いきなりスランプ
最近とにかく調子が悪い。
仕事で連日9時過ぎまで残業続き、なのはまあ平常運転なのでかまわない。
オークションの落札価格が下降気味、なのはライバルの参入が増えたためだ。今のところまだ利益は出ているが、手間を考えるとあまりオイシクなくなってきた。まあ、楽して稼ごうなんてのがそもそも間違いなのかもな。
一番へこんでいるのは“ガーディアントルーパーズ”で勝てなくなってきたことだ。
CPU戦ではステージ5のサジタリウスが倒せないし、対人戦でも負けが込んできている。
対人戦で負けるのは他のプレイヤーが操縦に慣れてきたせいだろうな。射撃はもちろん、近接戦闘もそつなくこなせる相手が増えてきている。
対人戦メインのプレイヤーには相変わらずスキュータム使いが多い。そして皆が皆、スキュータム専用盾とBAR44ビームガンを判で押したように装備している。
スキュータム専用盾であるカイトシールドは俺のXキャリヴァー同様に表面にビームを展開可能で、ビームも実弾もほぼ無効化してしまう。万能のバリアーといっていい。
おまけに近接戦ではシールドの先端部分に装備されたアキュートで突き攻撃までしてくる、Xキャリヴァーに負けず劣らずのチートな装備だ。専用装備ってのはそういう位置付けなんだろう。
この専用盾はガチャチケでかなり出るらしく、トレード相場も200k前後で安定している。いつの間にかスキュータム使いはみんな当たり前のように持っているが、くじ運の悪いプレイヤーは相当リアルマネーをつぎ込んで手に入れた模様だ。
ちなみにXキャリヴァーもすでに何人か所有者がいるらしい。掲示板とかじゃネーミングセンスが悪いという点が一番話題になっているようだ。命名者が公開されない仕様で助かった。
一方、BAR44ビームガンはスキュータムの専用装備ではないが、定番の武装だ。他のビームガンに比べて頭二つくらい抜きん出た性能で、長射程、高威力、低燃費の名銃だ。
プレイヤーにはヨンヨンとかビームライフルとか呼ばれている。あまりに高性能すぎて他のビームガンを使っているプレイヤーはほとんどいない。そのうち下方修正が入るという噂もあるが、後からゲームバランスを弄るのはできるだけやめて欲しいと個人的には思っている。
ヨンヨンの単射には隙がほとんどないため、上手い相手に狙われるとそれだけで終わってしまう。
調子に乗って三連射してくる相手ならなんとかなる。連射後のそこそこ長いクールタイムは一気に距離を詰めるチャンスだ。
チャンスなのだが、苦労して距離を詰めても近接戦で負けてしまっては意味がない。
シールドで突かれ、ビームガンの零距離射撃に射たれ、内装のビームソードで斬られる。
スキュータムは固定武装として右腕にビームソード、左腕にパルスビームガンを内装している。近接戦になるとクールタイム中のビームガンをいきなり投げ捨てて、ビームソードで斬りかかってきたりするのだ。
左腕のパルスビームガンは威力は低いが連射性能はなかなか優秀で、近距離でバラまかれるとそれなりに面倒だ。近接戦で優位がとれずにもたついていると、いつの間にかダメージが蓄積していてゲームオーバーなんてこともよくある。
とにかくスキュータムはよくできすぎた機種だ、下方修正を求めるプレイヤーが一定数いるのも仕方ないだろう。
バスターソードを使っていては対人戦でほぼ勝てなくなった、Xキャリヴァーを持ち出しても負け越している。これはスランプなのか? 実力の差か? あまり負けてばかりだとさすがに面白くないぞ。
近接戦闘だけでは無理があるのはわかっているのだが、今更射撃を練習したところでそう簡単に勝てるとも思えない。
一体どうすりゃいいんだよ?