表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
有料彼氏  作者: 真澄
1/19

1☆

仕事はある。

金もある。

趣味は大してない。

友だちはいる。

恋人は、いない──きっと、これからも。



欲しいような、いらないような。面倒くさいような、さみしいような。



最終的にはお金で解決だなあ。会いたいときだけ現れてくれる、都合のいい彼氏。お金払って雇えるもんなら雇うっての。



夜中のコンビニのATMでお金を下ろす。銀行に行くヒマもない。そういえば来週は同級生の結婚パーティーがある。少し多めに下ろしておこう。わたし、ちゃんと祝福できるかな。そんなことを考えながらも、帰り道には少し用心する。こんなときに「金を出せ」なんて言われたらこわいよね。けど、ほんとに必要なんだったら支援もやぶさかではないかなあ、なんて。



「おねえさん」



たとえばさ、それが若くてかわいい男子だったらメシのひとつもおごってやろうというもんだよね。



「おねえさんてば」



「…わたし?」



コンビニを出て少し歩いたところで、そんな声に呼び止められた。



「そう、おねえさん。悪いんだけどさ、金貸してくんない?」



街灯に浮かぶ顔は、だいぶ年下の男の子。わたしはなんであんな返事をしたんだろう。よっぽど疲れてたんだろうか。今週は毎日残業マックスだったし。



「いいよ、あげる。その代わり私の恋人になってくれない?」



いいや。理由はあとで考えよう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ