↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
PR

狂乱~破滅を望む少女が見つけたもの~

作者: 七名瀬由竒乃
掲載日:2026/09/01

私は、オレンジに染まった家を見ていた。

近づくと温かく、機関車の匂いがした。


「やめろ!蘭!近づくんじゃない!」


近所のおじさんが何か言っている。

確かに、音として聞こえるが、言葉としての意味をなさない。

ゆらゆらと揺れる温かな色。

惹かれるままに近づく。


「蘭!やめろ!」


誰かに羽交締めされた。

それでも、もがき、近づく。


「あったかい」


そう喉から漏れた言葉が認識できた時、既に意識を手放した。


○●○


白い。

壁も、天井も。

私が寝そべっている床も。

ふわふわで白い。


「ここは、何処?」


無意識に漏れた言葉。


「蘭!よかった。」


名も知らない級友が隣にいた。

私の手の温もりを確かめるように、ぎゅっと握っている。

流れ込んできた感情は、

安堵。そして、心配。

よほど、不安にしていたのだろう。


「蘭が起きてくれてよかった。百合も、柊も、おばさんとおじさんも、皆んな、深い眠りについたから。」


私は、その言葉を聞いても何も感じなかった。


ただ、流れ込んでくる感情は、哀しみ。


もう、私の中では廃れた感情だった。


「蘭だけでも、起きてくれて、よかった……!」


涙声の級友は、時間ギリギリまで、一緒にいてくれた。


数日経って、医者から告げられたのは。


「記憶喪失ですかね……?ほんと、すみません、私でもお手上げで……」


医者ですらわからない症状らしい。

でも、そんなことどうでもよかった。

お見舞いに来てくれた級友の事すらわからない私は、屹度、この世界にいない方がいいのだろう。


だから、退院した後、独人(ひとり)静かに自分の逝き場所を探す旅に出た。


○●○


誰もいない、木の香りがする静かなところだった。

「自分は何も感じないのに、「死ぬのが怖い」」

まだ拭いきれない恐怖感があった。

屹度それは。

「まだ、やり残していることがある。」

私の心残りは。

それを探すために、家出の時の記憶を辿った。


○●○


家へ向かう、小さな路地。

妙に騒がしかった。

ここは、お祭り会場か!と突っ込みたくなるような、騒がしい、他人の声。

野次馬根性で、そこへ向かう。

目の前にあったのは、そう。

オレンジに染まった家だった。


○●○


そこで記憶が途切れてる。それ以降、何も思い出せない。

「あの後、何が……。」

私の躰の血の気が引いてゆく。

「あぁ。」

漏れ出した声は弱々しかった。おかしなほど。

これは、私の死に際だ。

すぅっと、たましいが抜けていった。

「私は、,,,w(%(8(なかったんだね。」

寂しく、一人。

消えた。


○●○


全ての記憶が頭に浮かぶ、いや、入ってくる。

私は、あの時、何をしていたか。

何故、私だけ生き残ったか。

その疑問が全て解(ほど)ける。

「あの時、私は……!」


○●○


あの日、私が家出したのは。

あの日、家で火事が起きたのは。

あの日、父さまが心中したのは。


「全部、私のせい。」


父さまに絶望を植え付け、母さまを父さまとの共依存をさせ、姉さまのすべての指標を母さまにし、弟は私の駒とした。

だから、心中になった。

そのことに、2週間前から私は気づき、家を出た。

家出をした時の記憶はない。

唯、帰ってきたら、家がオレンジに染まっていた。

多分、家出の間に、何かに絶望した。

だから、炎の中へ、入ろうとした。


否、違う。私は、私には。


私は、俗に異能と呼ばれる能力がある。

感情共鳴。

それは、他人の思っている気分や感情を、自分自身のこととして感じる能力だ。

私は天性の才能として、演技力があった。

だから、その他人の鏡写しになることができた。

それは感情を無くした今でも、出来るらしい。


「やめて!やめてよ!うぁぁぁぁぁぁぁ!」


屹度私は此れで家族を壊した。


「蘭……お前はそんな……」


恐ろしいものを見る目で見られた。


「蘭!らん!はぁ、はぁ、怨む。恨む!あぁぁぁぁ!」


狂った母さまが脳裏に浮かぶ。


「お姉ちゃん?なんで!なんで!」


そして、弟の責め立てる声。


あの日、私は、家族を壊した。

私を殺そうとしてきた、母さまと姉さまから、逃げるために。


狂った母さまがライターを取り出して、家に火付した。

ガスが漏れてる上に。


身の危険を感じた私は、家を出た。


帰ってきた時には。


とてつもなく頭が痛い。

全て思い出したのだ。


だから、感情が、亡くなった。


のだろうか?


いつの間にか、目の前に水面があった。

私の望みは……。


「屹度、破滅。」


だから、そして、輝く、水面へ、身を投げた。


愛する、仲間が屹度私を見つけてくれるだろう。


そうして、私の人生は幕を閉じた。

狂った、2人の人生に。

なんで、狂って生まれたんだろう。

私は、神様を恨む。

でも、祈らずには、居られない。


今度は、 普通になれますように。



作者自身も、どういうことかわからなくなってしまいました。

誰かに、考察コメントお願いしますっっ!


またいつか〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
蘭ちゃん、次は普通に生まれてきてねと祈りました。 狂乱〜破壊という人の心に巣食う闇が閉じていくのが悲しかったです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。