣いた
空たちは気づいていなかったのかそんな私をほっておいてくれた
そして、次の日になって少し落ち着いた頃空から話があると言ってきた
いつも私が魔法の練習をしている広場・・・・そして、私が空に助けてもらった場所で空は私を待っていた
「悪いな・・・・いきなり呼び出したりして・・・・」
「ううん、どうしたの?空」
「あぁ、実はな・・・・・」
そう言って空は話だした
雨が生まれてから今日までにあったことを
雨が生まれてすぐに雨の備考欄に667人目の魔王という言葉があったこと
村長に話したら
「自分では判断できないから領主様の元へ行け」
と言われたこと
道中で会った雪のこと
右翼の街であった領主様(昨日私が叫んでいた相手らしい)に、魔王を倒す旅に出ることを提案されたこと
それはむしろ自分を守るための提案だったこと
村に帰る途中で雪が奴隷商人の奴隷だったことが判明し、空がローズ様に渡されたお金で雪を買ったこと
村に戻ってきて私と会い、再び旅だったこと
半年ほど右翼の街を拠点として狩りをしていたこと
少し前にドラウスさんと会い、その縁があって竜属の里に住めるようになったこと
竜属の里で過ごし始めて少ししてローズ様から村が襲われそうになっていることを知らされたこと
その時に雨と一体化して、魔王としての力を使うことが出きるようになったこと
そして・・・・・
「俺はこんなに人を殺しておいて・・・・全く罪悪感を感じていないことに気づいたんだ・・・・それだけじゃなくて村の人が死んだはずなのに・・・・悲しいはずなのに・・・・涙の一つも出てこないことに気づいて・・・・・それがすごく怖かったんだ・・・・」
それを聞いた私は思わず空を抱き締めていた
「晴・・・・・?」
「空が魔王だろうとなんだろうと私にはかんけいない!私にとって空は空だし空が私を助けてくれたことには変わらない!」
「一体何を・・・・?」
それこそ私自身も自分で何を言っているのかわからなかったが叫び続けていた
「空は私を守ってくれた!だから今度は私が空を守る!もし、空が本当の魔王になっちゃって人間の心を忘れてしまっても私が絶対に思い出させるから・・・・!だから・・・・」
そう言って空を抱き締める力を強くする
「あれ・・・・・・?」
空がおかしな声を上げる
空の体が小刻みに震えている
私は何が起こったのか察して空の背中を軽く叩いてやった
「うっ・・・・グスッ・・・・」
「何だ・・・まだ泣けるじゃない・・・・」
私がそう呟くと空の嗚咽が更に大きくなる
「我慢なんてしなくていいんだよ」
私がそう呟くと空は私の体にすがりつき大声で泣き始めた
その泣き声はいつの間にか茜色に染まっていた空が黒く塗りつぶされるまで続いた
今回で第3章終了です
次回は第2.3章の登場人物詳解かな?




