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空と雨と667人目の魔王  作者: R.M
竜と一角獣(ユニコーン)
16/45

道中

早速俺たちはドラウスさんを連れて一角獣ユニコーンがいた場所へと向かった


その区域は相変わらず薄暗く、襲撃がかなりの数あると思われていたのだが


「あれ?」


「くぅん?」


雪と雨が同時に首をかしげた


「どうしたの?」


「前と違って全然魔物の気配が感じないの・・・まるでもうこの辺りに魔物がいないかのように・・・・・・」


雪が戸惑うように言う


「それでも一応警戒だけはしておこう・・・・この前だって気配がなかったはずなのに襲われたんだから・・・・」


前回はそのせいで何回か撤退するはめになってしまったのだ


今回も隙を見せた瞬間に襲われると考えて問題無いだろう


「その心配はありませんよ」


後ろからドラウスさんが声をかける


「私は『魔力探知』の能力によって敵の魔力を感知することもできます・・・・なので魔力を隠すことが出来るか魔力を持っていない敵で無い限りは探知することができますので」


「そうなんですか!?期待してます」


思いがけない幸運に喜ぶ


そして、その言葉通りドラウスさんの探知は素晴らしいもので、何回か前回と同じような雪や雨でも探知できなかった敵をドラウスさんは探知し、俺たちと連携して簡単に倒してしまった


俺?勿論俺は変わらずに採取しかしていなかったけど?


「へぇ、空殿は薬学をも究めているのですね」


俺が採取や調合をしているのを見てドラウスさんが呟く


「いえ、基礎だけですよ。まだまだ本職には遠く及びませんって」


その言葉の通り、俺は色々な生産業に手を出していたが辺境の村だけあって、基礎の基礎ぐらいしか学ぶことができない・・・というか基礎の基礎しか知っている人がいないという現状なのだ


「またまた、ご謙遜を・・・・・空殿が今作っておられる薬は基礎の基礎といったレベルの技術で作ることの出来るものでは無いでしょうに」


「よくご存じですね。もしかしてドラウスさんも薬学に精通しておられるとか?」


その通りなのである


確かに俺の村の人たちは基礎の基礎しか知るものはいない


しかし、隣の村には一人だけかなりのレベルの技術を持っている生産職がいるのだ


それが俺の師の一人であるメディさんである


彼女は一人であの村周辺の村の薬を賄っているとんでもない凄腕薬師なのである


しかし、謎なのはその過去を誰も教えてはもらっていないということである


まぁ、言いたくないことの一つや二つなど誰にでもあることだからということで特に聞く人もいないというだけだが


「えぇ、私も少しですが薬学に通じております。師匠に比べると下手の横好きも甚だしいのですがね」


そう言って苦笑する


そんな話をしているうちに奥までたどり着き、一角獣ユニコーンの所へとたどり着いた


「あぁ、ようやくたどり着きました・・・・・」


その言葉が聞こえたのか一角獣ユニコーンがこちらを向く


『どうなさいましたか?竜属のおかた・・・・?』


いきなり頭の中に鈴の音ような声が聞こえる


「あなたが超薬草の守護を任されている一角獣ユニコーンですね私は竜属のドラウス。超薬草を受け取りにきました」


その言葉に一角獣ユニコーンが頷く


『わかりました・・・・しかし、色々と尋ねたいこともありますし今から戻っては夜をこの森で過ごすことになるでしょう・・・今日はここに泊まっていってください。きっとバランも喜ぶでしょう』


「バラン?」


俺はいきなり出てきた名前が誰のものかわからずに首をかしげる


「バランというのは我々竜属の中でもかなり強い力を持つ人だったと聞いています。彼はある日傷ついた幼い一角獣ユニコーンを助け、その生涯を共に過ごしたと聞いています」


その言葉で理解し納得する


『それではこちらへどうぞ』 


一角獣ユニコーンに案内されるままに俺たちは奥へと進んでいった

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